今月分のお給料を振り込ませて頂き
本日は就任ボーナスをお振込みいたします」
神山は毎月の給与と入金日 ボーナスの額と入金日を聞いた
「はい神山理事は月給190万円と手当て100万円非課税扱いで
毎月20日に指定口座に振込みさせて頂きます
土日の場合は前営業日入金致します
賞与は7月20日 12月20日 年二回で各5か月分です」
「あと 私の定年はいつですか」
「基本的には65歳ですがその前にお辞めになられましても
退職金は支払われますよ」
「金額は」
「ええ 2年未満在籍者はお給料と手当ての合計金額の1年分です
ですから1週間でも1年分は頂けますよ
あと2年以上5年未満が2年分 5年以上は3年分です」
「分りました ありがとうございます」
神山は先日の食品関係の協会に電話をして定年や退職金を聞いた
「はい こちらは食品安全基準協会 東京事務所です」
「こんにちは 神山です」
「はい 神山理事 どうされましたか」
「ええ 先日頂いた辞令の定年と退職金を確認したく電話をしました」
「はいありがとうございます 神山理事の場合
定年は70歳です ただしご自分で辞められても退職金は出ますよ
在席期間3年未満はお給料の20ヶ月分 3年以上7年未満は
40ヶ月分出ますよ7年以上ですと60ヶ月分です
それから神山理事様は今回 日本缶詰産業総合協会の理事にも
ご就任されていますが あちらも同じシステムです」
「お給料が違うのに?」
「ええ 食品関係の退職金システムはどこも一緒です
これは決められている事なんですよ
ですから各協会では決められないんです」
神山は礼を言い確認のため日本缶詰産業総合協会 東京事務所へ
電話をしたが同じ答えだった
神山は時計を見ると12時45分前だったので大急ぎで仕度をして
「祐子 では行ってきます 今夜は又 大変だけどお願いしますね
お昼寝を充分にとってください」
「は~い 分りました 食材はどうされますか」
「うん 僕が店で揃えるよ 安心していいよ では」
「は~い 行ってらっしゃい」
神山はガレージの赤いポルシェに乗ると赤坂のスタジオを後にした
次長室に着くと洋子が
「こんにちわ」
「やあ こんにちわ 遅くなってごめんなさい」
「ねえ 大変よ 食品関係の方からお会いしたいって電話が掛かってきます」
「なんで ここの電話番号を知っているんだろう?」
「そんなの 調べれば直ぐに判りますよ どうしますか」
「う~ん そうしたら8日の月曜日3時から6時にしてくれる
各社10分程度でスケジュールを組んでください
それと6月はこの日だけで後は未定にしよう」
「また 電話が掛かってきますよ」
「そうしたら FAX番号を聞いて流せば良いよ
だって 僕には決裁権がないんだよ もう 仕事にならないよね」
「まあ 珍しいわね 分りました そうしますわね」
「うん お願いします」
「それから全然心辺りのない食品会社や生産会社から書留が来ていて
先程 警備室から受け取ってきました 一応リストは制作してあります」
「そうか 法人の理事になったから各方面から来ているんだ
大変だな これは」
神山は洋子に午前中の出来事を掻い摘んで説明すると
「わぁ~ 大変ですね スケジュール調整など 本業も忙しいのに」
「まあ 会うのは僕じゃないと駄目だけど 事務が大変だね」
「ええ 私で大丈夫よ 久しぶりに楽しんだわ」
「そうか 誰かアルバイトでも雇っても良いけどね」
「だって 電話が多くなればそれだけお仕事が増えるでしょ
私一人で出来るから 大丈夫よ」
「うん 分りました 何か有ったら言ってくれ 頼んだよ」
「は~い 分りました」
神山は次長席に座ると山になっている書留を開けていった
「洋子 送り主は全部控えてあるんだよね」
「ええ OKですよ」
「分りました ありがとう そうしたらお昼にしようか」
「ええ そうしましょう お腹が空いたわ」
.