2012年12月14日金曜日

Vol.888 紫陽花 -10-55



もう1着はスタンドカラーの仕上げになっていた

「山ちゃん ちょっと着てみてください モーガン副社長も居るし」
神山はFRでスーツとシャツに着替えると モデル顔負けの格好良さだった
洋子を初め みな驚き モーガンは神山に近寄り
「うん 素敵だ 筒井さん 紳士服をつくろうよ 素晴らしい」
モーガンは神山と両手で握手をすると何度も頷いていた
神山はスーツやシャツを脱ぎ普段の格好に戻るとモーガンが
「紳士服の基本プランを 神山さんに任せないかね 私は彼の服装を
見ていると シンプルで非常に上品だと思うが どうだね」
「ええ 普通のファッションでありながら 上品さが漂っています
私も副社長の意見に賛成です」
「では ここで契約を結ぼう いいでしょ神山さん」
「大変 光栄なお話ですが 私はファッションデザイナーではありません
そこでアドバイザー契約でしたら 結びます 如何でしょうか」
「分かった 神山さんの言うとおりにしよう
勿論基本デザインの打ち合わせの時には 出席してもらうよ いいね」
「ええ 時間のある限り 私の本職はGOLのデザイナーです
そこのところを ご理解してください」
「わかった 筒井さん パリからデザイナーを2人 こちらに回す
部屋は久保さんのマンションでいいでしょう どうですか」
「はい あと責任者はどうしましょうか」
「うん 最高責任者は久保さんで アドバイザーが優先する どうですか」
「うーん どうだね久保君」
「私は纏め役になります その方が神山さんのお仕事が自由に出来るし
責任者は何人も作らないほうがいいと思います
売り上げ数字などは 組織で管理しなければいけませんが
デザインの時は トップが一人で充分だと思います」
「わかった モーガン副社長 如何でしょうか 日本ニーナ・ニーナより
ニーナ・ニーナ東京支店のメンズアドバイザーとして 来て頂いたら」
「そうですね そうしましょう」
「そうすれば ここだけの契約で済みます 日本ニーナ・ニーナだと
出向という形を取らざる得ません 私のように鈴やも絡みます」
「うん ニーナ・ニーナ東京支店のメンズアドバイザーの誕生だ いいね」

洋子が契約書を英語で製作すると みんなに見てもらった
神山は筒井に 給料と賞与のことを話すと 少し躊躇してモーガンに話した
「うん 筒井さん 販売はインセンティブがあるが 彼は先行投資だ
だから 私が決めてパリから支払いをする どうだろう」
「そうですね ありがとうございます」
「神山さん 給料は日本円で400万円で如何ですか
ボーナスは1600万円で年に3回で如何でしょうか 但し条件が有ります
お召しになられるシャツやジャケットはNNの商品を最優先する
そのうちにメンズシューズやバッグまで製作します それも最優先する
勿論 他社のものを着用出来ない訳では有りません 最優先です」
神山は仕事の時にはなるべく着用するが 普段の格好で合わない時は
着用しない事などモーガンに確認をした
「OK 神山さんに任せれば大丈夫です それでしたら給料は480万円
ボーナスは2400万円出しましょう お願いします」
洋子はこの話も全て英語で契約書を製作するとモーガンから見せた
みなが確認したので 2部作りモーガン 神山 筒井がサインし
立会人 洋子と祥子のサインをした
「モーガン 振込み日はいつですか?」
「ごめんごめん 給料はフランス時間20日 ボーナスはフランス時間
3月7月11月の各10日で土日の場合は翌営業日です」
「分かりました 洋子 追加して製作してくれるかな」
「大丈夫ですよ」
「神山さん それでは口座を教えてください」
神山は少し躊躇したがスイス銀行の口座を教えた
「ただし ここは入金が100万円単位なので 500万円にして欲しい」
「分かった でも凄いですね 私だって口座は作れないんだ」
神山は洋子から契約書の用紙を貰うと口座番号を書き入れた
数字のところには数字の上にチェックを入れ分かり易くした
「さあ 洋子 これで大丈夫ですよ 2部製作してください」

洋子が給与契約書をモーガン 神山 筒井がサインをして
洋子と祥子が立会人でサインをした
神山は先ほどのアドバイザー契約書と給与契約書に日時とサインをし
1部をポール・モーガンに渡し 1部を神山 筒井がコピーを受け取った
神山は洋子にワインと簡単なおつまみの準備を指示した
モーガンは嬉しいのか 筒井や神山と良く話した
「筒井さん モーガンはお寿司はどうですか」
「うん 大丈夫だよ そうしたら上原にでも行こうか?」
「ええ 電話で予約を入れますよ そうしたら ショップの子たちも





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