「うん 出来ればモーガンにこの事を伝えてほしい」
「ええ 凄く素敵なカップルですよ ほんと」
「それで先日はメンズの撮影だけでしたが レディースもOKなら
GOLに間に合わなくても 販売はしていきたいですね」
「ええ いいアイデアを頂きましてありがとうございます」
祥子が頷くと 早速 洋子の詳細なサイズを測る為に神山は追い出された
暫くして神山が呼ばれ次長室に入ると祥子が神山に
「あのぉーメンズもそうですがレディースも流行は追いかけません」
「うん その通り オーソドックスなデザインって飽きが来ないし
まして最高級の生地 縫製ならば文句の言いようが無いしね
僕もそのつもりで考えていますよ 毎年流行に追いかけられ
ファッションを楽しむのもよし しかし高級なジャケットやバッグならば
そんな必要は一切なしだね そう思います」
「わぁー よかった ほら婦人のビジネススーツ あれもねもう5年ほど
デザインが変わっていないんですよ 日本だけですね ベーシックな
ファッションに対しころころ変えているのは」
「だと思いますよ しかしこれがベーシックと言えるかどうか別にして
最低でも3年はそのままで良いと思います
まずは定着させないといけないですからね」
「はい 心強いご意見で安心しました」
「ねえ 久保さん このバッグですが ボストンは考えていないの」
「ええ どこまで広げるか検討しています って言うのは 旅行を
入れると もう少し幅が広くなり 現状では無理が出てくるんですよ」
「そうか なるほど わかります」
「ステップとしては K-Model の上にプライベートがあるんです
でも そこを開発するとなると シャツ一つ取っても非常に多くの
デザインが必要になり そこまで出来ないのが現状です」
「そうか そうだね シャツにしたって色々な場面で違ってくるしね」
「ええ ポロシャツにしてもデザインは大変です」
「まずはNNメンズを定着させ そこからですね」
「ええ モーガンもそのように話しています お願いします ふふふ」
神山はひと段落すると洋子にビールを指示した
二人のデザイナーもニコニコし乾杯をした
「ねえ 久保さん 肌着でOEMってどうかな?」
「えっ 肌着ですか、、、」
「うん 細かいけれどトータルで考えたイメージさ ショーツ トランクス
半袖シャツにノースリーブ この位かな どうだろう」
「ええ そうすると私のほうではデザイン監修って事ですね」
「うん 僕が普段見につけている物だからさ それで小物まできついと
思うんだ それでOEMだったら出来るんじゃないかって」
「凄いですね」
祥子はフランス人デザイナーに話をするとニコニコして頷き神山に
「デザイナーはOKと言っています あとはモーガンに話します」
「うん 僕の方からもFAXを送るようにしますよ って言うのは
メンズの下着ってごわごわしていて ちょっとってところがあるんだ
そこでフィットする下着やTシャツ ノースリーブのシャツ
動きやすいし絶対に良いと思うんだ」
「はい 分かりました それで作っている所はしっかりした会社ですよね」
「ははは 大丈夫だよ 変な所を紹介したら僕がクビだよ」
これにはデザイナーや洋子もクスクスと笑った
神山はNNメンズの展開について祥子と確認をした
「では 商品展開は僕に一任されているわけですね」
「ええ 婦人は販売ライセンス契約をしていますから 専門店と鈴やさん
日本ではこの方法でしか販売できません しかしメンズはその契約を
していないので 何処で販売してもOKです」
「って言うのは 隣の三山百貨店でも 検討してくれているんですよ
なので 実際問題決定したらどのように動くか確認です」
「そうですね しかし神山アドバイザーが決定したら OKですよ
契約上もそうなっていますから ご安心ください」
「わかった 夢が膨らんで楽しいね」
「そうですね 私もメンズに携われるって嬉しいです」
「では 僕は販路を開拓します ははは」
「ええ お願いします」
NNの三人が丁寧にお辞儀をして部屋を出ると神山は電話をした
「あっ 神山ですが 銀座物語の吉永美由紀さんをお願いします」
「はい 暫くお待ちください」
電話の向こうで神山専務から電話という事でざわざわしていた
「はい 吉永美由紀です こんにちわ」
「神山です お疲れ様 売り上げが非常にいいので驚いています」
「ええ こちらも驚いています まだ止まらないんですよ
先ほども主任さんに横浜に行ってもらったんです」