2013年11月2日土曜日

Vol.1211 百日紅 -7-68



「うん 18日の3時までね OK そうしたらさ関係している所に
FAXとか郵送をしてくれるかな」
「時間があるから 郵送しましょうか」
「うん 任せるよ 早いほうが良いけれどね」
「はーい 了解しました でもこうやってみると 誰が優勝しても
可笑しくはないわね」
「うーん 今回は本当に難しいよ 誰が来てもOKだよ 僕はきついや」
「でも60台を出せば勝機はあるでしょ ふふふ」
「うーん でもね 9番と18番で風が無ければパーは確実だけど
風が少しでもあると ボギーを覚悟しないといけないしね うーん
今回はアイアンショットがキーポイントになってくるね ほら
レディースティーだと距離が比較的短いでしょ まあその分攻略性は
あるけれどね だからピンポイントで置いてこられると 男性は
難しいし 女性がそこに置いて来たら勝ちだね それとね 平日でしょ
ピンの位置が難しいよ パターが上手に決まった人だね ほんと
あーあ 僕はパターが上手じゃないしなぁー 参ったぁー」

神山は次長席でコンペや前夜祭の準備をしていると時間になり洋子が
「あなた そろそろ時間ですよ」
「あっ もうそんな時間なんだ じゃ一旦スタジオに戻ってホテルだね」
二人は神山の運転でスタジオに戻ると 祐子がお出掛けの格好で待っていた
「お帰りなさい 洋子さんこんばんわ」
「こんばんわ」
神山は2Fの主賓室で着替えると 祐子が呼んだタクシーでホテルに向った
「では モテリコで買い物をしよう」
三人は3Fのブティックモテリコに入った
今回も1位から3位が3人来てもいいように 1位の700万円を1個
2位3位は各2つ買う事にした
店長が
「700万 300万 200万円の商品ですが 全て30%引かせて
頂きます 如何でしょうか」
「ええ お願いします」
店長は電卓を使い計算し
「1700万円を1190万円でございます」
神山はギフトカードを1200万円だすとキャッシャーで数え
「確かに1200万円です 10万円のお釣りです」
包装紙には中身が分かるように付箋をつけて貰い 店を後にした
神山は祐子と洋子が2700万円のダイヤの指輪を見ていたのを
見逃さなかった
洋子の目は爛々と輝き 快楽を迎えるときの表情にも似ていた

「さあ 何を食べるのかな? 祐子」
「ねえ あそこの串揚げやさんってまだ入った事ないし 串揚げー」
「私も 串揚げがいいわ ねぇ祐子さん 週刊誌にも取り上げられているし」
「ふふふ そうなんですよ プールの後に本屋で立ち読みしてたら
目に入り 今度はここって決めていたんです 造りや眺めが素敵ですよ」
「そうか 女性に人気があるって良い事だよね じゃ決定」
三人は串揚げ屋に入ると時間で混んでいたが たまたま窓際のテーブルの
お客が出る所で そこに案内してもらう事にした
ウエイトレスが先客の片づけをしている時にメニューを見ていた
神山の提案でコースにお好みを追加で食べる事にし ウエイトレスに
「このコースでご飯とお吸い物は最後で まず生ビールを3つお願い」
「はい 畏まりました」
土地柄か串揚げ屋というイメージではなく レストランの感が強かった
サラリーマンやカップル 特に女性同士で来ているのが目立った
最初にサラダと生ビール コース最初の3種類6本が運ばれ
タレも自分好みで作る事が出来 楽しく食べる事が出来た
コースは12種類20本で レンコンを使った揚げ物が美味しく
追加をしたり メニューから選び追加をした
ワインもハーフボトルを置いていて ライトボディーだが美味しかった 
「わぁー 美味しいわ うん 渋谷より美味しいかも ねえ神山さん」
「うん なんだろう 油が違うのかな それとも粉かな 美味しいよ」
「そうね もしかしてゴマ油が少し入っているんじゃないの」
「あーあ そうか 言われると納得 でもお肉の方はまた違うよ
そうだ もしかしてオリーブオイルかもね」
「えっ だって高いわよ」
「うん メニューを見ても分かるけれど ほんと少し高いだけで
もともと安く設定してあるから 高く感じないんだよ」
「そうね 言われると オリーブオイルかも知れないわね ふふふ」
「でも 美味しいよ 女性客に人気って分かるな これでさ コースで
5千円だったら来ないよ お昼はもっと安いだろうね」
「ええ 10種類14本で1000円ですよ 安すぎですよ それで
サラダ ご飯 お味噌汁 お代わり自由ですよ」
「へぇー 凄く安いね 大丈夫かね」 
「ふふふ その分 夜で稼いでいるんでしょ」
「ははは そうだね ワインとか日本酒で利益を上げているんだね」
「ふふふ そうね このワインだったら これは高いわね」
「おぉー洋子 分かる?」
「ええ あなたに色々と教えて頂いていますから ふふふ」
「洋子さん お幾らぐらいなの これって」
「そうね ハーフでしょ 500円でも高いかしら」
「えっ って事は半分利益なんだぁー」
「まあ そんな所だよ だからどんどん呑んで 売り上げに協力さ」
「ふふふ でも安い割には美味しいわよね ねえ神山さん」
「うん 変な癖が無くて 若いけれど美味しいよ」
三人は銀座の夜景を見ながら楽しく会食をした