2012年12月5日水曜日

Vol.879 紫陽花 -9-54



「ワシじゃ」
「あっ 社長 どうでしたか」
「ははは 隣に勝って ダントツで優勝だよ」
「それはおめでとうございます」
「ところで 今夜は空いているかな」
「はい お供をさせて頂きますが」
「うん 洋子はどうした」
「ええ 今日は早く帰宅しました」
「うん分かった そうしたら 5時半に例の上原でどうだ」
「はい 伺います」
「うん 頼んだぞ」
神山は電話を切ると時計を見て 時間があるので夕寝をした
「祐子 30分寝かしてください お願いします」
神山はそういうと ソファーに横になり直ぐに寝た

「神山さーん 30分経ちましたよ」
神山は直ぐに目を覚まし シャワーを浴びて体をスッキリさせた
予めタクシーを呼んでいて 支度が出来た時 丁度タクシーが来た
「祐子 今夜は遅くなるから 先に寝ていていいよ」
「はーい 行ってらっしゃい」
神山は門扉まで歩くとタクシーに乗車し上原に向かった
約束の時間には充分間に合い 暖簾をくぐると時田が手招きした
「お早いですね まだ充分間に合うと思っていました」
「ははは まあ高速が空いていたからな」
神山はビールを時田に注ぐと 自分にも注いだ
「優勝おめでとうございます」
「ははは ありがとう 山ちゃんのお陰だ」
神山はテーブルにつまみが無いので 女将を呼び
「しめ鯖と鮮魚の盛り合わせ あとは照り焼きをください」
「はい ありがとうございます」
「山ちゃん アルタで副社長だぞ」
「ええ 先ほど佐藤部長から伺いました 困っていますよ」
「ははは いいじゃないか 力が認められたのだから
そこで 今日は明日の事で少し聞きたくてな」
「はい」
「どうだ 10億で出来るか」
「ぎりぎりです あと2億あれば充分です」
「うーん ワシも2億出しているんだ どうにもならんな 困った」
神山は少し考えたが
「社長 私も2億出します 如何でしょうか」
「えっ 山ちゃんが2億、、、本当か」
「はい その代わり 鈴や食品の常務以上の席をお願いします」
「うん 分かった 株主総会にかけないで出来るというと、、、
うん担当副社長でどうだ 株主総会の時には正真正銘の副社長だ」
「はい ありがとうございます」
「うん では決まった そうしたら7月1日に一緒に行おう いいかな」
「ええ 洋子さんもお願いしますね アルタでも理事ですから」
「うん そうだってな ワシは驚いて 何もいえなかった
うん 分かった 洋子はそうすると 理事秘書か」
「ええ 鈴やより外の役職が上だと ちょっと不味いかなって」
「分かった 山ちゃん 電話をしてくれ」
神山は時田がいう電話番号にかけると 時田に渡した
「おお ワシじゃ 中村君 実はな7月1日の人事命課だが 追加してくれ
神山次長は鈴や食品担当副社長 田所部長は 理事1級と鈴や食品の
理事1級で手配をしてくれ いいね」
「はい 復唱します 神山次長の鈴や食品担当副社長 田所部長の
理事1級 鈴や食品理事1級でよろしいですか」
「うん そうそう神山次長の理事4級は忘れないでな 洋子は専属秘書だ」
「はい 早速本日中に手配します それから社長 ゴルフ
おめでとうございます だいぶ頑張られましたね」
「ははは 山ちゃんのお陰だよ では頼んだよ」
電話を切ると神山に返し
「社長 洋子さんが理事ですか、、、」
「おお やはりアルタさんに負けてはいけないな ははは」
神山は少し呆れたが 仕方がないと思った

「社長2億はどの様にしたらいいでしょうか」
「そうだな うーん 一番いい方法は 出資してもらう事だが 難しい
うーん どうだろう ワシのところに持って来てくれるか」
「ええ 構いませんよ でも本社だと目立ちますよね」
「うん そうだな」
「それでしたら社長の口座に振込みをしますよ」
「そうだな それでワシから出資していくよ うん そうしよう」
二人は話が纏まると 日本酒で乾杯をした





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