購入しますし 昨日のご提案なら間違いないですね 絶対にいいですよ」
里香は神山の顔をみながら ニコニコして頷いた
「ありがとうございます あとはございませんか」
説明が終わると田宮が缶詰を神山に渡し
「昨日の試作品です どうぞ」
神山は缶詰を開けると 真空パックのサラダが綺麗な彩で見ただけで
よだれが出てきた
パックを開けその中に水を入れると 野菜が元に戻り
缶詰に野菜を入れてみて 一口食べると 新鮮で美味しかった
洋子もこれなら 多少高くても売れると里香に話した
林敬子がニコニコして神山に
「あなたはうちの救世主です ありがとう 本当に嬉しいわ」
神山の手をとり両手で握手をした
「まあまあ 普通の事をしているだけですよ ほんと」
林は頭を上げるとうっすらと 涙ぐんでいた
田宮が神山に
「この試作品 3ケース120個あります これを皆様で試食して頂き
ご意見を頂きたいんです お願いします」
神山は快く引き受けると森和幸が車から出してきて 次長室に運んだ
「田宮さん 現在何ケース有りますか」
「ええ まだ試作なので 100ケース限定ですが 一応1ロットなんです」
「そうしたら 若い人などに設定価格で食べて貰いましょうか いいですか」
「ええ お願いします それで何ケースでしょうか」
「ええ 10ケースお願いします」
「えっ10ケースですか こちらの分も含んでですか」
「はい 全部で10ケースお願いします それで卸と設定価格は」
田宮は林と相談して
「卸は100円です 設定価格は300円です」
「わぁー そんなに利益が出るんですね 分かりました
設定価格は崩さずに 試食してもらいます アンケート付きで」
神山は4万円を田宮に渡し 洋子が用意した領収書にサインした
「楽しみに待っていてください」
「はい お願いします」
神山は東都食品の面々をビルの出口で見送ると次長室に戻った
時計を見ると10時30分を指していたがゴテンバ グランド インの
椿総支配人に電話をした
神山はGOLで限定販売する東都食品のサラダ真空パック缶詰を
従業員に食べてもらいたい事とアンケートをお願いしたい事
GOLがオープンしたら お土産で置いてもらいたい事など伝えると
快く引き受けてくれ お土産については生産品を試食してからと言われ
神山も充分大丈夫と話した
電話を切ると伊豆高原赤沢ホテル 総支配人山本清次郎にも椿と同じ内容で
伝えると快く引き受けてくれた
アレックスジャパンのJrにも同様の話をするとOKと言われたので
神山は3箇所の住所をメモして 宅配便で送る手配をした
「さあこれで6ケースさばけたね あと2ケースアルタ小田原工場に送るよ
それから 1ケースはうちで処理をして あとは洋子の知っている
一人暮らしの女性に分けてくれるかな」
「そうね 女性の意見の方がいいでしょ 分かりました
でも 凄いわね 早い決断力は鈍っていないわ ふふふ」
洋子は神山のおちんちんをポンと叩き
「ここはまだ 鈍っているようね ふふふ」
「こらぁー」
神山は洋子のお尻を叩く振りをすると洋子は キャーキャーいい逃げた
「じゃ 今日は久しぶりにZで行こうか」
「ええ 乗ってあげないと可哀想よ」
神山はサラダ缶詰2ケース持ち 駐車場までかけ足でいった
「わぁー だから傘をさせばよかったのに」
「うん まあ さあ行こうか」
文京区のアルタ本社に着くと 受付で小谷美佳が神山を見て立ち上がり
「副社長いらっしゃいませ」
深々とお辞儀をして迎えてくれた
「おめでとう 良かったね 話は又聞くよ」
小谷はニコニコして内藤に電話をすると エレベーターまで案内した
神山と洋子は社長室に入ると 内藤が
「山ちゃん まさか爆弾じゃないよね そのダンボール」
「いえいえ 爆弾ですよ 日本中が驚く爆弾です」
「えっ またそんなの物騒なもの持って来て 驚かさないで さあどうぞ」
神山と洋子は進級のお礼を伝えた後に
「実は社長 私はニーナ・ニーナ東京支店のメンズアドバイザーに
昨日付けで就任しました 洋子さん見せて」
洋子が契約書を内藤に見せると 内藤は驚いて声が出なかった
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