「はーい」
銀座物語では単品のランファンが売れていた 開店当初は5桁や6桁の
商品が売れていたが この時間になると4桁の商品がバーゲンと
間違える勢いで売れていた
「翔 バックヤードのダンボールを片付けよう」
「そうですね 分かりました」
二人はバックヤードに入ると 空になったダンボールが山になっていた
「翔 どんどんと潰してゴミ置き場に運ぼう」
「はい しかし凄い量ですね ゴミ置き場大丈夫かな」
「駄目だったら 他の階に持って行こうよ」
二人はダンボールを潰し ある程度の量になると裏通路にあるゴミ置き場へ
運んだ 戻ると直ぐに空ダンボールが山になった
「おい翔 凄い量だな バーゲンでもこんなに出ないよな」
「ええ 7階でもこんなに出ないですよ へぇー」
ゴミ置き場でダンボールを見ると銀座物語だけではなく ルコーワや
バードのダンボールも捨てられていた
ルコーワの景山が神山を見つけ挨拶をしてきた
「顧問 こんにちわ 凄い事になっていますね ふふふ」
「やあ こんにちわ あれっ景山さんは日本橋でしょ」
「ええ お昼ごはんを食べていたら応援要請で急遽こちらです」
「へぇー ほらバードさんのダンボールも積み上げられているし
感心していた所です」
「うちも 普段の5倍も数字が行っていますよ 驚きです」
「へぇー そうするとお隣さんや日本橋さんから妬まれますね ははは」
「ええ 特に隣には妬まれますよ 半分に落ち込んでいます
ルコーワ全体では倍以上の数字です 銀座物語さんは多分3倍以上で
喜んでいますよ」
「へぇー そうか 全体で捉えるといいわけですね」
「ええ 銀座地区は4店舗 日本橋では3店舗 なので7店舗でどうか
って所ですね」
「しかし いくら片付けても ダンボールが減らないですよ ははは」
「専務さんなのに 私そんな神山さんのファンになりました ふふふ」
「まあ ほら 手が空いている時にはねぇー 自分が蒔いた事もあるし」
「吉永美由紀さんから聞きましたよ お買い物券の話し
あれだって普通では考えられないですよ それを私財を出して
前夜祭参加の全女性にプレゼントされるって 凄く素敵な考えです」
「まあ ほら 女性っていつまでも美しくってのが永遠のテーマでしょ
なので そこのところでちょっとだけお手伝いですよ」
「わぁー ますます大好きです ふふふ 今度お食事に誘ってください」
「ははは 僕はただのスケベですよ ほら綺麗なラインを見たいだけです」
「まぁー ふふふ お待ちしていますね では失礼します こ・も・ん」
景山英美子は含み笑いをしながら丁寧にお辞儀をして店内にはいった
「もう 先輩 いないと思ったらここでなにしているんですか」
「ごめんごめん ほら銀座物語のダンボールだけじゃないだろ」
「あっ言われればそうですね ルコーワやバードなども出てますね」
「うん それでね眺めていたら ルコーワの担当者とばったり会い話してた」
「へぇー そうですか」
「うん この銀座地域と日本橋をトータルで見ても普段の倍は売れている」
「へぇー 普段の倍ですか 凄い事ですね」
「うん だからいい商品を揃えるって事がいかに大事か実感したね」
「そうですね そうそう バックヤードも落ち着いてきたんで それと
今夜の事もあり僕はそろそろ戻ります」
「そうだね ありがとう」
杉田が階段を降りていくと奈々子と洋子が店内から出てきた
「やあ お疲れ様 翔は今戻ったよ」
「はーい お疲れ様でした でも凄いわね ふふふ 久しぶりの汗よ
ねぇー奈々子ちゃん」
「ほんと専務 大変でした ダンボールからショーツを出すでしょ
それで売場に運ぶと もう直ぐ次のダンボール開梱作業ですよ
ほら 引き合いの作業も特例でバックヤードで行ったでしょ
なので私たちは 引き合員になったり もう目が回りました」
「奈々子ちゃん ありがとう 池上店長も褒めていたよ そうだこのまま
ちょっと次長室まできてください」
奈々子はニコニコして頷き 額の汗を拭いながら神山の後を歩いた
「はい ご褒美だよ ありがとう これからも頼むね」
500万円を受け取った奈々子はニコニコしてお辞儀をした
神山は奈々子の額にキスをすると 真っ赤な顔になり
「せ 専務 ありがとうございます キスまで頂 光栄です」
「ははは キスの事は内緒にしてね」
神山は洋子にビールを出すよう指示すると 頷き用意した