2013年11月30日土曜日

Vol.1239 百日紅 -8-69



「山ちゃん 大丈夫か 遅いからさ なにがあったかと思った」
「ははは 奴等は目が死んでいましたから 大丈夫です」
「しかし ナイフなんて物騒な もう 何処の組だ」
「ははは 以前の大竹組ですよ いまはチンピラでしょうが」
「山ちゃん ほんと気を付けて」
暫く話しているとCCAが10人体制で来て 神山に事情を聞いた
「しかし 神山さん ほんと危ないですよ 無茶しないで」
「ははは ありがとうございます」
話をしている時に 手当てを受けているチンピラがCCA隊員にナイフで
襲い掛かったが神山が一瞬早く その男の腕を蹴り上げ顎に蹴りを入れた
「助かりました ありがとうございます しかしお見事ですね」
「ははは 僕にはスローモーションで映りましたよ 大丈夫ですか」
「では 神山さん 処置はどうされますか」
「ええ 警察で処理をしてもらいますよ」
その時に加藤がCCAの隊員に
「とりあえず静岡県警の刑事課に預けてください 後は私が指示をします
多分チンピラなので 大きいのは捉まえられませんが」
「はい 済みませんが お名前は」
加藤は会社名と氏名を名乗ると
「はい お聞きしています 有名な方ですね」
「ははは まあ 兎に角お願いします」

ラウンジに戻ると事情を知っている人間は僅かで 皆楽しく踊っていた
「わぁー 神山さん よかった」
「さあ もう安心だよ カトリアーナ 真由美 香織」
神山は三人のおでこにキスをすると 一斉に泣き出し困ってしまった
「洋子 ちょっときて」
洋子を呼び事情を説明すると 最初は驚いたが頷き
「大丈夫よ もう安心して」
洋子は泰子を呼び 3人を部屋に連れて行った
加藤も時田と内藤に何も話さず 神山にニコニコし頷いた
暫くすると23時になり そろそろお開きになった 神山が
「えー それでは11時になりました 明日の事もありますので 今夜は
これでお終いにします それで明日は6時半にここの3Fレストランで
朝食を頂きます 遅れないようお願いします そうそう ルールなども
その時に説明させて頂きます では解散でーす ありがとうございます」
神山はラウンジの出口に立ち みんなを見送った
 
部屋に戻るとJrやジャックが先ほどの事件の事を心配していた
「神山さん ほんと危ないよ もう無茶はやめて」
「そうだよ ARXJPの最高責任者なんだからね 程ほどにして」
「ありがとう しかし情報が早いね ははは」
「だって そこはほら篠原涼子からちゃんと報告があったよ」
「わかった それで僕は仕事でこの部屋を出ます お願いしますね」
「えっ これですか」
ジャックは小指を立てて神山に聞いた
「ははは またぁー そんな事をしたら顰蹙買うでしょ 大丈夫ですよ」
「まったく こんな夜遅くまで大変ですね」
「うん まあ じゃ失礼しますが 明日は6時半なので遅れないようにね」
「了解 頑張ってね」
神山は部屋を後にすると 由紀枝と亜矢子の部屋に向った

「しかし 何処に行くのかなジャック」
「そうですね でも部屋割りを見ても女性一人って居ないですよ」
「そうだな うーん こんな時間に仕事か、、、」
「社長 シャワーを浴びて寝ましょうよ」
「そうだな しかしここの地ビールは美味しいな」
「そうしたら会社に送りましょうよ」
「うん 明日にでも出発する前に手続きをしよう 忘れないように頼む」
「はい じゃ社長からどうぞ」
「うん ありがとう」

「大丈夫よ 香織」
「でも怖かった もう顔が鬼みたいで 思い出すだけで嫌よ」
泰子 真由美 香織 カトリアーナの部屋では泰子が香織を宥めていた
カトリアーナはベッドに入ると直ぐに寝てしまい 真由美はシャワーを
浴びていた
「しかし 神山さんて強いのね 5人も倒したんだって
それもナイフを持っている人よ 大したものだわ」
「へぇー ナイフを持っていたんだぁー」
「ますます 神山さんの事を好きになったわ」
「もう 泰子ったら 心配をしてくれているの もう」
「ふふふ ごめんなさい さあ 明日早いから寝ましょうよ」
真由美はシャワーからでると3人で地ビールを呑みベッドに入った







2013年11月29日金曜日

Vol.1238 百日紅 -8-69



いつも踊りなれているバラードなので息がぴったりとあい
足運びもスムーズで綺麗だった
周りはただ見とれているだけで カクテルを呑むのも忘れた
曲の最後になると 神山は洋子の体を斜めにして上に放り投げると
洋子は一回転し神山の腕の中に納まった
曲が終わると 二人はポーズをとりお辞儀をした
みんなは綺麗過ぎる踊りに拍手をするのを忘れ 見入っていた
祐子や由貴たちが拍手をして 漸くみんなから盛大な拍手を貰った
「ははは 洋子 ありがとう 成功だね」
「ふふふ 貴方のお陰です 嬉しいわ」
神山は次に由貴と踊り同じように最後を決めた
祐子と桃子の時にも 最後はちゃんと投げる事が出来て成功した
「わぁー 洋子さん素敵だったわ フレアが凄く美しくて ほんと
映画を見ているようだったわ 凄いわね」
「まあ 慶子さんだって できるわよ 神山と踊ればいいじゃない」
「でも 私 太っているから 駄目よ ふふふ」
「それより 浴衣だと パンツが危ないわね」
「そうか そうね やめておく 次は挑戦したいなぁー」
「ふふふ 大丈夫よ 連絡頂戴」
「うん お願いね あーあ 素敵 ふふふ 憧れるわね」

神山と洋子たちの踊りが刺激になったのか 杉田と小谷美佳 誠二と
篠原涼子のカップルが踊りだし つられて何組かの即席カップルも
踊りだした 神山が洋子のテーブルに行くと
「ははは 洋子 大成功だね ありがとう」
「うん 良かったわね」
「神山さーん こんど誘ってね お願いします ふふふ」
「ははは 浮田さんには 僕よりいい人が居るでしょ もう」
「またぁー 居ないわよ 誘ってね」
神山は二人にお辞儀をすると 内藤が座っているテーブルにいった
「もう 山ちゃん 凄い事を考えるね それでねこちらでも考えたんだよ」
「えっ なにをですか」
「うん 加藤さんに頼んで ほらビルの工事囲いがあるでしょ そこに
NNメンズの広告を大々的に出すのさ」
「あーあ それって凄いですね 久々のヒットじゃないですか」
「ははは そうだね ほんといつも山ちゃんのアイデアだものね
時には僕も参加させてもらわないとね」
「パリも喜びますよ そうそう筒井さんには」
「ええ 先ほどお伝えしました 喜んでいましたよ」
「まあ そうやって考えれば媒体は一杯ありますからね」
「うん でここは山ちゃんが全て持つんだって」
「ええ大丈夫ですよ」

神山は内藤 加藤 時田にお辞儀をすると別なテーブルに行った
カトリアーナ達のテーブルが騒がしいので 行ってみると
「おい お兄ちゃんの出る幕じゃないんだよ 引っ込んでいなよ」
神山はどこかで見た事があると思ったが思い出せなかった
「どうしたの カトリアーナ」
「ええ この男たちがしつこいのよ 怖いわ」
カトリアーナと香織 真由美は怯えて神山の後ろに下がった
「ここでは 他の人の迷惑になる 外にでろ」
相手の男は5人だが酒が相当入っているのか顔が赤かった
廊下に出ると神山は思い出し
「お前達 以前俺を襲った奴等だな 全く懲りないな」
「うるせぇー 貴様なんかしらねぇよ」
神山は周りの気配を感じながら 構えていた
正面の男が真っ直ぐにパンチを繰り出してくると 半身でかわし
足払いで倒した
直ぐに左右の男が殴りかかってきたので 左の男をかわしながら 右側の
男のあごに右足でけりを入れると ボギィと鈍い音がして倒れた
後ろから背中を抱きつかれたが 両腕を脇で挟み振り回し解くと
ボディーにパンチを入れた
最後に斜め前から ナイフを差し出してきたが 半身で避けると
そのまま腕を掴み 一本背負いで遠くに投げ飛ばした
最初に倒れた男がナイフで神山の脇腹を刺しに着たが 上手に避け
腕を蹴り上げると ナイフが飛び上がり 仲間の腕に刺さった
神山は少し下がり 状況を確認し
「分かった お前達 大竹組の小田原支店のものだろ どうだ」
「うるせぇー お前のお陰で首になったんだぁー やれぇー」
そう言われても動けるのは 2人しか動けず びくびくしていた
神山は早速ジョン ブラームスに電話をして
事情を説明すると直ぐにCCAが行くので待つように言われた

一段落したところで大熊工務店の加藤支店長がやってきて







2013年11月28日木曜日

Vol.1237 百日紅 -8-69



これには内野誠二も居たたまれなく着席をした
隣に座っている奈々子が
「誠二ちゃん 元気を出して 私が応援するからさー」
「ははは 奈々子さんって優しいんだね ありがとう」
「もう ほんとジョークでも 良くないよ ねぇー誠二ちゃん」
アルタの高橋が挨拶をしたときも女性陣から野次が飛び
男性陣は意気消沈した その次の杉田が
「えー 先ほどは順番を間違えまして 済みませんでした、、、」
杉田の挨拶の時にも女性陣から野次が飛び 挨拶途中で着席した
「ははは 参ったなぁー もう」
隣に座っている村上妙子が
「ふふふ それだけ注目されているのよ 頑張ってね」
「そうなんですか ほんと会社では見られませんよ もう」
「いいじゃない 本音だもの いい機会よ 楽しいわね」
「へぇー そうですかね」
「だって神山さんの言う事ってみんな聞いているでしょ」
「ええ」
「それだけ彼は優れているわけ でもねその反面何も語られないでしょ
そこなのね 私の知りたい所も ふふふ」
「そうか 先輩の挨拶ってまだですよね」
「多分無いわね だって幹事でしょ 無いわよきっと
これだけ異業種の方たちを纏めるって 大変な人望がないと出来ないわ」
「ええ わかります」
「そうね 神山ワールドかしら 彼の世界ね ふふふ」

「私は繊維協会で神山理事の専属秘書を勤めます 引田泰子です
今回は初めての参加で HCゼロという光栄に与り嬉しく思います
大学は東京学院大学でそこに居る安堂真由美さんや眞鍋香織さんと
同じ部活をしていました たまたまゴルフが好きで楽しく
プレーをしています 早稲田や慶応 静岡や青学 山脇には
負けるわけには行きません 頑張ってプレーをします お願いします」
この挨拶でも女性群は盛大な拍手や声援が送られた

壮絶な自己紹介バトルが全員終わると神山はバンドに音楽を頼んだ
ステーキが出るタイミングで軽音楽が流れ 優雅に食事をする事ができ
隣どおし話しをしたりしながら デザートになった
デザートの時に 洋子のバースディーケーキが配られ 女性陣たちは
美味しいといいながら すべて平らげた
男性群も隣に座っている女性から勧められ食べ 神山も
洋子に失礼になると思い ワインを生クリームに掛け食べた
3時間を少し過ぎて前夜祭は終焉し 神山が
「えー この後ですが 最上階のラウンジでカクテルをご用意してます
どうぞ ふるってご参加ください あのぉー人数分確保してます」
女性軍はまだまだ元気で しぶる男性を誘っていた
時田が神山のところに来て
「やぁー 楽しかった お疲れ様」
「良かったです 楽しんでいただけて」
「でも洋子の指輪 素晴らしく素敵だったな どうなんだ」
「ははは だからあれは普段の気持ち お礼です はい」
時田は何か言いたかったが 加藤に諭されラウンジに向った

「ふふふ お疲れ様でした」
「やぁー亜矢子 由紀枝 ありがとう 結構楽しかったよ」
「しかし女性軍って元気ね ふふふ」
「だよな 男性の浴衣を引っ張っていたもの 凄いよ」
「じゃ 由紀枝さん 引っ張って連れて行こうね」
「そうしましょー ちんぽ引っ張って しんこーう」
亜矢子と神山は噴出し笑ってしまった
神山は二人に着替えることを伝え ジャケットとジーンズに変身した

ラウンジに着くと先着隊が神山に拍手をした
「えー どんどん呑んでください 全て無料です」
女性軍からはやんやの歓声と拍手が沸き起こった
この言葉を合図に 洋子 由貴 桃子 祐子が席を外した
神山はバンドリーダーに合図を送ると 60年代のアメリカンポップスが
勢いよく流れ出し 女性軍は男性を引っ張り一緒に踊った
神山も由紀枝や亜矢子と一緒に踊ったが ジャケットを着ている神山が
目立ち 回りの男女は3人を眺めるようになった
神山が着席するとリーダーに合図をした
曲がポップスからバラードに変わり 洋子達が着替えを済ませ着席すると
神山が合図を送った
次の曲の時に神山と洋子がセンターで踊りだすと 天井照明が消え
ピンスポット照明に変わった
床はスモークがでてきて覆われ その中で二人は踊った








2013年11月27日水曜日

Vol.1236 百日紅 -8-69



スポーツを学んでいました 靑山祐子さんとは同級生で ご本人は
気が付かれているかどうか分かりませんが 頑張りましょうね」
この時 名指しをされた靑山祐子はやはり同級生の吉永美由紀だと
思い出したが 学生時代と違い大人になったと思った
大学時代はお嬢様という事を表に出しすぎ 近寄りがたがったが
今は積極的に色々な世界の人間と付き合おうと努力しているようで
見た目も 前に比べるとお嬢様を脱皮しているように思えた
吉永美由紀の挨拶でも 可愛らしく積極的な発言が受けて 同姓の
拍手や声援が多く 男性陣は拍手するだけだった

