2013年11月12日火曜日

Vol.1221 百日紅 -8-69



「えっ 又 行ったんですか はぁー」
「ええ ブラショーが飛ぶように売れています バーゲンと錯覚します」
「はぁー おめでとうございます それでお忙しい所申し訳ないのですが
OEMでメンズショーツやシャツなど作っていただく事ってどうですか」
「ええ 工場は自前で持っていますから大丈夫ですよ」
「分かりました では 今日はここまでです その後の話は少しそこが
落ち着いてからにしましょう 宜しいでしょうか」
「はーい お願いします うちの縫製は日本一だと自負していますよ」
「そうですね 凄く丈夫ですし はい 実感しています」
「えっ 実感ですか、、、」
「ああ そのように聞いていますって事です」
吉永美由紀は最初驚いたが 納得して電話を切った

「ふふふ ちゃんと話せばよかったのに」
「ははは 実感って言ったら驚いていたよ そうだよな 予備知識が
ないのに突然言われたら驚くよね」
「ふふふ そうよね でも作って頂けるんでしょ」
「うん OKを貰ったよ そうだね 来週かな この話」
「そうすると卸が銀座物語で販売はニーナ・ニーナメンズな訳ね」
「うん 僕が思うに 上辺だけじゃなくて 中身までトータルで考えた方が
絶対に成功すると思うんだ」
「そうね 日用品だから必要なものだしね ふふふ」
「うん 僕と同じような考えを持っている人っていると思うんだ
だけど勇気が無くて買えなかったりして悶々と生活している」
「うーん そうね なんとなく分かるような気がするわ」
「だから OEMで考えていけば そうだソックスだってあるじゃん」
「ふふふ どんどんと膨らんでくるわね」
「うん だって勿体無いでしょ 持っている力を埋めてしまうのは
だってNNで 出来なければ肌着屋さんで出来るじゃない ねえ」
「ふふふ 頼もしいわ その通りよ がんばれ赤パン」
「残念でした 赤Tです」
「まあ Tバックなの 今日は」
「うん まあ お仕事お仕事」

8月14日 金曜日 快晴
「神山顧問 ありがとうございます」
「やあ 吉永美由紀さん おはようございます しかし凄いですね
この勢いは驚いていますよ」
「ええ 私も始めての経験です 最初は月曜日はお得意様の数字を
弾いていました でも夕方には思いもよらない現金収入 火曜日も そして
木曜日も現金ですよ 凄いです」
「うん 銀座物語さんで婦人肌着の売り上げが前代未聞ですよ ははは」
「それで 先日のOEMですが もしかして赤いショーツの事でしょうか」
「えっ うん まあ それだけではありませんが」
「ええ あのぉーご気分を悪くしないでくださいね」
「はぃ?」
「あの赤いショーツシリーズは 先代の思いが込められていまして
OEMで製作することが出来ないんです」
吉永美由紀は先代創立者 吉永美喜が銀座で働く女性に幸福を呼ぶとして
願いを込めたショーツで製作した【幸福を呼ぶ赤いショーツ】は
昭和の終わりまで生産されたが 時流で販売数が落ち
型紙や生地取りなどはそのまま倉庫に眠り 封印された
吉永美由紀が会社にはいり バブル崩壊の経済環境の中 若い女性に
少しでも明るい希望を持って貰いたいという希望で 再現された
販売実績はまだまだだが それなりに定着していることと
あの赤い色はOEMで提供できないと申し出た
「うん 分かりました いや 女性週刊誌などでも取り上げられているので
是非と思っていましたが 無理では仕方ありません」
「ええ 本当にごめんなさい でも形はOKですよ」
「そうしたら 逆にあの色でない【赤】なら大丈夫ですか?」
「はい 検討させてください お願いします」

「おはようございます」
「やぁー 早いね」
「ふふふ 今日はね あの車で首都高を2週もしたの だってね 聞いて
母が私より早く起きると エンジンを掛けているの ほんと」
「へぇー すごいね ははは」
「それでね 作戦を練ったのよ 母より早く起きて ドライブって
それが今日で ふふふ5時に起きて2週しました へへへ」
「おいおい 親子でカーキチかぁー ははは 調子はいいでしょ」
「それでね 朝ごはんの時ね言うのよ スピードは控えめにって もう」
「ははは 全部お見通しだ 大変だね」
神山は洋子の話を聞くと仕事に集中した