2012年12月17日月曜日

Vol.891 紫陽花 -10-55



洋子との踊りでも軽快なステップで洋子をリードしていると
「ねえ 祥子さんと昔 あったでしょ」
神山はどきりとしたが もう時候だと思い
「今は無い」
それだけ言うと洋子は腰を付けてきて 神山も軽快なステップにした
二人は慣れたステップで軽快に踊りまわりの人を魅了した
「ねえ 祥子さんよりもっと上に投げてね」
神山は頷くと 曲の終わりを読んでいた
曲の最後になると神山は約束通り洋子を放り投げ抱きかかえて
踊り終わった 周りからは最大級の拍手と指笛が鳴り止まなかった
席に戻るとモーガンが二人に
「素晴らしい 映画でも見ているみたいだ 美しいく綺麗だ」
「モーガン イメージビデオにしましょうよ どうですか」
「おお いいアイデアだ スタジオで作ろう 紳士服と婦人服だね」
「そうです それでGOLをイメージさせるようにすれば
きっとヒットしますよ どうでしょうか」
「うん そうしよう」
神山は名刺を見せ アルタの常務だが7月1日に副社長になることと
アレックスJPのCMもここで製作する事を伝えた
「わかった 神山さんに任せる 経費は言ってくれ 全額出すよう努力する」
洋子は早速 契約書をメモで作った
この時 神山はアルタ担当常務と記されていた
モーガンは頷き サインをして神山に任せたと言った
神山もサインをして 洋子は勿論 アルタ神山の秘書としてサインし
久保が立会人でサインをした
最後に 神山が日時をいれてサインをした
「モーガン プロモーションビデオは 第一弾が好評なら 秋とか冬
そのように考えて行きましょう」
「うん その為にも オープニングのCMが大切だね お願いします」
「分かりました 明日内藤に話をして プランを進めます」
「うん GOL発信メンズファッションだな」
「あっ そのフレーズいいですね 頂です ははは」
4人は大笑いした
話が楽しく実現可能な事ばかりなので カクテルも良く呑んだ

「では神山さん そろそろ失礼します」
「はい 今夜は楽しくお話が出来ました ありがとうございます」
「いやいや NNのためにこんなに熱い男を見たのは 初めてです」
「ありがとうございます」
「筒井さんの目に狂いは無かった いいパートナーが出来て嬉しいよ」
「明日 筒井さんに報告させて頂きます」
「うん そうだ ちょっと待ってくれ」
ポール・モーガンは名刺に自宅と別荘の電話番号を書き入れ
「会社以外は ここにいるよ それで掴まらない時は行方不明だ ははは」
神山も頷き笑い 名刺を貰った
モーガンを見送ると神山は
「洋子 どうする まだ時間が早いな」
「ふふふ ラーメンですか もう嫌ですよ 太るぅー」
曲がバラードからビートの効いたポップスに変わると
「洋子 5曲踊ろうよ いこう」
洋子と神山はセンターで踊りだし 周りと楽しく話しながら体を動かした
3曲目が終わると 神山は少し動きが鈍くなったが 洋子に励まされ
4曲目が終わった時点では 3組のカップルが踊っていた
5曲目の最後まで踊ると さすがに二人とも息が切れた
センターにいるとアナウンスがあり
正装の紳士が現れ バニーガールがクリームピザを皆に渡し
アナウンスがどうぞ投げてくださいといわれると
神山と洋子は顔をめがけて見事にあたり
「わぁー 当ったわぁー」
「ははは やったね」
会場に急にバラードが流れ 神山と洋子はそのままチークを踊った
照明も落とされると ピンスポットが3組のカップルに照らされた

他の2組は途中で辞退し センターでは神山と洋子だけになった
軽やかなステップワークで洋子をリードし 見ていても引き込まれる
流れだった
「先ほどと 同じように投げてね ふふふ」
神山は返事の変わりにキスをすると 周りからは拍手が沸いた
曲が終わりに近づくと 神山は洋子の顔を見て
終わる瞬間に 上のほうに投げると洋子は1回転し神山に受けて貰い
ポーズを決めた
この時は 綺麗で美しく 映画を見ているようだった
神山はみんなに手を振り挨拶しながら 席に戻ると ジョンがやってきて
「神山さん いつ見ても素晴らしい 今度CCAで見せてくれ」






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