「えーと 実は私も早稲田を卒業しています 北陸食品工業の村上です
家内とは学生時代に知り合い 今は神山様や田宮社長のお陰で
会社を順調に発展させています 今回は初めての参加で戸惑いが
ありましたが こんな楽しい前夜祭は初めてです 明日は 楽しく
ゴルフをさせて頂きます 早稲田ばんざーい」
これには早稲田を卒業した加藤や景山が校歌を歌いだし 神山はなにも
いえなかった
次に靑山祐子の自己紹介になった
「えー早稲田の皆様 そして強敵 静岡大学の皆様 えーっと青山の
強敵を潰す勢いで明日は頑張ります 由紀枝さん 田所洋子さん
絶対に負けないわよ ふふふ 絶好調だモンねぇー そうそう 私は
神山さんのお宅でメイドをしています靑山祐子でーす」
この挨拶には 男性陣や女性群から拍手が沸き指笛もなり響いた

「私は鈴や本社秘書室に勤務する浮田慶子でーす よろしくお願いします
私は慶応大学卒業なの なので早稲田の皆様には負けないよう 母校に
恥じないよう頑張ります 早稲田の皆様 宜しくね ふふふ」
男性陣はやんやの拍手で声援した
「私は 東都食品の田宮浩二と申します 初めての参加です
実は私も慶応の卒業です 浮田さん同様 母校の名を汚さないよう
頑張りたいと思います 早稲田の皆様 宜しくね」
これには女性陣から野次が飛び 田宮は頭をカキ着席した

次に亜矢子の番になった
「あのぉー 早稲田や慶応って私立でしょ 私は公立の静岡大学を
卒業しています 桜川亜矢子と申します 実はこのホテルに勤務し
今回は2回目の参加です 前回同様 青山学院の洋子さん 由貴さん
桃子さんなどなど それと山脇の吉永美由紀さん 靑山祐子さん
絶対に負けないよう 1打を大切に楽しくプレーをします 早稲田や
慶応はまだ早いわよ ふふふ」
この挨拶で もう女性群から拍手や声援がすごく多かった
神山は 楽しく進行している事で少し安心をした

「あのぉー 私は内藤一哉と申しまして アルタの代表をしています
今 お聞きしていますと 早稲田と慶応それに静岡 山脇 青学と
色々と言われていますが 私は慶応だと思います なぜって私も慶応です
はい なので早稲田さんほか皆様 ご苦労様です」
この挨拶に男性ばかりでなく女性陣から野次が飛び
「こらっー なにが慶応だぁー ノックアウトのKOだろー」
「そうだそうだ ノックアウトだぁー 慶応ー」
みんなが大笑いしていると由紀枝の番になった
「えー 私は先ほど自己紹介をされました桜川さんの部下で庄司由紀枝と
申します 皆様 早稲田や慶応って応援されていますが 静岡大学を
無視にすると怖いですよ 前回は私が優勝です たまたま山脇の祐子さんが
同じスコアで優勝しましたが 厳密に言うと私が1位です なので
静岡大学にも応援をしてね そうそう ホテル ゴテンバ グランド インに
またお越しくださいね 私が笑顔でお迎えします ピース」
由紀枝の挨拶には女性陣や男性陣からやんやの声援が送られた

ワインも進みオードブルも半分以上無くなるとウエイトレスが神山に
「神山さま そろそろコースのお料理を準備して宜しいでしょうか」
「ええ お願いします でも大変だね ありがとう」
ウエイトレスは顔をピンクに染めるとお辞儀をして下がった

「えーワシは鈴やの副社長をしている時田時田清三郎です
えー明日はみなさんの足を引っ張らないよう 頑張る所存です
それから幹事をしている神山さん ほんとうに楽しい前夜祭だ
これからも頑張ってください」
この挨拶にはみんなから盛大な拍手がおき神山も頷いていた

「えー 私はアルタの内野誠二と申します、、、」
この時 女性陣からもう挨拶は良いと野次が飛んだ
「どうせ また池に落とす夢を見るんだろー もういいよぉー」
「そうそう 池ポチャはもう いいよぉー 座っていいよぉー」







2013年11月26日火曜日

Vol.1235 百日紅 -8-69



神山は用意したARXのゴルフクラブセットを加藤に渡した
「あっ あのさ これって ARXの一番高いクラブでしょ」
「ええ あすはこれでスコアを良くして下さいね みなさん拍手ー」
加藤はクラブセットを高く上げるとみんなは拍手した
「さあ あす誕生日の吉永美由紀にもプレゼントがあります」
神山はポワモールのダイヤモンドペンダントを用意して渡した
「さあ 開けてみて」
吉永美由紀は驚き化粧箱を開けるとダイヤモンドペンダントトップが表れ
「えっ これをですか 私にですか」
「そう 頑張っているからね これからも鈴やをお願いしますよ」
これでまた会場は拍手や指笛が鳴った

「えー 吉永美由紀さんは残っていただき お二方はお席にお戻りください
まずは ここでシャンパンで乾杯しましょう」
ウエイトレスがみんなのグラスにシャンパンを注ぐと神山が
「お誕生日おめでとう 明日も頑張りましょう かんぱーい」 
乾杯が済むとオードブルや地ビールが運ばれ 音楽も静かな曲になった
「えー女性の方限定です 席に座る時 カードを引かれたと思います 
そこに赤マジックで20とか30など数字が書いてあります
その数字はここに居る 銀座物語の吉永さんが女性の皆様に銀座物語の
お買い物券をプレゼントする金額です どうぞ 順番にお越しください」
女性群は立ち上がり 後ろや前の女性と金額を確かめたりしながら
ニコニコ顔で吉永美由紀のところにいきお買い物券を貰っていた 
亜矢子は45と数字が書いてあり 吉永美由紀から
「45万円分です よろしくお願いしますね」
「わぁー 素敵なプレゼントね ありがとう」
女性群のみんなに行き渡り着席すると 神山は
「では恒例の自己紹介をカードの番号順にお願いします えーと1番は?」
奈々子が手を上げ立ち上がった 
「じゃ奈々子ちゃん お願いね」

「えー私は以前 今日お誕生日の田所先輩と同じ 本社人事課に勤務して
いました それで過日 杉田理事の専属秘書になり 頑張っています
あのぉー田所先輩 お誕生日おめでとうございます ごめんなさい
忘れていました」
奈々子はそれだけ言うと お辞儀をして座ってしまった
「おいおい 奈々子ちゃん 自分の名前を言わないと ほら」
「あっ 私は鈴や東京本社理事部長 杉田の専属秘書で 安井奈々子と
申します 明日は頑張ります お願いしまーす」
最後はニコニコして挨拶を終えた
初々しい挨拶に男性群からやんやの喝采を浴びた
2番は加藤武雄で立ち上がると
「私は早稲田大学時代 プロゴルファーを目指し練習をしましたが
腰を痛めて挫折しました しかしその後の人生でその時の練習の糧が
今の自分の基になっていると思います さきほど山ちゃんから頂いた
クラブセットで明日は優勝を狙い頑張ります 申し送れました
私は鈴やさんの建物に携わっている大熊工務店 東京東支店の加藤です
どうぞ明日はお手柔らかにお願いします」
加藤の自己紹介が終わると 女性陣から拍手や野次が飛んだ

「えーと加藤さんありがとうございます つぎは3番の方 お願いします」
次に手を上げ立ち上がったのは杉田だった
「はい 私は 鈴や東京本社理事部長 杉田です、、、」
その時にルコーワの景山が立ち上がり
「あのぉー 私が3番ですが、、、」
杉田は驚きカードを確認すると間違っていた事に気が付き
「済みません 間違えました」
杉田が着席すると女性陣からやんやの野次が飛んだ
この時間はまだビールをそんなに呑んでいないが 人数で圧倒的なのか
女性群の発言が過激だった
「今回 初めて参加をさせて頂きます ルコーワの景山英美子と
もうします 鈴やさんにはいつもお世話になり 明日は恩返しの意味で
頑張らせていただきます 尚 私も早稲田大学です
先にご紹介されました加藤先輩には負けないよう頑張ります」
英美子はニコニコと挨拶を終えると神山が
「えー 明日はルコーワ景山さんから賞品を ご提供いただきました
凄くセクシーなそして素敵なナイトドレスです シルク100%でーす
頑張ってゲットしてくださーい」
神山の説明が終わると女性陣からやんやの拍手が沸き起り
景山英美子に頑張れという応援が女性群から声援が飛んだ

6番目に銀座物語の吉永美由紀が挨拶をした
「私は先日鈴やさんに入りました 銀座物語の吉永美由紀です
先のご紹介で加藤様が早稲田大学と言われましたが 私は山脇学院で







2013年11月25日月曜日

Vol.1234 百日紅 -8-69



「じゃ 安心した シャワーだ」
三人はシャワー室で戯れ 由紀枝と亜矢子は快楽を迎えると神山も
何回かスペルマを発射した

7時20分前に宴会室に亜矢子や由紀枝と行くと演奏グループが
音出しをしながら準備をしていた
「こちらが 演奏グループの代表で山根さんです こちらが神山さん」
二人は握手をして打ち合わせをした 
「ははは 大丈夫ですよ 神山さん 慣れていますから」
「ええ もう女性が乗ると大変な騒ぎですから ご勘弁を」
「それで神山さん ラウンジにも行かれるんでしょ」
「ええ そのつもりですよ」
「そうしたら 上の演奏でリクエストがありましたらお聞きしますが」
「そうか 分かりました 後でメモをお渡しします」
神山は時計を見ると10分前になったので 銀座物語のポスターを
5枚貼ったり 席順のカードをテーブルに置いたりした

「ほらね杉田君 山ちゃんはもう着ていたでしょ」
「先輩 遅くなって済みません」
「ははは 筒井さんや大森さんと話していたんだろ いいよ
翔 手伝ってくれ 男性が着たら この袋からカードを1枚引いてもらい
その番号のところに座ってもらう いいね」
「はい 分かりました では筒井さんからお願いします」
筒井や大森は男性用の紙袋から1枚カードを引きその番号の席に座った
女性が来ると神山が紙袋を用意し カードを引き番号が書いてある席に
亜矢子と由紀枝が案内していた
7時を少し過ぎた所で全員が宴会室に入った
便宜上 神山は一番上座に座り 亜矢子は一番下座に座った

みんなが揃った所で神山は周りを見ながら立ち上がり挨拶した
「本日はお忙しい中 第2回神山杯ゴルフコンペの前夜祭に
ご出席頂きまして 誠にありがとうございます」
みんなから拍手が沸いた 静かな音楽が流れてきた
みんなが驚いていると 神山が
「えー 実は僕が今日この地位に居るのも 皆様のお陰ですが 日ごろ
私を支えてくれる 秘書が居るからだといつも思っています」
音楽のテンポが速くなってきた
「今日は 何の日? はい 私の秘書 田所洋子さんのバースディーです
どうど洋子さん こちらへ来てください」
みんなは最初きょとんとしたが 拍手や指笛が鳴り出した
洋子は少し顔を赤くしながら神山の傍に行った
「えー 田所洋子さん お誕生日おめでとうございます
えー それから まだお祝いしたい人が居ます 大熊工務店
東京東支店支店長 加藤武雄さん どうぞ 加藤武雄さんは昨日
8月17日に52歳になられました 一昔前はプロと間違えるほど
よく飛ばし よく寄せ カップにポコポコ入れていましたが 50歳に
なられると 飛ばない 寄らない 入らない の3無いで悩んでいます」
この紹介でまた大笑いした 加藤が神山のところに来ると
「山ちゃん もうプロじゃないから 仲間にしてね お願いします」
この挨拶で又 会場は大笑いした
「えー 実はもう一方いらっしゃいます 吉永美由紀さんどうぞ」
吉永美由紀が紹介され 神山のところに行くと
「吉永美由紀さんは 実は明日2うん歳のお誕生日です おめでとう」
この時は拍手や指笛が鳴り止まなかった

「えー そういう訳で今日は三人の合同お誕生日会も兼ねます
最後まで楽しく騒いでください それでここが終わりましたら 最上階の
ラウンジで寛ぎ明日の英気を養ってください」
神山の挨拶が終わると ケーキやシャンパンが運ばれてきた
演奏グループの音量が小さくなると 照明が消えてバースディーケーキの
蝋燭の炎が優しくゆれていた
「さあ 洋子さん どうぞ消してください」
洋子が一息で炎を消すと会場は拍手の嵐になり照明が灯され
演奏グループのバースディーメロディーが始まった
神山は用意した モテリコのダイヤの指輪をだし
「はい 洋子さんお誕生日おめでとう これは気持ちです どうぞ」
洋子は嬉しくなり 包装紙を開けて驚いた
「あ あのぉー これって」
神山は頷くだけで
「指にはめてみんなに見せて」
洋子は言われたとおり 指にはめみんなに見せた
会場の女性からは 美しい綺麗 素敵とため息が出ていた
「さて 加藤さんがスコアメイクに悩んでいるとお聞きしましたので
52歳相応なゴルフクラブをプレゼントさせていただきます」






2013年11月24日日曜日

Vol.1233 百日紅 -8-69



「だったらさ グループにもお料理をあげようよ 大丈夫でしょ」
「ええ そうそう200万円で充分に足りますから そこから出します」
「無理しないで」
「ええ 一人5万円で計算しているのよ 飲物含めて だから大丈夫よ」  
「そうすると175万円か」
神山はGCを50万円出し
「これも使ってくれる ほらラウンジにもいくし」
「ラウンジでいくら飲んでも大丈夫よ これだけあれば ふふふ」
「よかった じゃお願いします」

神山はJrとジャックが居る部屋に入ると二人に迎えられた
「やあ神山さん 早かったですね」
「うん 飛ばしてきました それで温泉に入った」
「うん ゆっくりと入ってきました」
神山は高橋孝一の携帯に電話をした
「やあ山ちゃん どうしたの?」
「うん 今部屋に入ったよ きなよ こっちに」
「何号室?」
「1206号だよ」
「了解 これから伺います」
「Jr ほらアルタの高橋さんが来るよ」
「了解 前も楽しかったよ」
神山は持参した名刺大のケント紙にマジックで番号を記入し
その下に 銀座物語のお買い物券の金額を書き女性用の袋に入れた
男性の分もマジックで番号を書き 男性用の袋に入れた

