暫くすると
「どうぞ 簡単ですよ 出来ました」
「ありがとう 焼き魚がいい匂いだね」
「ありがとうございます 漸く上手に焼くコツが分かりました」
「うん この頃は以前より美味しいもの 勉強しているね」
「だって 美味しい方がいいでしょ 私もあなたも」
神山は嬉しかった
ご飯が良く進み 御代りをして綺麗に食べると祐子がお茶を用意した
次長室に行くと神山は鈴や食品のデザインを見直した
いままでは 鈴や食品6億 東都食品6億合計12億のプランだが
鈴や食品で12億となれば 合計で24億のプランが出来 各ブースの
連結部分にお金を掛けられると思った
鈴や食品のプランも当初案に戻し 神山が考えていたプランで
進める事が可能になった
神山は自分のデザインを何枚も書き直し アレックスブース
ニーナ・ニーナブースとの関連性を持たせた スケッチをした
3ブースの全体像が書けた時に 神山は喜んだ
これなら絶対に存続間違いなしと 自画自賛した
神山が喜んでいるところへ洋子が出勤してきて
「おはようございます 早いですね」
「洋子 出来たぞ これだよ これ」
洋子は神山が持ってきたパースを見ると 笑顔になり
「漸くあなたの夢が叶うのね おめでとうございます」
神山は興奮していて 洋子にキスをし
「これでおじさんに 恩返しが出来るな よかった」
洋子は神山は今まで時田のことをおじさんなどと言わなかったので
よほど嬉しいのだと 思った
「洋子 昨夜亜矢子から電話があって 由紀枝が昇進したって」
神山は亜矢子からの電話内容を掻い摘んで話をすると
「凄いわね 私には出来ないわ 亜矢子さんも驚いたでしょうね」
「うん 面白いのは 私は普通の事をしただけなのに 大げさよね
だって 僕と同じ心境だったんだ でも良くやったね」
「ええ 自分が信念を持って行えば 結果は後から付いて来るのよね
そのいい見本だわ 社員や外商に聞かせたいわね 本当に」
「おいおい 分かった ははは それで今日は鈴や食品は誰が来るの」
「ええ おじ様は欠席でしょ 黒江常務はもうこのプランから外れていて
結局 あなたしか居ないのよ」
「えっ それならさ 時田さんを呼ぼうよ 頼む」
洋子はしぶしぶと時田に電話をすると来てくれる事になった
「ありがとう でもプライベートな話は無しだよ いいね」
「ふふふ 分かりました」
9時30分を過ぎたときにアレックスJrから電話が入った
「はい 神山です」
「神山さん おめでとうございます」
神山は何について おめでとうを言われているのか分からなかった
「うん」
「凄いじゃないですか 繊維協会の理事って それも4箇所も理事
そうそう 午後に伺います」
「うん お待ちしています では」
神山は想定内の事態が起きてきたと思い
「洋子 実は繊維関係4協会の理事になった それでこちらに
電話は無いと思うけど 何かあったら 協会の方に振ってください」
「えっ また理事職が増えたんですか、、、」
「ああ 困ったものです」
洋子は 正直これ以上贈り物の整理はしたくないと思った
「あのー お言葉ですが お仕事が出来なくなりますよ
お中元って これからが本格的になるでしょ あーあ」
「おいおい 秘書が嘆いてどうするの 僕が嘆いているのに もう」
又 電話が鳴った
「はい 次長室です」
「ニーナ・ニーナの筒井です 山ちゃんは居ますか?」
「はい お待ちください 神山さん筒井さんからです
はい 神山です」
「山ちゃん 凄いな 繊維関係4つも理事なんて」
「いえいえ まぐれですよ」
「午後に伺いたいんだが 時間は何時がいいだろうか
ほら 繊維関係の会議があるので遅い時間がいいんだ」
「いいですよ 6時までお待ちします」
「パリのポール・モーガン副社長も一緒に伺います」
「はい お待ちしています」
神山は洋子に
「今日は 遅くなりそうだよ 昨日のモーガンさんが来られるんだって」
.