2012年12月1日土曜日

Vol.875 紫陽花 -9-54



「ねえ 4枚ください」
洋子はきょとんとして訳が分からずに神山に手渡した
神山は白い封筒に多田と東条の氏名を書き現金50万円を二つの
封筒に ギフトカード100万円分を二つの封筒に入れた
「洋子 これを食事が終わったら渡して欲しい」
洋子はわざわざ別けた理由を聞かなかったが 自分の存在も
きちんと考えてくれている神山に ありがたく思った
「はーい 分かりました あなたの後に渡せばいいですね」
神山は何も言わず 頷いて答えた

タクシーで靑山3丁目に着くとお店は直ぐ傍だった
店に入ると石原総支配人が出迎えてくれ 神山と洋子の席を案内した
「神山様 本日はどうされますか」
「美味しいのはありますか?」
「はい 珍しく入りました」
「そうしたら 生をおつまみで頂きたいです」
神山はおつまみを選び石原に伝え
「今日は多田さんと東条さんは来られていますか」
「はい お肉は東条さんに焼いてもらいます 腕を上げましたよ」
「それは楽しみです」
石原が下に降りると洋子に現金の封筒を出して欲しいといい
神山は30万円づつ追加していれた
「まぁ 美味しかったら 入れてあげればいいのに ふふふ 優しいのね」
「まあ 支配人が言うのだから間違いないでしょ 御礼ですよ」
そんな話をしているところへ神山の携帯電話がなった

「はい 神山ですが」
「せっ 先輩 翔です」
「どうした 慌てて」
「はい 済みません あのぉー えっー 何だよ 先輩だってば」
「おいおい 翔 どうした おーいぃー」
「山ちゃん 美佳でーす ふふふ 今ね 結婚の約束しました」
「はぁー 美佳ちゃん 結婚の約束、、、」
「もしもし 山ちゃん もしもーし、、、 なんか可笑しいわ
先輩 大丈夫ですか せんぱーい」
「おお 良かったな 美佳ちゃんのご両親に会ったのか」
「はい OKを頂きました たった今です なんだよ もう
もしもし山ちゃん 私 嬉しくて ありがとうございます」
「うん ちょっと待ってね 洋子と変わるね
洋子 美佳ちゃんと翔が婚約だって はい
もしもし 美佳ちゃん良かったわね」
「あっ 翔です ありがとうございます 変わります 美佳 田所先輩だ
もしもし 美佳でーす」
「洋子よ おめでとうございます よかったわね」
「ええ 彼が両親の前で 丁寧に挨拶をして もう両親も笑いっぱなし
もう 美佳 余計なこと言わなくても言いの また」
「もしもし 美佳ちゃん」
「はい 翔です 済みません 余計なことばかり言って もう いいでしょ
美佳です それでね 挨拶の時に 私の名前を言わないで 妹さんの
名前を言ったものだから 両親もこらえきれずに大笑いしました」
「それはそうよね 美佳さん 良かったわね」
「ええ もう大変ですよ お酒呑んだら 盆栽の話をして
父なんか大喜びで じゃ教えてもらうかって もう息子が出来たって
大喜びです  美佳 なに言っているの もう いいの
田所さん 先輩と代わって頂けますか」
「はいはい あなた杉田さんよ
もしもし 翔 良かったな 詳しい話は後日ゆっくり聞くよ
あまり美佳さんを苛めるなよ 分かった」
「はい 先輩を見ていると分かります」
「ははは では」
神山は電話を切ると 杉田の一言が頭にきて
「もう 翔は何を見ているんだ もう」
「どうしたの そんなに怒って」
「うん 美佳さんを苛めるなよって言ったら 先輩見ていると分かります
だって もう 変なところを誤解しているな」
「ふふふ いいじゃない 言わせておけば ふふふ」
「いいんです もう あーあ」

ビールを呑み終わりワインを注文する時
「今日のステーキに合ったワインをお願いします」
石原は頷き 下がった
神山と洋子は牛肉の生を食べると濃厚な味がして美味しく食べた
ホタテのバター焼きを口にすると 中が生でジューシーで甘かった
「どれを食べても 美味しいね」






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