「やあ いらっしゃい」
アルタの田代 高橋 内野 田中の4人が神山たちの部屋に来た
「まずは乾杯」
みんなが乾杯をして楽しく会話が始まると神山はジャックに
「ジャック 今回は参加者が多く部屋が取れなかった ごめんね」
「ははは いいですよ 気にしないで」
「そうか 前回は奥さんとラブラブだったんだ」
「そうそう もう 2人だけにしようって 気を使ったんだ」
「高橋さん でもこうやって居る方が楽しいですよ ほんとうに」
「まあ 仕方がないですね」
みんな大笑いした 神山が
「じゃ 申し訳ないけれど 準備や仕事があるから失礼するね
それでJr 7時にここの3Fの宴会室に着てね」
「了解 大丈夫です」
そう言うと立ち上がり神山に耳打ちをした
「神山さん あそこには行かないでしょ」
「ははは 今夜は不味いよ 行かないよ 大丈夫だよ」
「よかった じゃ分かりました」
「考ちゃんも遅れないようにね」
「了解でーす」

神山は部屋を後にすると海側の由紀枝と亜矢子の部屋に入った
中に入ると誰も居ないので 地ビールを呑み外を眺めていた
暫くするとドアがガチャガチャするので開けてみると由紀枝と亜矢子で
「ごめんなさい 遅くなって」
「いや 仕事だから仕方がないさ それよりシャワーを浴びようか」
「まあ まずはビールでしょ もう」
3人は笑いながら乾杯をした
神山は来る時に奈々子が洋子に色々と聞き 運転を替わった事など話た
「そうね 若い子って好奇心旺盛だし まして貴方のファンでしょ
もう なんでも聞きたくなるんじゃないの」
「それでね 洋子がスピードを上げたんだよ ピタリと止んだんだが
どうしても昔の後輩だからね 僕と運転を替わったんだ」
「で可愛いの」
「うん まあそれなりに可愛くて 洋子みたいだよ ほんと」
「こらー ここに可愛いのが居るのにニヤニヤしてもう ねぇー亜矢子さん」
「ふふふ さあ シャワーでも浴びましょうか」
「それでお誕生日会は上手くいきそう?」
「ええ 最初はグループが居ないのね 貴方の挨拶でしょ その後に
音楽を流すのね それを合図に3人の紹介 それからケーキを運んだり
シャンパンの準備をするわ 照明が暗くなったら 洋子さんが蝋燭の火を
消すでしょ それでグループが入ってきて軽音楽 貴方の話や
プレゼントタイムね そんな所よ」
「わかった じゃグループが演奏したりストップしたりは僕の合図で
出来るんだ」
「ええ 少し早めに行くでしょ その時に顔合わせをします 大丈夫よ」
「それでラウンジは抑えてくれた」
「ええ 10時から抑えてあります 大丈夫よ」







2013年11月23日土曜日

Vol.1232 百日紅 -8-69



「ええ ここからだと話していないわね でも楽ねこの車」
祐子はスピードメーターを見ると220出ていて
「泰子さん220出ているわ でもぶれないわね」
「ふふふ そうね」
泰子も運転に集中しているのであいまいな返事だった

「洋子さん どうしたの」
「うん ほら運転に集中出来なかったの」
「そうか 大変ね」
カトリアーナは大好きなビートルズの歌を鼻歌で歌った
洋子も好きで一緒になってハミングをした

御殿場ICをおり ホテル ゴテンバ グランド インに着くと
車止めでみんなを降ろしていると亜矢子が迎えてくれた
「いらっしゃい さあティーラウンジで待っていてくださいね」
神山や洋子が頷き 駐車場に入ると フェアレディーZが2台
白いゴルフVR6が2台 アウディが1台と高級車が並んでいた
泰子は白いゴルフVR6の隣に駐車した
3人で駐車場を出ようと車を振り返ると由貴 真由美 泰子のナンバーが
1番違いで並んでいた
「ははは 凄いね ナンバーが1番違いで並んでいるよ ほら」
神山が教えると泰子と洋子は
「ふふふ 凄いわね みんな驚くわね 明日は由紀枝さんと亜矢子さんの
車も一緒に並ぶでしょ 壮観ね」
「うん フェアレディーZもちゃんと2台並べて 大したものだ」

「お疲れ様でした」
「やぁー お世話になります さあ皆さん 部屋は聞いたかな
それで7時に山側3Fの宴会室で前夜祭を行います」
「はーい 分かりました」
ポーターが3人付いて部屋を案内した
神山は亜矢子に
「申し訳ないが 大きな袋はあるかな 不透明なものがいいな」
「どうするの」
「うん 前夜祭の時に席順札をいれてそれを引いてもらうんだ
男性用と女性用の2つあればありがたい」
「いいわよ 大きな紙袋でいいかしら」
「うん お願いします」
亜矢子がお土産コーナーに行くと吉永美由紀が神山に
「あのぉー神山さん これが銀座物語のポスターです」
「ありがとう これを貼って宣伝しますからね ははは」
「ありがとうございます それでこちらがお買い物券です 一応50万
45万 30万 20万円と付箋を付けてあります」
「ありがとう 着席する時にくじを引いてもらい そこにこの数字を書き
くじと交換で差し上げるようにすれば楽しいでしょ」
「ありがとうございます」
吉永美由紀は丁寧にお辞儀をして 景山英美子と部屋に向った

「じゃ 洋子 みんなをお願いしますね」
「はーい じゃ7時少し前に宴会室に行けばいいですね」
「うん お願いします」
洋子は祐子と一緒に由貴や桃子が待つ部屋に向かい 神山はJrの部屋に
向った
今回の部屋割りは 神山-Jr-ジャック 高橋孝一-内野誠二-田中幸三
-田代純一 時田清三郎-加藤武雄-内藤一哉 田宮浩二- 村上源一郎
筒井健一-大森和一-杉田翔 と男性群は何とか纏めた 女性群は
田所洋子-浜野由貴-安田桃子-靑山祐子 安堂真由美-眞鍋香織-引田泰子
-カトリアーナ 浮田慶子-安井奈々子-小谷美佳-篠原涼子 
吉永美由紀-景山英美子-村上妙子 内藤真奈美-田宮里香-ナタリー
となり 緊急を考え由紀枝-亜矢子は海側の部屋になった
「はい このカードよ 無くさないでね」
「うん 分かりました でもまだあがれないでしょ」
「そうね もう少しであがるわ」
「じゃ それまで温泉で寛ぐよ」
「それから 先日のお誕生会の事だけど どうするの って言うのは
最初に持ってくるの それとも1時間ぐらいあとの方がいいのかしら
ほら お料理の関係もあるでしょ」
「うーん あくまでも前夜祭だからね そうだ 自己紹介をして
その後にお誕生日を入れるか」
「そうすると どうかしら ビールを呑んでからだと前回のように
おつまみが無くなるわね」
「わかった 最初にお祝いをしよう それで音楽でしょ 終わったら
自己紹介 1時間ぐらいしたら音楽って出来る?」
「ふふふ 大丈夫よ 3時間の約束だから」








2013年11月22日金曜日

Vol.1231 百日紅 -8-69



「忘れ物は無いわ ただ現金が1400万円もあるの 貴方が保管して」
「えっ そんなに 分かりました」
二人は後片付けをして部屋を出た

真紅のポルシェの後ろに乗った吉永美由紀と奈々子は歳が近いのか
よく笑い話をしていた 景山英美子は洋子と少し離れていたが
それでも 頼れるお姉さんで話が合いよく笑っていた
スタジオに着くと 吉永美由紀や景山英美子 奈々子は驚き
「凄い所に住んでいるんですね」
「奈々子ちゃん これは秘密よ いいわね」
「はーい 見ていません ふふふ」
玄関からカトリアーナや泰子 祐子が出てきて迎えてくれた
「まあ 自己紹介は後にして では出発しようか じゃ洋子が先頭
泰子は次 最後は僕が走るようにするよ いいね」
洋子と泰子は頷き
「分かりました」
「ガスを入れていくよ あそこの角で」
「はーい 了解です」
まずは真紅のポルシェがゆっくりとスタジオを出ると 直ぐ傍の
ガソリンスタンドに入り 泰子も着いて行った
神山もガソリンスタンドで満タンにすると洋子に
「洋子 何かあったら携帯だよ 奈々子ちゃん 携帯で教えてね」
「了解です」
「祐子 同じく携帯で教えてね」
「はーい 了解です」
「では出発進行」
洋子が運転する真紅のポルシェ 次に泰子が運転する白いVWVR6
最後に神山が運転する蒼いBMW この3台で御殿場に向った

「神山さん あの初めての人だけど お友達?」
「ははは まだ手も繋いでいないよ 安心した」
「ふふふ 少し安心したかな」
東名高速に入るとカトリアーナは鼻歌が出て 神山もリズムがいいので
楽しく運転が出来た

「先輩 あのぉー 外人さんが居ましたけど どんな関係ですか」
「ふふふ お友達よ 近くに住んでいるらしいわ」
「へぇー そうなんですか でも綺麗だったな」
「奈々子ちゃんも綺麗よ さあ飛ばすわよ」
洋子は奈々子とこれ以上話をしたくなく スピードを上げた

「あらら 泰子さん 洋子さんスピードをあげたわ」
「ふふふ 話したくないんでしょ 色々とあるし」
「そうね それでスピードを上げたのね ふふふ」
「多分 安井さんが色々と聞いているんじゃないのかな」
「そうか 鈴やの社員だし 大変ね」

「あらら 洋子がスピード上げたから泰子まであげたよ」
「ふふふ 洋子さんおしっこかな」
「あーあ その可能性があるね SA近くになったらウインカーを出すし
携帯電話で連絡があると思うよ カトリアーナ これを持っていて」
神山はカトリアーナに携帯電話を渡した

東名高速で真紅のポルシェが右に入ると白いVWVR6も右車線に入り
神山の蒼いBMWも右に出て 綺麗なループを描きながら走った

SAの近くになると真紅のポルシェが左のウインカーを出し 少しずつ
スピードを落としていった
3台がSAに着くと洋子が神山に
「奈々子ちゃんが色々と聞いてくるの 運転変わって貰える」
「ははは やっぱりそうか いいよ」
二人は缶コーヒーを半分ずつ飲み 他の女性たちはおトイレに向った
「さあ あと少しで降りるよ ホテルに着いたら亜矢子が部屋の
案内をしてくれるよ」
「はーい じゃ最後を走るわね」

真紅のポルシェに神山が乗ると奈々子は嬉しかった
「わぁー 神山さん 嬉しいなぁー」
「まあまあ 運転中は黙っていてね お願い」
奈々子は俯き黙ってしまったが吉永美由紀が話しかけていた
神山はスピードを上げると奈々子は怖いと言い出し 完全に黙った

「あら神山さんもスピードを上げたわ 凄い200出しているわ」
「へぇー やっぱり話をしないのかな」







2013年11月21日木曜日

Vol.1230 百日紅 -8-69



キャンセルの話があり ツアーで提供するために作ってしまった
トロフィーが倉庫に30ほど眠っていると話した
「はぁー しかし酷い話ですね」
「ええ 規格が合わないと言われ ほんとショックでした ははは」
「分かりました そうしたら今回は幾つ持ってきて頂いたんですか」
「ええ 最悪を考え ははは 3つ持参しました それで3分もあれば
名前を彫れますよ 大丈夫です」
「ありがとうございます ところで幾らぐらいですか」
「ええ 納めは80万円です この面の手彫りが結構大変でした」
神山は3つ分の240万円を大森に渡すと
「いいですよ 神山さん これは私の気持ちですから」
「ははは いいじゃないですか なあ翔」
「大森さん 先輩は出したお金は引っ込めないんです 頂きましょう」
大森は神山にお辞儀をして現金をバッグにしまった
杉田が投票用紙と現金を神山に確認してもらうと 大森も確認してもらい
「では先輩 ゆっくりと先に行かせて頂きます」
「うん 気を付けてね 7時だよ お願いします」
「では 失礼します」

「ねえ 洋子 そろそろ3時になるから 行かれる様にしようよ」
神山は携帯電話で祐子に電話をした
「わぁー 神山さん絶好調よ ふふふ 泰子さんに教えて貰った」
「ほんと? もう それでそろそろスタジオに戻ってくれるかな
シャワーでも浴びなさい」
「はーい 今ね出る所だったの ありがとう ふふふ」
「じゃ 気を付けてね」
「はーい 失礼します」
「洋子 祐子が絶好調だって もう みんな絶好調だよ 参ったぁー」
「まぁー いいわね 私はどうなるの ほんと」
話している所へ銀座物語の吉永美由紀とルコーワの景山英美子がきた
英美子は台車から化粧箱を下ろすとガラステーブルに置いた
「やあ いらっしゃい」
「はい これが景品です 一応7点用意しました 殿方にも喜んで
いただけると思いますよ ふふふ」
洋子が化粧箱を開けると 嬉しそうな顔で
「わぁー 素敵なナイトドレスね 凄くセクシー ふふふ」
「これはシルク100%で ほら透けているでしょ なのでいいかなって」
「凄く素敵ね ねえ神山さん」
神山は女性の目が気になり 上の空で頷いていた
「もう 英美子さんが気を使ってくださっているのに ごめんなさいね
英美子さん 神山は直ぐに照れるのよ ふふふ」
「はい 大丈夫ですよ それで洋子さん 包装はどうされますか」
「大丈夫よ ここに用意してあるから」
「あのぉー出来ればルコーワの包装紙を使って頂けないでしょうか」
「ふふふ 大丈夫よ それで皆同じ商品かしら」
「ええ そのようにしました」
「はーい では包装しましょうね」
「これが馬券の投票です お願いします」
神山はルコーワの投票口数と現金を照らし合わせた
「OKでーす ドンピシャ」

