祐子は信じられない顔で神山を見ていると神山が
経過を掻い摘んで説明すると祐子は桃子に同情した
「そうね 私だったら絶えられないわね そうやって宣言をするって
大変な気持ちの整理をしないといえない事ですもん ふ~ん」
二人が今夜の事を話しているとインターフォンがなるのでモニターで
確認をするとマーチの納車だった
神山は外壁の門扉を開けると祐子と玄関で待った
白いマーチが玄関に着くと営業マンが細かく説明し書類を祐子に渡した
祐子は早速玄関の周回を走り神山が同乗をして外に出た
少し走ると祐子は慣れてきたので一旦家に戻った
二人は当選した宝くじと印鑑を持ちマーチに乗って渋谷まででた
銀行で手続きを終えると再び祐子の運転するマーチで家に戻った
「わぁ~ 走りやすいわ だんぜん気に入ったわ ありがとうございます」
「うん 良かったね」
神山はソファーで寛いでいると携帯電話が鳴った
「はい 神山ですが」
「内藤ですが お寛ぎのところすみません」
「あっ社長 こんにちわ」
「先日はありがとうございます ところで山ちゃん 実は先日同様の
話なんですが 2億直ぐに準備できますか」
「ええ出来ますが 1時間ほど時間が欲しいですね ジュラルミンケースを
買わないと入りませんからね」
「ええ 充分です 時間は12時に先日と同じ赤坂 スカイ ハイ ホテル
3Fのティーラウンジです 待ち合わせの方は少し前にまた連絡しますよ
ではお願いしますね」
「あの~ 今回はどんなところですか」
「ええ 建築関係の特殊法人ですよ 今回も山ちゃんが定年まで給料や
ボーナスを受け取る権利が発生し決裁権のない理事です
それから2億の返済は9月30日の12時になっています いいですか」
「はい 分りました では」
神山は時計を見ると11時になっていたので祐子に急ぎの用事だといい
部屋をでてマーチで赤坂 スカイ ハイ ホテルにいきショッピングモールで
ジュラルミンケースを3つと手押し式のカーゴを購入した
近くの銀行に行ってジュラルミンケースを積んだ手押しカーゴを引いて
行内のカウンターで2億円を引き出しアタッシュケースに詰めた
神山は一旦家に戻り現金を上手に3つに分けて詰め替えた
1階のスタジオに下りると祐子に
「祐子 まだ早いけど お昼は一人で食べて欲しい
僕は一緒に食べる時間がなくなったんだ ごめんね」
「ええ 大丈夫ですよ でも1時くらいまで掃除がありますから
気にしないで下さい」
「うん ありがとう」
神山は11時40分になったので赤いポルシェで
赤坂 スカイ ハイ ホテルの地下駐車場にいって車を止めた
手押しカーゴに3つのジュラルミンケースを積んで3Fの
ティーラウンジで携帯の連絡を待った
12時少し前に内藤から落ち合う相手の服装と指示された場所を
聞き移動すると間もなく
「神山さんですか 田中と申します」
「はい 神山です」
お互いが確認をすると余計な話はなく田中が2億円の簡単な借用書と
特殊法人4箇所の今日付け辞令と業務内容が記載された書類を神山に
手渡した
神山も3つのジュラルミンケースを渡すと他に2人の男が現れて
手際よく自分達のジュラルミンケースに入れ替えた
「神山さん 確かに ありがとうございます
それで この特殊法人には本日18時までに電話連絡をしてください
お願いします あと何か」
「私の定年は何歳ですか」
「ははは それは各法人で聞いてください 私は分りません」
「あと 返済が9月30日ですが場所はここですか」
「ええ ここです 宜しいですか」
神山は頷くと3人はジュラルミンケースを持っていった
手押しカーゴと空になったジュラルミンケースを赤いポルシェに積むと
家に戻り2階の主賓室に入った
神山は4個所の辞令と連絡先をテーブルに置いて田中から言われた
各協会に電話をした
「はい こちらは日本住宅建築総合研究所
日本住宅建築基準協会 東京事務所ですが」
「神山と申しますが」
「はい お待ちしておりました 神山理事
早速ですがお給料の振込先の口座を教えて頂けませんでしょうか」
神山は銀行の口座を伝えると先方が復唱し確認した
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