ルコーワが終わると銀座物語の吉永美由紀が投票用紙と現金を出し
「神山さん これがうちの分です 少なくて済みません」
「いやいや 謝る事は無いよ 参加していただきありがたいよ ほんと」
神山は投票口数と現金を確認し吉永美由紀に
「ありがとう ピッタシです そうだ 奈々子ちゃんを呼ぼうよ」
「そうね それで全員かしら」
神山は配車のメモを取り出し 順番に消していった
「うん 残るはここに居るメンバーと泰子たちだよ」
洋子は奈々子に電話をすると直ぐに部屋に来た
「こんにちわ 専務」
「やぁー いつも明るくていいね うん そろそろ行くよ」
「準備OKでーす」
「しかし そのファッションだけど素敵だね どうしたの」
「ふふふ翔ちゃんに買ってもらいました」
「そうか 洋子 翔が買ってあげたんだって いいね」
「良かったわね 可愛らしくて素敵よ」
奈々子は神山と洋子に褒められ顔を真っ赤にして俯いた
「じゃ洋子 忘れ物は無いね」
「ええ チェックしています ちょっと待ってね」
「そうしたら 奈々子は吉永美由紀さんと景山英美子さんと一緒に
下で待っていてくれるかな お願いしますね」
「はーい では行きましょうか その箱は私が持ちます」
景山英美子と奈々子が半分ずつ持ちビルの1Fで待った








2013年11月20日水曜日

Vol.1229 百日紅 -8-69



「ふふふ ありがと どう 売れている」
「ええ 前回よりも投票が多いわよ ほら奥様も参加されているでしょ」
「そうね じゃFAXを待っています」
電話を切ると直ぐにFAXが来て もう一枚由紀枝の分としてFAXが着た
洋子が亜矢子に電話をすると
「そうなの 由紀枝さんは 自分でも買うってもう一枚追加したわ
金額はあっているわよ」
「しかし2840票って多いわね」
「ほら 6枠って奥様と神山さんでしょ だからじゃないかしら」
「そうね で由紀枝さんの分は10万円でいいの?」
「ええ 大丈夫よ ちゃんと預かっています」
「じゃ 夕方に伺います」
「はーい 気を付けてね」

「こんにちわ 山ちゃん」
「やあ考ちゃん もう行くの」
「うん スピードでないし ゆっくり温泉です はいこれがアルタの分で
先ほど大熊工務店の加藤さんから預かった分です 凄いよ」
神山はアルタの投票用紙を見て驚いた
「なにこれ 全部埋まっているよ 凄いね2700票だって」
「うん ほら社長も出るし奥さんも出るでしょ なのでこうなったよ
奥さんなんか凄いよ 30万円位買っているもの」
「おいおい しかし大したものです」
「じゃ これでお願いします」
「うん あっ 大熊工務店を調べるからちょっと待ってね」
神山は大熊工務店の事務封筒を開けると
「えっ 4550票 凄いね これまた」
「うん 聞いたら全国に流したみたいだよ ははは 参りますね」
「えっ 全国かぁー」
神山は現金を数えると
「OK ちゃんとあります ありがと 気を付けてね」
「うん 5時には着くようにします」

アルタの高橋孝一が部屋を出るとNNの筒井 由貴 桃子が尋ねてきた
「やあ 凄い部屋だね しかし」
「どうも ご無沙汰をしています」
「ところで これを景品で使ってもらえないかな」
筒井は紳士のネクタイ5本とベルト5本を持ってきた
「わぉー ありがとうございます このベルトって凄く高いでしょ」
「まあ ほら売り上げも順調だしね お願いします」
「ありがとうございます」
「それから こちらが馬券投票だよ」
神山は事務封筒を受け取り中を確認した
「1030票ですか 凄いですね」
「ふふふ 神山さん 筒井さん入れ込んで買ったのよ」
「そうか 由貴はどうなの 調子は?」
「絶好調よ ねぇー桃子ちゃん」
「凄いですよ神山さん 真っ直ぐが決まり始めました」
「そんなぁー 桃子ちゃんはどうなんだ こらっ」
「へへへ 私も絶好調よ アイアンが真っ直ぐだし 大丈夫よ」
「へぇー それで6-8が98票もあるんだ 参ったなぁー」
「じゃ 山ちゃん お先に失礼するよ」
「あっごめんなさい 由貴気を付けてね」
「はーい でもあの車だったら200出しても大丈夫ね」
「おいおい そうだそこにガソリンスタンドがあるから 入れていけば」
「はーい ありがとうございます じゃばいばーい」
「はい ゆっくりとね」

「洋子 聞いた?」
「ええ 6-8は買っていないわ もう 嫌ねぇー」
「ははは でもそんなに調子がいいのかな うーん」
考えている所へ杉田とクリスタル大和の大森が尋ねてきた
「こんにちわ 神山さん」
「やあ よく来て下さいました 杉田の我侭で申し訳ございません」
「それで神山さん このクリスタルガラスのトロフィーを優勝副賞で
使って頂けませんか?」
大森は桐の箱から高さ25cmのクリスタルガラスで作られた
トロフィーを出し神山に渡した
「凄く綺麗ですね でも どうだろう 大森さん 今回ご提供いただくと
次回もって事になりますよ それと前回は優勝者が2名出たんです
そこはどう対処されますか」
「ええ 次回からもご提供させて頂きます 大丈夫ですよ 実はこれには
訳がありまして」
大森は以前 アメリカのゴルフツアーで見本として納め その後







2013年11月19日火曜日

Vol.1228 百日紅 -8-69



「ええ 1時半頃には着きますよ 大丈夫です」
「はーい じゃ気を付けて来てね」
「はい 失礼します」
洋子は神山に13時30分頃来ると伝えた
「あっ そうだね 午後半休だったね そうすると泰子はどうしたのかな
ほら真由美と香織に渡した分 泰子が纏めているそうなんだ」
神山は泰子に電話をした
「こんにちわ もう直ぐでて そちらに伺いますよ」
「うん ありがとう それで夕方にスタジオかな」
「ええ もう少し早く伺います ふふふ 最終調整をします」
「えっ もう また練習なの」
「ええ祐子さんやカトリアーナも一緒よ いいでしょ ふふふ」
「えっあの二人も一緒なんだ わかった じゃ待っています」
電話を切ると洋子に
「洋子 泰子と祐子 カトリアーナがこれから練習だってさ もう いいな」
「へぇー 凄いわね あーあ そうそう二人の分は」
「あっいけない すっかり忘れていたよ ありがとう」

神山は自分の分を含めた3人分を洋子に渡した
「へぇー 祐子さんもカトリアーナも自分から流しているわね
でも3-4も抑えているわね ふふふ じゃ私もここに一緒でいいかしら」
「うん いいよ」
洋子は自分の枠から流し 3-4の由紀枝と祐子の枠も抑えた
暫くすると繊維協会の泰子が次長室にニコニコしてやってきた
「やあ ありがとう」
「はい これが全部です」
「へぇー 凄い投票数だね 1138票だ そうか6枠は香織も居るからね
良かった ははは」
「でも 神山さんにも期待しているのよ 頑張ってね ふふふ
では失礼しますね」
「おいおい お茶でも飲んでいけばいいのに」
「二人が待っているので ごめんなさい」
「じゃ 夕方はちゃんとスタジオで待っていてね」
「はい」
泰子はニコニコして部屋を出て行った
「ねえ洋子 今日は出られないから コンビニでサンドイッチやお弁当など
好きなものを買ってきてくれるかな お願いします」
「はーい サンドイッチとおにぎりでもいいかしら」
「うん お任せします 今日は仕事にならないよ もう ははは」
洋子はニコニコして部屋を後にしてコンビニに向った

暫くするとアルタ横浜支店の田代が訪ねてきた
「やあ こんにちわ お久しぶり」
「山ちゃん こんにちわ これから向います」
「ははは 天気も良いし ドライブには最高だね」
「ええ 社長からフェアレディーZをお借りして運転ですよ」
「えーっと 奥さんと美佳ちゃんだっけ」
「ええ 今 そこで食事をしています ははは」
「あらら 田代さんは」
「ええ 直ぐに食べに行きますよ ほら向こうは生ビール呑んでいるから」
「あっ そうか では預かりますよ えーっと えっ4450票 凄いね」
「ええ 今回は周りが凄くて はい 頑張ってくださいね」
「ははは お互い同枠で頑張りましょう」
神山が現金を確認すると田代は部屋を出て行った
入れ替わりに洋子がコンビニから戻ってきた
「ありがとう 今 アルタの田代さんが来て 馬券を置いていったよ」
「ええ 下でお会いしました はいこれ」
神山と洋子はソファーで寛ぎながらサンドイッチやおにぎりを食べた
「なんか おにぎりが美味しいね」
「ふふふ いつも美味しいステーキや魚介類を食べているからでしょ」
「これ 預かった分だよ 4450票だって」
「えっ 凄いわね 食べたら入力するわ でも8-8って今まで40票よ
ここが入ったら凄い事になるわね」
「男性は無理としても 由貴と真由美だからね しかし真由美はHC19
でも届くかどうかで でも面白いね 90だと71でしょ 由貴だって
88で70だもの そうか 現状だと幾らになるんだろう」
「凄いわよ 18万円よ」
「えっ 500円で18万円か うーん どうするかな」
「ふふふ 3時までまだ時間はありますよ どうぞ追加してくださいね」
神山はデーター入力されたパソコン画面を見ながら食事を終えた

「亜矢子です こんにちわ」
「まぁー こんにちわ洋子です」
「ねえ 馬券の投票をFAXで送るわね」







2013年11月18日月曜日

Vol.1227 百日紅 -8-69



「ボンベを買ってくるよ 確かもう予備が無いはずなんだ」
「はーい 行ってらっしゃい」

8月18日 火曜日 晴れ
「洋子 忘れ物はもう無いよね」
「ふふふ もう 朝から大変ね 無いわよ 大丈夫よ」
神山はコンペに支障がないように準備してきたが 確認をした
ボストンバッグの中を確認し洋子にプレゼントする2700万円の
ダイヤのリングも確かめた
午前中に東都食品の田宮が訪れてきて 馬券を持ってきた
「やあ ありがとうございます」
「今回は私と家内の5-7 それと1枠2枠の絡みが多くて 神山さんの
6枠からみの投票が多かったですよ」
「ありがとうございます それで今回はどのくらいですか?」
「ええ 1202票で60万1千円です」
「えっ 1202票ですか 凄いですね」
「今回は5-7は凄いのですが後はちょっと分かりません そうそう
こちらが北陸さんの分です お願いします」
神山は封筒を調べると 708票あり35万4千円入っていた
「しかし 凄いですね 6枠が売れていますが プレッシャーですね」
「まあ 頑張ってくださいね 応援しています」
「これからお出掛けですか」
「ええ 村上さんの希望で お昼を横浜中華街で頂く事にして
ゆっくりと行きます」
「じゃ 6時までにはお願いしますね 気を付けてお願いします」
東都の田宮が部屋を出て行くとアレックスのジャックが尋ねてきた
「こんにちわ 神山さん」
「やあお久しぶり」
「持ってきましたよ 馬券 今回は割れましたと言うよりバラバラです」
神山が投票口数と現金を数えた
「凄いな 2760票だって それで6枠もしっかり売れているし」
「1、2、5、7枠かな でも分からない うーん難しいね」
「ありがとう では預かります」
「それでこれが景品です」
「あれっ ゴルフクラブは」
「ちょっと待って 今 持ってきます」
ARXJPに今回はゴルフクラブセット 男子が2セット婦人が2セット
合計4セットを持ってきて貰った
洋品の方は婦人ポロシャツやスカートセットのカタログ 5セットを
Jrのポケットマネーで協力してもらった

「はい お待たせしました 神山さんこれは私が立て替えました」
「うん ありがとう そうすると135万円の7割だから94万5千円で
4セットだから378万円ですね」
「はい そうです ありがとうございます」
神山は引き出しから300万円の包みと100万円を出し 数えて渡した
「はい 確かにあります」
「じゃ 気を付けて行ってね 6時までにはお願いします」
「はい では失礼します」
ジャックが部屋を出ると本社秘書室の浮田が投票を持ってきた
「やあ ありがとうございます」
「しかし 神山さんと洋子さん 凄い人気よ ふふふ」
「あれっ 自分の枠だって 凄いし副社長の5枠も 凄い人気じゃない
ちょっと待って えっ3520票、、、凄いね」
「ええ 副社長も相当入れ込んでいましたよ ふふふ」
「あーあ なんで5-6がこんなに もう プレッシャーだよ」
「頑張ってくださいね それで私たちは2時に上がって 内藤様のお車で
先に伺わせて頂きます」
「はい ゆっくりと温泉で寛いでください」
「では 失礼します」
浮田は洋子と暫く話した後に部屋を出て行った
「はい 洋子 凄い事になっているよ ははは もう知らないー」
「あら おじ様の所と5枠6枠 がダントツに凄いわね」
「あーあ 参ったぁー」
洋子は現金を確認するとデーターをノートパソコンに入力した 

「ねえ ニーナ・ニーナだけど 由貴さんから電話が無いわね」
「そうだね どうしたのかな」
「確か前回はお昼ご飯を一緒に食べて その時に貰ったんだよね」
「ええ そうよ 電話をしてみますね」
洋子は由貴に電話をすると
「わぁー 洋子さんこんにちわ 今日は午後半休でしょ なので御殿場に
向う前にそちらの事務所に寄ろうと思っていたんです」
「あっ そうね 何時頃になるかしら」







2013年11月17日日曜日

Vol.1226 百日紅 -8-69



「はーい 終わりました お待たせしました ふふふ」
「久保さん あとは小さなバッグですね」
「ええ こちらが見本です」
神山は口金にプチダイヤがはめ込まれたバッグを手にすると
「いいじゃないですか 素敵だ ねえ洋子」
「ええ 美しくて素敵です エナメルでしょ でもこのダイヤが素敵」
「それで神山さん このダイヤだけで800万円するんですよ、、、」
「えっ ダイヤだけで800万円ですか そうだろうな うん」
「バッグの方は60万円で合計860万円になります、、、」
「分かりました 8600万円を近いうちに上原に入金します」
「わぁー ありがとうございます よかった 怒られるかと思って
でもね 日本だとダイヤだけで1000万円は軽く越えるんですよ
それでニューヨークで買い付けをして大変だったみたいです」
「そうか そんな苦労があるんだ ありがとう」
「後はシューズですが これはどうしますか」
「って言うと?」
「ええ 既成の型を利用して バッグと同じようにエナメルにしますか
あとは 既成から選んでいただく方法がございます」
「うーん バッグと同じにしてください その方がおしゃれだし ねぇー」
「はい 分かりました」
久保は制作費が細かく書かれたマニュアルを見て
「1足20万円になります」
「了解です そうすると先ほどのと合算で8800万円でいいですか?」
「ええ それでお願いします あのぉーダイヤはどうされますか」
「うーん シューズにはいらないでしょ ねぇ洋子 どう?」
「うーんそうね 丈が短いドレスならありだと思うけれど 今回は
丈が長いし 私も要らないと思うわ」
「ちなみに 幾らですか」
「ええ 大体ですが70万円から120万円です」
「由紀枝 どう思う」
「うん いらないと思うよ だってバッグがこれだけ美しいでしょ」
「わかったありがとう って事でシューズにダイヤは無しでお願いします」
久保は頷き バッグを化粧箱にしまった
「久保さん8800万円 ここでお支払いしますよ」
「はい ありがとうございます 領収書は後日で宜しいでしょうか」
「ええ 簡単な受領書にサインをお願いします」
神山は引き出しからギフトカード8800万円分をだし久保に渡すと
店内のカウンターで数えてきた
「では 神山さん ドレスなどお渡しできるようになりましたら
ご連絡をさせて頂きます ありがとうございます」
「こちらこそ ありがとう」
NNの三人は丁寧にお辞儀をして次長室をあとにした
「じゃ 神山さん私たちも戻ります ありがとう」
「そうしたら東京駅まで送るよ」
「ほんと ありがとう よかったわね亜矢子さん」

神山は亜矢子と由紀枝を東京駅まで車で送り 新幹線のホームで亜矢子が
「お誕生日会 上手くいきそうよ」
「ありがとう 由紀枝もありがとう」
「でもね 進行係は神山さんだから お願いね こちらはそれ以上だと
本格的な司会者を頼むようになるの 無駄だからさ」
「そうだね 頑張るよ」
「ねえ 人数はもう決定でいいのね」
「うん えーっと36名か お願いします」
こだまが発車するベルが鳴り出し 由紀枝がキスをすると ニコニコし
「じゃ 気を付けてきてね ばいばーい」
神山も亜矢子と由紀枝に手を振り分かれた

次長室に戻ると洋子に
「今夜はバーベキューでもしようか」
「わぁー 嬉しいわ ありがとうございます」
「そうしたらさ お友達で呼べるだけ呼んでいいよ」
「はーい 了解です」
洋子は早速 NNの由貴に電話をすると桃子と参加すると言ってきた
繊維協会の泰子に電話をすると 自身は参加するが真由美と香織については
返事をするといわれ
暫くすると泰子から電話があり 3人で参加すると伝えてきた
「あなた 由貴さん桃子ちゃん 泰子さんに真由美さんと香織さん
在京メンバーは全員参加でーす」
「じゃ 祐子に連絡してくれるかな 材料はこちらで買おう」
「はーい 連絡しておきます」
二人は地下食料品売場で材料を買い求めると 随分な量になり洋子が
「しかし 女性が8人でこんなに食べるかしら」
「ははは よく言うよ メロンやフルーツが重たいんでしょ もう」
「ふふふ ばれたかぁー ねえ 昨夜はどうしたの」
「うん カトリアーナが久しぶりと言うのでしゃぶしゃぶだった
ほんと良く食べたよ ははは」
「へぇー でも今夜も楽しいわね」
二人は次長室に戻ると神山は







2013年11月16日土曜日

Vol.1225 百日紅 -8-69



テツも喉が渇いたって言うものだから ははは」
「はーい それで亜矢子さん達ですが 少し早くなるそうなの
それでNNの久保さんに連絡をしておきました それから
カトリアーナにも伝えておきました」
「ありがとう 何時頃になるって」
「ええ 4時少ししたらこちらに来ると話していました」
「わかった ありがとう」
次長席で仕事に集中していると直ぐに時間が経ち 16時なった
尋ねてきたのはNNの久保達だった
神山はまだ時間があるので 杉田と屋敷を部屋に呼んだ
「久保さん この若いの二人に K-MOdel はどうでしょうか」
久保はデザイナーと話しをして
「Y体でいけると思いますよ ただ神山さんが着ているシルエットとは
多少違ってきます」
「分かりました って事でY体だってさ よかったなもやし体じゃなくて」
久保がどのように伝えたか聞いていなかったが フランス人デザイナーは
大笑いして涙を流していた
「先輩 また笑われました もう」
「ははは 国際人になったんだ ねぇー久保さん」
「ええ パリに行かれても大丈夫よ ふふふ Y体で通りますから」
「そうしたらどうだろう 作ってもらえるかな」
「うん 現状から申し上げますと 無理です まずは神山さんのモデルを
全部完成してから Y体A体と進めます なので商品が出来ましたら
お持ちするようにします それまで我慢してください 済みません」
「はい 分かりました って事で翔 テツ 商品になってからだ」
「はーい 分かりました では失礼します」
「うん ありがとう」
二人が出て行くと久保は神山に
「本音は出来ない事は無いんですよ ただシャツやジーンズといった
関連するものがあるので 中途半端になるんです なので12月には
冬物をお渡しできると思います」
「そうだね 12月から冬物を着て4月までの日記をつければ
凄いデーターが出来ますね」
「ええ お願いします ふふふ 付けていますか 日記」
「うん 大丈夫だよ ちゃんとつけているよ 家においてある」
「ありがとうございます 本当はあの方達にも着て頂きたいのですが
パリではそこまで余裕が無くて ごめんなさい」
「ははは 大丈夫ですよ」

「わぁー 漸く着きました」
カトリアーナに由紀枝 亜矢子が尋ねて来た
「やあ いらっしゃい さあ座って 洋子ビールをお願い」
9月23日に着るドレスの試着で来て貰った
久保は早速化粧箱の名前を確認しながら 3人に渡した
箱を開けると 綺麗で上品な光沢が目に入り由紀枝は
「わぁー 素敵 このままグラミー賞に行っても大丈夫ね ふふふ」
「そうだよ そのつもりで注文しているからね」
「では神山さん 退室してください」
久保の指示で部屋をでると タバコを吸いたくなり 催事課の部屋に入り
杉田の机でタバコを吸った
奥村課長が神山に
「どうしたの山ちゃん ここでタバコを吸って」
神山は簡単に説明すると
「そうそう その件だけど 人選はどうするの」
「えっ それは本人達の意見が第一優先でしょ それからでいいでしょ」
「まあ そうだけど ほらもうあと1ヶ月少しだからさ 心配して」
「じゃ 僕の方から 進捗状況を聞いてみますよ」
「うん お願いします でも凄いね ドレスの特注なんて」
「ほら 女性は幾つになっても美しくいたいわけですよ そこですね」
「はぁー で幾ら位掛かるの 特注って」
「えーっと 確か420万円でした」
「えっ 420万円のドレス、、、はぁー、、、」
奥村は俯き自分の課長席に戻った 神山もタバコを消し部屋をでた

「大丈夫ですよ 神山さん」
「おぉー 素敵だ3人とも美しいよ へぇー 見違えるね」
「ふふふ ありがとう 静岡から来て良かったわ」
由紀枝は回りを気にしないで 神山にキスをした
「もう由紀枝さん 私は我慢しているのにずるいわ ふふふ」
「まあまあ どうですか久保さん」
「ええ 手直しする所はございませんでした でもみなさん 凄く素敵な
プロポーションの方ですね 驚きました」
「ありがとう って僕が言うのも変だな ははは では出ますね」
神山は再び部屋を出ると 今度は次長室の前で着替えを待っていた







2013年11月15日金曜日

Vol.1224 百日紅 -8-69



中身を確認すると 現金が1億8千万円でギフトカードが4千万円分あり
自身 いつまで続くか見当が付かなかった
「先輩 今 大丈夫ですか?」
「うん どうした」
「今 ペントハウスで白樺を選んでいるんです それで小枝があり
それも一緒に使おうと思っているんです どうでしょうか」
「あっ そうか それを柵のように使うわけだ どうだろう 90の平板は
ないかな」
「ええ 丁度いいのが無いんですよ」
「分かった 白樺のスパンは900にして 90の平板は少しバーナーを
あてて焦げた感じにしよう うん作業場に電話をしてくれ 僕はこれから
作業場に行くから それを持ってペントハウスにいくよ」
「了解です 先輩 暑いからジャケットは脱いできた方がいいですよ
出来れば Tシャツがいいです」
「ははは さっきのビールが出てきたな ありがとう」
神山はジャケットを脱ぎ作業場で杉の平板を4本作ってもらい
ペントハウスに行った
「ほんと暑いな ははは」
三人は今夜使う白樺のケースメントを作った
屋敷が釘を打つのが上手で 神山と杉田はサポートに廻った
出来上がりリーフを巻くときに神山が
「なあ翔 この柵に巻こうよ それで9月に入ったら紅葉ってどう」
「いいですね そうしましょう うん」
三人は出来上がりのケースメントを壊れないよう 下の階まで降ろし
日本庭園の奥に置かせてもらった
「ははは ここに置いてもばっちしだ」
「それでブランドが決まりまして 今 奈々子ちゃんがPCで製作して
もう少ししたら パネルに貼ります」
「そうだね それからあの白樺は婦人で使ったものだから 高さが100程
足りないはずだよ なのでくの字になっているけれど 天井でワイヤーで
張るしかないね」
「あっ そうか 婦人でしたね 天高が100も違うんですか」
「うん 違うな」
「そうしたら下はポール足で固定しましょうか」
「うーん 両面テープで良いと思うよ わざわざ当る人は居ないだろうし」
「了解です しかし 喉が渇きましたね なあテツ」
「ええ お昼のビールが全部出ました」
「ははは たまにはいい事を言うな よしちょこっとだけだぞ」
3人は店を出ると 昼から営業しているイタリア居酒屋にはいり
生ビールと簡単なおつまみを食べた

「しかし 二人とも凄い汗だな」
「先輩だって凄いですよ」
神山はジーンズのポケットから1万円を出し
「ほら Tシャツでも買いなさい」
「ありがとうございます よかったなテツ」
「ええ 戻ったら早速買いに行きます ありがとうございます」
神山はケースメントを設置する場所を細かく指示をすると杉田が
「ええ 僕もそこがいいと思っています で後ろにハンガー展開すれば
商品量も確保できますし 白樺が邪魔にならないと思います」
「うん 僕は残らないけれど 頼んだよ」
「先輩 ゆくゆくはGケースも必要になるでしょ」
「そうだね 今から考えておいてくれ 部長がいいな」
「ははは もう先輩 課長が可哀相ですよ」
「まあな しかし部長と話しておけば 大丈夫だろ」
「ええ そうですね はい分かりました」
杉田の携帯電話がなった
「はい 杉田です」
「私 奈々子です 出来ましたよ 何処にいるんですか?」
「ああ 先輩と外を廻っている 直ぐに帰ります」
「はーい お願いしますね」
「ははは 奈々子ちゃんか」
「ええ 何処に居ますかって もう 大変ですよ 見張られていて」
「まあ 彼女はもう池上店長にべた褒めさせたからね」
「ああ この間の婦人肌着の件ですね ほんと来れば良かったのに」
「まあ 代表として翔が行ったんだ だからそれでいいんだよ」
「女子社員なんかいつ先輩がくるか そわそわしていましたよ なあテツ」
「ええ 僕や先輩では役不足でした がっかりさせただけです」
「もうテツは一言多いの じゃ先輩 ゴチでした 帰ります」
3人は汗が引いてきたので 居酒屋を後にした

「やあ ただいま」
「まぁー 何処に行かれていたんですか もう」
「ははは 翔とちょっと外回りだよ ほらペントハウスって空調機がなくて








2013年11月14日木曜日

Vol.1223 百日紅 -8-69



リーフを木に巻いて ポスターをそこに飾るってどうですか」
杉田は屋敷と神山が見ている所でスケッチブックにイメージを描いた
「うん これでいこう あとは簡単なPOPで済むしね」
「じゃ ブランドを選考するのが最初ですね」
「課長 って事でこのように杉田の提案したデザインでいきます
それで大至急ブランドを選んでください 急なので今夜は1ブランドで
展開しましょう 出来ますよね」
紳士服一課長はしぶしぶ頷いた
「良いですか課長 今12時です 13時までに杉田まで連絡ですよ」
「はい 分かりました」

店を出ると杉田が
「しかし 紳士服って全然危機感が無いですね」
「そうか翔もそう感じるか」
「ええだってプライベートブランドでしょ それが潰れるって
普通だったらなぜって思うでしょ それが噂で済んでしまう所です」
「だよな 怖いな ライセンス契約をしていなければいいが
でもな 酷いものだ山田は」
「そうですね 随分ですね」
「課長が話していたが 三山でも面積を減らされたらしいんだ
それも多少絡んでいるんじゃないか」
「あーあ なるほど 大きく言えば銀座撤退って事ですね」
「うん 本人の妄想もそこまで来ると お付き合いできないね
したがって 撤退です」
「そうそう その跡地にNNのメンズでしょ」
「うん 部長とはその話になっているよ 大丈夫だよ
鈴やで展開してくれなかったら 他を考えるしね」
「えっ でも それってありなんですか」
神山は自分の権限を分かり易く二人に説明した
「じゃ 鈴やで売れない場合は 撤退もありなんですね」
「うん 日本の企業と考え方が違うからね 僕も分かってきたよ」
「へぇー 少し勉強になりました テツ良かったな」
「はい 勉強になりました」
「もう 鸚鵡返しでどうするの ははは 先輩済みません」
「よし これからお昼に行こうか 何処にする」
「先輩 ゴチでーす なあテツ」
「はい ゴチです 中華がいいです ねえ先輩」

3人は中華料理店に入ると杉田が奈々子を呼び 洋子も連れてくるように
指示をしていた 神山はこの頃よく気が付くと感心した
杉田は おばさんに生ビールとおつまみの餃子8人前 野菜炒め5人前
シュウマイ5人前を注文した
平日の午後でサラリーマンで賑わっていた
殆どのサラリーマンがワイシャツの袖をめくったり 半袖姿も多い中
神山はジャケットを漸く脱ぎ裏返しにして椅子の背宛にかけた
丁度ブランドのタグが見え杉田が
「へぇー NN K-Model ですか 格好いいですね なぁテツ」
「でも先輩が着るとジャケットが歩いているみたいで お勧めはしません」
「おい どういう事だよ それは」
「だって ジーンズだっていまいちだし 今のファッションを言わせて
頂きますと 要はファッショナブルじゃないです」
杉田は俯き元気をなくした

「ねえ翔ちゃん どうしたの 元気が無いわよ」
「そうよ 杉田君 さっきから箸が動かないし ねえあなた」
神山は洋子と奈々子が来る前のやり取りを話した
「こらっ てっちゃん そんな翔ちゃんを苛めたらだめでしょ もう
いくら本当のことでも そこは弁えて話す事よ」
「はい 分かりました」
「ねえ あなた 予備のメンズがあるでしょ それを杉田君に着てもらう
ってどうかしら?」
「うん 先ほどから考えていたよ でもね このもやし体形ではね」
「まぁー 可哀相 もやしですって 奈々子ちゃん」
「専務 いくら思っていても言っていい事と駄目な事ってあるでしょ」
奈々子は神山に反論していたが 最後は笑ってしまった 杉田が
「ほら 奈々子だって笑って もう あーあ いいですよ どうせ僕は
板橋の田舎もんです いいですよ もう」
5人は楽しく食事を終えると各自部屋に戻ったが洋子は本社秘書室へ
書留を受け取りに行った

「わぁー 重いわ もう いつまで続くのこれ 今朝頂いたばかりなのに」
「やあ ありがとう」
「ねえ 先日の分 出してくださいね お礼状を出すんだから わかった」
神山は今朝の分と10日の分を机にだし お届け伝票を洋子に渡した








2013年11月13日水曜日

Vol.1222 百日紅 -8-69



洋子が本社秘書室に書留受領の事で部屋を出たがなかなか戻らないので
心配していると 洋子が慌てた様子で帰ってきた
「ねえ うちのプライベートブランドが潰れるって知っている?」
「えっ なに それ」
洋子は書留を神山に渡すと本社で噂になっていることを説明した
「いやぁー 全然知らないよ そんな事はないだろ ねえ もう一度
秘書課に聞いて 紳士服に確かめた方が良いよ 可笑しいよ」
神山は過日紳士服部長とライセンスの部分で撤退と聞いたが 潰れると
いった情報は聞いていなかった
情報源の確定までにそんなに時間は掛からなかった
不当な情報を流したのは 紳士服売場に取引のある山田紳士服の社長で
鈴やでも先日の火曜日に売り場面積を半分に減らされ たまたま
三山百貨店でも面積が減らされた事に対する 妄想からこのような
噂が流されたと判明した
「しかし なんで 酷すぎるな なあ洋子」
「ええ 考えられないわね」
「洋子 紳士服に行く ついて来て」
洋子は神山が今までに無い真剣な顔つきだったので少し怖かった

まず紳士服部長席にいくと神山は
「いったい何事ですか 酷い話ですね」
「ごめんごめん 山ちゃん」
「山田がなぜこんな噂を流すんですか 酷いですよ これがNY本社に
情報がはいったら契約打ち切りですよ ほんと」
「うん まだ本人に会っていないから分からないんだ」
「専務として命令します 1時間以内にここに来るよう手配しなさい
でないと部長 考えさせていただきます いいですね」
紳士服部長も普段の神山でない事を気づき 課長に連絡した
「専務 必ず1時間以内に来るよう約束します」
神山は頷き紳士服一課長席に向った
「もう 甘いな あの感じでは」
「ええ そうね 危機感が全然感じられないわね」
一課長席に入ると 山田紳士服の社長もいて神山は驚いた
「課長 どういう事ですか 今 部長席から電話をしたら 1時間以内に
山田さんを呼ぶと言われていましたが」
「ええ 申し訳ございません あのぉー まだきちんと話が伝わって
いないんですよ そこで説明をしていたんです」
「甘いです その話は先週火曜日に決着していますよ」
神山は11日火曜日に部長と決定した事や 今後の計画の確認をした
「ええ でも 数字を考えると はい」
「うん 数字は分かりました でもPBの噂はなんですか 一課長も
ご存知ですよね 本社秘書室では対応に追われていますよ」
「はい 申し訳ございません ここに居る山田の社長がつい口を
滑らせ それで広まりました」
「口を滑らしたといわれたが うちの損害がどれだけか分かりますか」
「えっ だって社内だけでしょ まだ」
神山はカチンときた
「ばかもの この事で通常業務に支障をきたしていると思わないのか
山田さん 貴方の所は今夜撤退です いいですか 撤退です
課長 係長を大至急呼びなさい 専務命令です」
一課長は売場係長を呼び出した

「こんにちは 課長 なにか御用ですか」
神山を見て
「専務 こんにちわ 今日はどんな御用ですか」
神山は係長も全然空気が読めていないと判断して
「君はPB撤退の話を知っているか」
「えっ 全然 そんな 嘘でしょ」
神山は事の経緯を話すと 係長は額に汗を浮かべていった
「そこで 係長 今夜山田紳士服は撤退です いいですね
空き地については大至急候補を選び商品手配や準備をする事
これは専務命令です」
「あっ はっ はい 分かりました 早速準備します」
係長は慌てた様子で一課長席を出て行った
「って事で 山田さん 今夜で撤退です 準備をしてください」
「あのぉー どうしても駄目なんでしょうか」
「ははは 駄目です 撤退です 課長良いですか 撤退です」
一課長は俯き頷くだけだった
神山は直ぐに杉田に連絡して紳士服一課長席に来るよう伝えた
暫くするとスケッチブックを持ち屋敷と表れた
神山は課長と跡地のことで売場に戻り 杉田に指示を出した
「これだけあれば 2つくらいブランド展開できますよ」
「だろ 勿体無かったな いままでさ」
「先輩 白樺の木があるでしょ それをケースメントで使い 中元の








2013年11月12日火曜日

Vol.1221 百日紅 -8-69



「えっ 又 行ったんですか はぁー」
「ええ ブラショーが飛ぶように売れています バーゲンと錯覚します」
「はぁー おめでとうございます それでお忙しい所申し訳ないのですが
OEMでメンズショーツやシャツなど作っていただく事ってどうですか」
「ええ 工場は自前で持っていますから大丈夫ですよ」
「分かりました では 今日はここまでです その後の話は少しそこが
落ち着いてからにしましょう 宜しいでしょうか」
「はーい お願いします うちの縫製は日本一だと自負していますよ」
「そうですね 凄く丈夫ですし はい 実感しています」
「えっ 実感ですか、、、」
「ああ そのように聞いていますって事です」
吉永美由紀は最初驚いたが 納得して電話を切った

「ふふふ ちゃんと話せばよかったのに」
「ははは 実感って言ったら驚いていたよ そうだよな 予備知識が
ないのに突然言われたら驚くよね」
「ふふふ そうよね でも作って頂けるんでしょ」
「うん OKを貰ったよ そうだね 来週かな この話」
「そうすると卸が銀座物語で販売はニーナ・ニーナメンズな訳ね」
「うん 僕が思うに 上辺だけじゃなくて 中身までトータルで考えた方が
絶対に成功すると思うんだ」
「そうね 日用品だから必要なものだしね ふふふ」
「うん 僕と同じような考えを持っている人っていると思うんだ
だけど勇気が無くて買えなかったりして悶々と生活している」
「うーん そうね なんとなく分かるような気がするわ」
「だから OEMで考えていけば そうだソックスだってあるじゃん」
「ふふふ どんどんと膨らんでくるわね」
「うん だって勿体無いでしょ 持っている力を埋めてしまうのは
だってNNで 出来なければ肌着屋さんで出来るじゃない ねえ」
「ふふふ 頼もしいわ その通りよ がんばれ赤パン」
「残念でした 赤Tです」
「まあ Tバックなの 今日は」
「うん まあ お仕事お仕事」

8月14日 金曜日 快晴
「神山顧問 ありがとうございます」
「やあ 吉永美由紀さん おはようございます しかし凄いですね
この勢いは驚いていますよ」
「ええ 私も始めての経験です 最初は月曜日はお得意様の数字を
弾いていました でも夕方には思いもよらない現金収入 火曜日も そして
木曜日も現金ですよ 凄いです」
「うん 銀座物語さんで婦人肌着の売り上げが前代未聞ですよ ははは」
「それで 先日のOEMですが もしかして赤いショーツの事でしょうか」
「えっ うん まあ それだけではありませんが」
「ええ あのぉーご気分を悪くしないでくださいね」
「はぃ?」
「あの赤いショーツシリーズは 先代の思いが込められていまして
OEMで製作することが出来ないんです」
吉永美由紀は先代創立者 吉永美喜が銀座で働く女性に幸福を呼ぶとして
願いを込めたショーツで製作した【幸福を呼ぶ赤いショーツ】は
昭和の終わりまで生産されたが 時流で販売数が落ち
型紙や生地取りなどはそのまま倉庫に眠り 封印された
吉永美由紀が会社にはいり バブル崩壊の経済環境の中 若い女性に
少しでも明るい希望を持って貰いたいという希望で 再現された
販売実績はまだまだだが それなりに定着していることと
あの赤い色はOEMで提供できないと申し出た
「うん 分かりました いや 女性週刊誌などでも取り上げられているので
是非と思っていましたが 無理では仕方ありません」
「ええ 本当にごめんなさい でも形はOKですよ」
「そうしたら 逆にあの色でない【赤】なら大丈夫ですか?」
「はい 検討させてください お願いします」

「おはようございます」
「やぁー 早いね」
「ふふふ 今日はね あの車で首都高を2週もしたの だってね 聞いて
母が私より早く起きると エンジンを掛けているの ほんと」
「へぇー すごいね ははは」
「それでね 作戦を練ったのよ 母より早く起きて ドライブって
それが今日で ふふふ5時に起きて2週しました へへへ」
「おいおい 親子でカーキチかぁー ははは 調子はいいでしょ」
「それでね 朝ごはんの時ね言うのよ スピードは控えめにって もう」
「ははは 全部お見通しだ 大変だね」
神山は洋子の話を聞くと仕事に集中した








2013年11月11日月曜日

Vol.1220 百日紅 -8-69



「うん 出来ればモーガンにこの事を伝えてほしい」
「ええ 凄く素敵なカップルですよ ほんと」
「それで先日はメンズの撮影だけでしたが レディースもOKなら
GOLに間に合わなくても 販売はしていきたいですね」
「ええ いいアイデアを頂きましてありがとうございます」
祥子が頷くと 早速 洋子の詳細なサイズを測る為に神山は追い出された
暫くして神山が呼ばれ次長室に入ると祥子が神山に
「あのぉーメンズもそうですがレディースも流行は追いかけません」
「うん その通り オーソドックスなデザインって飽きが来ないし
まして最高級の生地 縫製ならば文句の言いようが無いしね
僕もそのつもりで考えていますよ 毎年流行に追いかけられ
ファッションを楽しむのもよし しかし高級なジャケットやバッグならば
そんな必要は一切なしだね そう思います」
「わぁー よかった ほら婦人のビジネススーツ あれもねもう5年ほど
デザインが変わっていないんですよ 日本だけですね ベーシックな
ファッションに対しころころ変えているのは」
「だと思いますよ しかしこれがベーシックと言えるかどうか別にして
最低でも3年はそのままで良いと思います
まずは定着させないといけないですからね」
「はい 心強いご意見で安心しました」

「ねえ 久保さん このバッグですが ボストンは考えていないの」
「ええ どこまで広げるか検討しています って言うのは 旅行を
入れると もう少し幅が広くなり 現状では無理が出てくるんですよ」
「そうか なるほど わかります」
「ステップとしては K-Model の上にプライベートがあるんです
でも そこを開発するとなると シャツ一つ取っても非常に多くの
デザインが必要になり そこまで出来ないのが現状です」
「そうか そうだね シャツにしたって色々な場面で違ってくるしね」
「ええ ポロシャツにしてもデザインは大変です」
「まずはNNメンズを定着させ そこからですね」
「ええ モーガンもそのように話しています お願いします ふふふ」
神山はひと段落すると洋子にビールを指示した
二人のデザイナーもニコニコし乾杯をした
「ねえ 久保さん 肌着でOEMってどうかな?」
「えっ 肌着ですか、、、」
「うん 細かいけれどトータルで考えたイメージさ ショーツ トランクス
半袖シャツにノースリーブ この位かな どうだろう」
「ええ そうすると私のほうではデザイン監修って事ですね」
「うん 僕が普段見につけている物だからさ それで小物まできついと
思うんだ それでOEMだったら出来るんじゃないかって」
「凄いですね」
祥子はフランス人デザイナーに話をするとニコニコして頷き神山に
「デザイナーはOKと言っています あとはモーガンに話します」
「うん 僕の方からもFAXを送るようにしますよ って言うのは
メンズの下着ってごわごわしていて ちょっとってところがあるんだ
そこでフィットする下着やTシャツ ノースリーブのシャツ
動きやすいし絶対に良いと思うんだ」
「はい 分かりました それで作っている所はしっかりした会社ですよね」
「ははは 大丈夫だよ 変な所を紹介したら僕がクビだよ」
これにはデザイナーや洋子もクスクスと笑った

神山はNNメンズの展開について祥子と確認をした
「では 商品展開は僕に一任されているわけですね」
「ええ 婦人は販売ライセンス契約をしていますから 専門店と鈴やさん
日本ではこの方法でしか販売できません しかしメンズはその契約を
していないので 何処で販売してもOKです」
「って言うのは 隣の三山百貨店でも 検討してくれているんですよ
なので 実際問題決定したらどのように動くか確認です」
「そうですね しかし神山アドバイザーが決定したら OKですよ
契約上もそうなっていますから ご安心ください」
「わかった 夢が膨らんで楽しいね」
「そうですね 私もメンズに携われるって嬉しいです」
「では 僕は販路を開拓します ははは」
「ええ お願いします」

NNの三人が丁寧にお辞儀をして部屋を出ると神山は電話をした
「あっ 神山ですが 銀座物語の吉永美由紀さんをお願いします」
「はい 暫くお待ちください」
電話の向こうで神山専務から電話という事でざわざわしていた
「はい 吉永美由紀です こんにちわ」
「神山です お疲れ様 売り上げが非常にいいので驚いています」
「ええ こちらも驚いています まだ止まらないんですよ
先ほども主任さんに横浜に行ってもらったんです」









2013年11月10日日曜日

Vol.1219 百日紅 -8-69



「ええ 両方とも38万円を考えています」
「えっ ビジネスバッグで38万円ですか はぁー」
「ええ この肌触りは シープと間違えやすいんですが 生まれたばかりの
カーフなんですよ なので高くなります」
「はぁー それで軽くて柔らかいんですね」
「ええ パリの婦人物では当たり前になっていますが メンズでは
世界で初めてだと自負しています それに特殊なオイルを
染込ませてありますから 耐久性も充分ですよ」
「そうするとカジュアルバッグも同じ価格ですか」
「ええ こちらはビジネスより多少安くて32万円です」
「両方ともですか」
「ええ そうです」

「神山さん シャツを3種類くらいに絞りたいんです 如何でしょうか」
「うーん そうだね 種類があっても売れないとね 分かります」
「それでこのシャツは 基本で 四季を通じて形を変えません
生地の成分が多少変わってくるかもしれませんが 着心地は
全然変わらない様にしますので ご安心ください」
「なるほど わかりました」
「それで このイメージでどのシャツを製品化させていくか
決めて行きたいと思うんですよ そこで着替えて頂きたいんです」
神山は5種類のシャツを順番に着て みんなに見せた
二人のフランス人デザイナーも頷いていて 神山がどうかなという
デザインのシャツは没になった
最終的に3種類のデザインシャツが残り製品化されることに決まった
「神山さん 誠に申し訳ないのですが 没の試作品は返していただきます」
「うん いいよ でもどうするの」
「ええ はさみを入れます」
「えっ 勿体無い」
「でも デザインが盗まれるとか 色々とあるんですよ パリは日本と
違いデザインの管理には非常にシビアです」
「はい わかりました」
神山は没になった2着を祥子に返した

「それで ビジネスバッグやカジュアルバッグはこのまま進めます
補充は如何しましょうか」
「ははは バッグばかり幾つあってもねぇー」
「分かりました それで年内には全ての商品がスタンバイできます」
「ありがとう そうするとジャケットの内ポケットにロゴは?」
「ふふふ 大丈夫ですよ 今回のには付いていますよ」
神山は新しいジャケットの内ポケットを見ると 確かにNNとK-Modelと
派手ではないが 格好がいいロゴが付いていた
「いいね このロゴマーク 格好いいし でも派手じゃなくて」
「ふふふ ありがとう 私が考えたの」
「へぇー うん いいよ」
「それで神山さん 誠に申し訳ないのですが このチェックリストに
記入をお願いしたいんです」
神山は祥子から受け取りみると
ジャケットについては 何月何日に何時間着たか 運動量は 天候など
日記をつけるようになっていた
「なるほど これを次年度の参考にするんですね」
「ええ そうです 申し訳ございません 夏物はもう直ぐ終わりですが
そのデーターを基にしていいものを開発させて頂きます そうそう
それで9月に秋物が着ます でも暑いから夏物でも構いませんが
秋物が届きましたら 今着ているものは全て返却をお願いしますね」
「そうだね 了解です ジーンズもかな」
「ええ 出来ればジーンズもお願いします」
「そうだね その方がデーター取れるしね 分かりました」
「バッグやシューズ ブーツについては通年ですので 半年を目安に
取替えをさせて頂きます」
「えっ ほんと 嬉しいね」
「ええ ですから雨でも履いていただきたいんです 色々なデーターが
欲しいですし それで型が崩れたりした場合は 取り替えます」
「そうだね 分かりました 大丈夫ですよ しかし最初から雨の場合は
シープは履きませんからね」
「そうですね あくまでも普段どおりでお願いします ふふふ」

神山は洋子を呼んで耳打ちをすると洋子は頷き 神山のジーンズを持ち
着替え室で神山のジーンズを履いた
「ふふふ 少しだぶだぶよ」
神山は自分のジャケットを羽織らせ バッグも持たせると洋子の横に
並んで腕を組んだ
「どうですか 僕は K-Model の婦人バージョンもありと思います」
「わぁー 素敵 分かりました 早速検討させていただきます」









2013年11月9日土曜日

Vol.1218 百日紅 -8-69



ソファーで寛ぎながら缶ビールを呑んでいると洋子に電話が入った
「やあ 洋子理事殿 誠にありがとう 助かりました」
「あっ 部長 どういたしまして どうされましたか?」
「いやいや お礼の電話ですよ 奈々子ちゃんにも伝えてください」
「はーい 分かりました」
電話を切ると奈々子に
「婦人服飾部長さんがね 応援ありがとうございましたって
お礼のお電話を頂いたわ 良かったわね」
「ふふふ やっぱね ありがとうございます 翔ちゃんも喜ぶわ」
「そうね 杉田君も大手柄ね ふふふ」
「先輩 専務 ごちでした あーあ美味しい ふふふ 失礼します」
「はーい 頑張ってね」
奈々子は缶ビールを3本も呑み嬉しそうだった
「よほど嬉しかったのかな 3本も呑んだよ 大したものだ」
「ふふふ 就業時間中にビールを認めているからのびのびしているわ
犯人はあなたと倉元部長でしょ ふふふ」
「まあね でもほんとお疲れ様でした 僕もいい汗をかいたよ ははは」

15時過ぎにニーナ・ニーナの祥子から電話があった
「やぁー こんにちわ」
「神山さん メンズのシューズやシャツ バッグが届きました
これから伺っても宜しいですか」
「うん ありがとう 大丈夫ですよ」
電話を切ると洋子に伝えた
「へぇー どんなシャツなんでしょうかね 楽しみね」
「ははは だって基本はこのスタイルだから そんなに変わらないよ
かえって期待しているとがっかりするよ」
神山はそう言うと次長席で仕事をまとめていると祥子が訪ねてきた
「やぁー ありがとうございます」
「成田から届いたばかりです」
祥子と二人のデザイナーもニコニコして神山に挨拶をした
今回は大きなダンボール箱を持って来て 開けるとジャケットや
ジーンズも入っていた
「ええ 着替えをして頂きたいので 先に頼んでいたんですが 今回は
ちゃんと送っていただきました」
「へぇー ジャケットも少し色合いが違うだけで まるっきり同じだね」
「ええ 勿論ですよ」
神山はシューズを取り出して凄く軽いので驚いた
「ええ シープなんです 欠点は雨に弱いですね なので梅雨時なんかは
避けて頂きたいです」
「そうなんだよ 今 履いているのもシープなんだけど 雨は禁物だね」
「それでデザインが多少違うのでカーフも作りました 如何ですか」
神山は少しだけデザインが違う カーフのシューズを手にすると
「うーん これは日本にはないデザインですね シンプルでいいです」
祥子はダンボールの一番下にある箱を開けるとアンクルブーツが表れた
「わぉー これは素敵だ ほんとこのデザインは最高だ ありがとう」
フランス人デザイナーは顔を見合わせ頷いた
神山は早速 そのブーツを履き次長室を歩いた
「うん 歩きやすいし 結構軽く出来ているよ ありがとう」

祥子はもう一つのダンボールを神山に渡した
「この中は シューズの色違いが入っています 見てください」
神山は全ての箱を開けると納得してOKサインをだした
今回はジャケット色違いが2着 ジーンズ色違い2本 シャツは5種類
5枚 シューズはデザイン違い各1足で3足
アンクルブーツ1デザイン2足 カジュアルバッグ2種類
ビジネスバッグ2種類
合計18点の試作品が神山の手元に来た
神山は早速 シャツやジーンズを着替え ジャケットも色違いを選び
シューズも履き替えると 今までと同じイメージだが 上品さが加わり
メンズファッション誌から飛び出てきたモデルのようだった
神山のファッションをみたデザイナー二人は神山の頬にキスをし
「凄く素敵なイメージに仕上がりました 良かったわ」
「やあ ありがとう バッグ類ですが あと大きさが多少違うものを
例えばこの大きさにワンサイズ大きいのと小さいのを揃えると 選択肢が
増えて 使うほうでも選びやすくなると思いますがどうですか」
「ええ それも考えました しかし現在よく使われている用紙サイズで
創ってみたんです B5サイズも検討しました しかし世界で最もよく
使われているサイズはA4サイズなんですよ」
「そうか なるほど そう言われればそうですね 分かりました」
神山はバッグの中を開けてみると シンプルでチャックがなく 小物を
収納する所はすべてポケット仕様になっていた
更に 中にも表皮が施されていて 見た目も綺麗だった
「凄く素敵な仕上がりですね 高いでしょ」







2013年11月8日金曜日

Vol.1217 百日紅 -8-69



「はーい」

銀座物語では単品のランファンが売れていた 開店当初は5桁や6桁の
商品が売れていたが この時間になると4桁の商品がバーゲンと
間違える勢いで売れていた
「翔 バックヤードのダンボールを片付けよう」
「そうですね 分かりました」
二人はバックヤードに入ると 空になったダンボールが山になっていた
「翔 どんどんと潰してゴミ置き場に運ぼう」
「はい しかし凄い量ですね ゴミ置き場大丈夫かな」
「駄目だったら 他の階に持って行こうよ」
二人はダンボールを潰し ある程度の量になると裏通路にあるゴミ置き場へ
運んだ 戻ると直ぐに空ダンボールが山になった
「おい翔 凄い量だな バーゲンでもこんなに出ないよな」
「ええ 7階でもこんなに出ないですよ へぇー」
ゴミ置き場でダンボールを見ると銀座物語だけではなく ルコーワや
バードのダンボールも捨てられていた

ルコーワの景山が神山を見つけ挨拶をしてきた
「顧問 こんにちわ 凄い事になっていますね ふふふ」
「やあ こんにちわ あれっ景山さんは日本橋でしょ」
「ええ お昼ごはんを食べていたら応援要請で急遽こちらです」
「へぇー ほらバードさんのダンボールも積み上げられているし
感心していた所です」
「うちも 普段の5倍も数字が行っていますよ 驚きです」
「へぇー そうするとお隣さんや日本橋さんから妬まれますね ははは」
「ええ 特に隣には妬まれますよ 半分に落ち込んでいます
ルコーワ全体では倍以上の数字です 銀座物語さんは多分3倍以上で
喜んでいますよ」
「へぇー そうか 全体で捉えるといいわけですね」
「ええ 銀座地区は4店舗 日本橋では3店舗 なので7店舗でどうか
って所ですね」
「しかし いくら片付けても ダンボールが減らないですよ ははは」
「専務さんなのに 私そんな神山さんのファンになりました ふふふ」
「まあ ほら 手が空いている時にはねぇー 自分が蒔いた事もあるし」
「吉永美由紀さんから聞きましたよ お買い物券の話し
あれだって普通では考えられないですよ それを私財を出して
前夜祭参加の全女性にプレゼントされるって 凄く素敵な考えです」
「まあ ほら 女性っていつまでも美しくってのが永遠のテーマでしょ
なので そこのところでちょっとだけお手伝いですよ」
「わぁー ますます大好きです ふふふ 今度お食事に誘ってください」
「ははは 僕はただのスケベですよ ほら綺麗なラインを見たいだけです」
「まぁー ふふふ お待ちしていますね では失礼します こ・も・ん」
景山英美子は含み笑いをしながら丁寧にお辞儀をして店内にはいった

「もう 先輩 いないと思ったらここでなにしているんですか」
「ごめんごめん ほら銀座物語のダンボールだけじゃないだろ」
「あっ言われればそうですね ルコーワやバードなども出てますね」
「うん それでね眺めていたら ルコーワの担当者とばったり会い話してた」
「へぇー そうですか」
「うん この銀座地域と日本橋をトータルで見ても普段の倍は売れている」
「へぇー 普段の倍ですか 凄い事ですね」
「うん だからいい商品を揃えるって事がいかに大事か実感したね」
「そうですね そうそう バックヤードも落ち着いてきたんで それと
今夜の事もあり僕はそろそろ戻ります」
「そうだね ありがとう」
杉田が階段を降りていくと奈々子と洋子が店内から出てきた
「やあ お疲れ様 翔は今戻ったよ」
「はーい お疲れ様でした でも凄いわね ふふふ 久しぶりの汗よ
ねぇー奈々子ちゃん」
「ほんと専務 大変でした ダンボールからショーツを出すでしょ
それで売場に運ぶと もう直ぐ次のダンボール開梱作業ですよ
ほら 引き合いの作業も特例でバックヤードで行ったでしょ
なので私たちは 引き合員になったり もう目が回りました」
「奈々子ちゃん ありがとう 池上店長も褒めていたよ そうだこのまま
ちょっと次長室まできてください」
奈々子はニコニコして頷き 額の汗を拭いながら神山の後を歩いた

「はい ご褒美だよ ありがとう これからも頼むね」
500万円を受け取った奈々子はニコニコしてお辞儀をした
神山は奈々子の額にキスをすると 真っ赤な顔になり
「せ 専務 ありがとうございます キスまで頂 光栄です」
「ははは キスの事は内緒にしてね」
神山は洋子にビールを出すよう指示すると 頷き用意した








2013年11月7日木曜日

Vol.1216 百日紅 -8-69



なにしろ生カキや大トロをどうやって食べるんだろうって」
「そうよね 私もどうしたらいいか考えていたわ でも結果OKね」
「うん よかった さあ 食べよう しかし最初から100万円かな」
「多分そのつもりだったんじゃないの だって40名でしょ
あなたの事を考えれば1万円のおつまみだと失礼になると考え
それで100万円にしたんじゃないの だから普段口にしないような
高額のおつまみになったのよ」
「ははは そうだね ねえ あとで奈々子ちゃんに100万円あげるか」
「ふふふ そうね 安いわよ 300万円あげれば 喜ぶわよ」
「しかし しっかりしているな 翔もよかったな ははは」

昼食を終え次長室に戻ると電話が入った
「はい 神山です」
「やあ やっと捕まった 大変だよ山ちゃん」
「どうされたんですか」
「いやぁー 銀座物語がさ 凄い売り上げで 売場はてんてこ舞いさ」
「はぁー」
「それで人事に応援を頼んで バックヤードから品だしとか 包装とか
なにしろてんてこ舞いさ ありがとう」
「えっ そんなに売れているんですか」
「うん 可笑しなものだね この時間になると現金のお客ばかりだよ
例のNNと一緒の現象で 客が客を呼んでいるよ」
「へぇー 凄いですね」
「バックヤードも商品が危ないのでうちの主任が横浜に取りに行っている」
「はぁー」
「13時現在で 2000万円だよ 驚きだよ」
「えっ 2000万円ですか 凄い」
「ははは 女の子が食事もいけない状態で 嬉しい悲鳴さ」
「人事には話されたんですか」
「ははは 人事でももう人がいなくて よその売場から応援部隊を
呼んで手伝ってもらっている」
「はぁー 当りましたね」
「ははは 大当たりだよ 吉永美由紀さんも大喜びだよ」
「そうですね よかった」
「いやぁー 山ちゃんありがとう 助かるよ」
「まあ 1週間か少し様子見ですね」
「うん 彼女の努力も凄いがお客がお客を呼ぶって凄い現象だね
改めて実感しました」
「そうですね NNの上原もずっと右肩あがりですよ」
「うん やはり多少高くても喜ばれる商品を揃えないといけないね」
「そうそう 紳士もその方向で動き始めますよ ありがとうございます」
「ああ 聞いたよ さすがって褒めていたよ よかった
これで少しは山ちゃんに恩返しが出来たかな ははは」
「ははは ありがとうございます 頑張ってくださいね では」
電話を切ると杉田に電話をした
「やあ お疲れ」
「あっ 先輩」
「ところで3Fの銀座物語が凄い売り上げで 嬉しい悲鳴をあげてる
そこで記念写真を残しておきなさい ほら吉永美由紀さんと背景とか
仕事中だからポーズをとってもらわなくていいけどね」
「へぇー そんなに凄い事になっているんですか」
「うん そうだ翔一人だと 行き辛いからさ奈々子ちゃんと行って
お手伝いをしてくれば良いよ 主任が横浜まで商品を取りに行っている」
「えっ っていうとNNの第2弾ですね はい奈々子と早速いきます」 
「じゃ 頼んだよ 火曜日だし時間が許す限り」
「はい 分かりました」

「まぁー 杉田君を応援隊で行かせたのね ふふふ」
「奈々子ちゃんも一緒だよ これで翔の株が上がるよ うん」
「ふふふ あなたが行くとお仕事にならないものね きょろきょろして」
「おいおい まあ お仕事どころじゃないよ 駄目だあそこは」
「ふふふ ところで2000万円ってなぁに」
「うん 銀座物語の13時現在の売り上げだって」
「えっ そんなに凄い数字なの」
「うん それで今は現金のお客ばかりだってさ」
「やっぱりいい商品を揃えると お客がお客を呼ぶのね へぇー」
「だから食事にいけない子がいるんだって それでよその売場から
応援隊をよんで手伝ってもらっているんだって」
「はぁー 凄いわね」
「うん それを考えたら 奈々子ちゃんに感謝だね ほんと」
「でしょ よかったじゃない ふふふ」
「うん 500万円にしよう」
「あらあら どうしたの ふふふ」
「洋子 ちょっとだけ覗きに行こう」









2013年11月6日水曜日

Vol.1215 百日紅 -8-69



「えっ なんで知っているの」
「ええ 奈々子ちゃん じゃない奈々子部長が来られましてね
最高級の鰻の蒲焼をおつまみにって 注文されて行ったんですよ
それから生湯葉も頼まれていきました」
「はぁー 鰻の蒲焼を注文、、、お願いしますね」
「ふふふ 専務 いい秘書さんですね ほんと羨ましいわ ねぇー洋子さん」
「ねっ そういう事でしょ」
「神山さん いつものコースで宜しいですか お元気が無いみたいですが」
「あっ はい お願いしますね」
仲居が襖を閉めると洋子が
「専務 元気を出して ふふふ 結果OKじゃない」
「そうだね うん 少し判り掛けてきたよ」
神山は「形」だけで考えていたが 奈々子は「心」と「功名心」で考えてくれた
そこのギャップが少し見えてきたと感じた
銀座物語のあの売り上げも 女性特有の「見栄」だけではなく 自分を
愛してくれる男性に対し「心」を込めて見てもらいたい気持ちなのかと考えた
しかし女性の考えている事は非常に分かりづらいとも思った
生ビールとおつまみが運ばれてきても神山は元気がなかった
「ねえ あなた乾杯は」
「おぉー 乾杯」
「ふふふ ショックからまだ立ち直れないのね」
「しかし 昨日も奈々子ちゃん 今日も奈々子ちゃんだ 参ったぁー
奈々子ちゃんが秘書でなくて良かった ははは あーあ」
「こらっ 奈々子ちゃんに悪いわよ あなたの為に考えて行動してくれて
それを何をいうの もう 謝りなさい もう 彼女に失礼よ」
「はーい 分かりました ごめんなさい」

店長の池上から洋子の携帯に電話が入った
「はい こんにちわ 田所ですが」
「いやぁー お食事中に申し訳ないが 山ちゃんは一緒かな」
「はい 替わりましょうか」
「いやいや 奈々子ちゃんが婦人肌着の売り上げで色々と動いてくれて
ほんとありがたいよ これも洋子さんの教育がしっかりしているからだね」
「えっ あのぉー、、、」
「おぉ 知らないのか 今夜は売場の売り上げが記録的な数字で出来ると
予想して お祝い会を開くだろ」
「はい それは神山が指示をしましたが、、、」
「それで場所はレストランで行うんだよ この手配も素晴らしいね
それと 当然わしも軍資金を使って差し入れを考えるが 奈々子ちゃんは
先にわしの所に来て 飲物をお願いしますって こう来た訳さ
ははは ほんと驚いたが 考えてみればその方が合理的だしな
ワシは飲物を差し入れる事にした いやぁー大したものだ」
「はぁー 閉店後のレストランを使うんですか」
「うん 大したものだ 山ちゃんが100万円分のお料理を差し入れると
売場では食べられないだろ なのでゆっくり座って食べられるとしたら
まさか従業員食堂では折角のお料理も色を無くすと そう考え
食品施設部長と話をして 貸してもらう事にしたそうだ」
「はぁー はい、、、」
「ワシに飲物提供も大したものだよ ははは 洋子さん頼もしい秘書が
すくすくと成長しているな ほんとありがたい事だ そうそう
山ちゃんの考えも気に入った ありがとうって伝えてください」
「はい 失礼します」
「だれ 今の?」
「池上店長よ」
「どうしたの?」
「うん 奈々子ちゃんをべた褒めしていたわ ねえ今夜の件だけれど
レストランで行うって指示をしたの?」
「いいや そんな支持はしていないよ なんで」
「いえね 奈々子ちゃんが食品施設部長に相談をしてレストランを貸切で
貸してもらうんだって 100万円のお料理を売場では食べられないし
従業員食堂では如何なものかって」
「えっ レストランでお祝い会、、、」
「まだあるの 店長の所に話しに言って 飲物の差し入れを話したそうよ
ほらあなたが食べ物でしょ だからでしょ 大喜びで褒めていたわ
私の教育がいいのとあなたの考えが嬉しいって」
「はぁー 洋子の教育 僕の考え、、、」
「ふふふ よかったじゃない ねっ」

「奈々子ちゃんも 私やあなたがいるから思い切って動けるのよ
基をただしていけば あなたがしっかりしたお仕事をしているからでしょ」
「はぁー そうなんだぁー」
「そうよ 私だってあなたがいるからのびのびとお仕事できるし
もう 池上さん大変な喜びようだったわ ふふふ」
「わかった でも良かった うん いやぁー場所を心配していたんだ











2013年11月5日火曜日

Vol.1214 百日紅 -8-69



「へぇー そうすると元祖カーキチってことか へぇー」
「もう 今日はウキウキしていたのに凹んだわ もう 嫌ねぇー」
「ははは 親孝行だと割り切っているんだろ」
「それはお話を聞くときのことよ このように行動されると 大変よ
あなたの事も心配だし 母親も心配だし あーあ 大変だわ」
「洋子 それでね 銀座物語 凄い売り上げで驚いているよ」
神山は開店時のことから11時までの話を伝えると
「ふふふ うちは嬉しいけれど 山脇さんの所はがっかりね」
「うん その事を婦人部長に話したんだよ まあ仕方がないね だって」
「そうよ 弱肉強食よ 仕方がないわ これから伸ばしてほしいわね」
「それでね奈々子ちゃんにGC50万渡して 今夜のご褒美を頼んだよ」
「あっ そうか ごめんなさい」
「うん いいよ 奈々子ちゃんもしっかりメモしていたよ
そうそう 紳士で少し動きが出るよ」
ライセンスPB撤退の事も掻い摘んで話をすると
「そうね いつまでも安売りばかりに目が行っているから伸びないのよね
ここであなたが言うように 高額商品を展開すれば 客層が変わるわよ」
「そう願っているよ 第2のNNをね」
「そうね でも待ちどおしいわね 早くメンズを展開したいわ ふふふ」
「うん でもこのモデルはこれでOKなんだから GOLより早く
展開しても怒られないと思うけれどね」
「そうしたらモーガン氏に聞いてみれば FAXしますよ」
「そうだね 少し保留 覚えておいてね」
「はーい」

暫くして奈々子が次長室にきた
「わぁー先輩 こんにちわ」
「ご苦労様 ありがとう ふふふ」
「いえいえ 専務のお使いでしたら 喜んで伺いますよ」
「おぉー 奈々子ちゃん ありがとう」
「それで専務 缶ビールを人数掛ける4で7ケース オードブルは
和洋中で各50人前ずつで少し足りなかったので出しておきました」
「えっ 50人もいたっけ」
「もう 手伝い店員さんを入れないと可哀相ですよ」
「あっ そうか そうすると40名になるんだ ゴメンゴメン
でどの位不足したの」
「ええ 50万円ほどです」
「えっ 50万円も不足 わかった しかし凄いものを頼んだね」
神山は独り言をいいながら100万円分のGCを奈々子に渡した
「ありがとうございます だって専務 専務のご馳走でしょ」
「うん そうだよ」
「だったらその名に恥じないお料理をお届けしないといけないでしょ」
「そうか うん ありがとう うん そうだね」
「ふふふ なので和食でも 最高級のお料理でしょ 生湯葉や生カキ
色々と美味しいものを注文しましたよ そうそう 聞いたらふぐが
入っていたので ふぐ刺しも注文したんです 驚いていましたけどね」
「はぁー 生カキにふぐ はぁー 凄いね」
「ええ 鮮魚ではあと最高級のマグロの大トロとか ふふふ」
「大トロですか はぁー 洋子 世界が違うよ あーあ」
「奈々子ちゃん ありがとう ふふふ 神山は初めての事だから
パニ食っているのよ 我慢してね」
「大丈夫ですよ 翔ちゃんと一緒だもん へへへ」
「じゃ この100万お渡しするわ ありがとう またお願いね」
「はーい では失礼します」
奈々子はニコニコして次長室を後にした

「しかし 生カキや大トロ ふぐ刺しだって 大丈夫かな売場は」
「ふふふ 私から電話をしておきますね」
「うん 驚くよきっと 幾らなんでも 専務と言ってもね」
「でもいいじゃない それで売場の女の子が張り切るんでしょ」
「うん そうだね 参ったなー しかし また言われるよ とほほ」
「こらっ 奈々子ちゃんが可哀相でしょ そんな事いって もう
私でも同じ事していると思うわ 憧れの人からお使いを頼まれ
それも普通じゃない金額を渡されれば 考えるでしょ
そこまで計算するわよ 彼女だってそうして選んだのよ もう」
「ごめんごめん そうだね ありがたい事です」
神山は意気消沈し頭を抱えてしまった
「今後 専務賞は無しにしようかなぁー」
「まぁー それが励みになれば 安い事じゃない もう ケチねぇー」
「おいおい 分かりました あーあ 大変だ」
神山はロレックスを覗くと12時を過ぎていたので洋子をお昼に誘った

レストランの鰻屋に行くと仲居が
「専務 凄いですね 今度私たちも売り上げが良かったらお願いします」










2013年11月4日月曜日

Vol.1213 百日紅 -8-69




「でもあそこはうちのプライベートブランドじゃないですか」
「うん あれはライセンスでそろそろ打ち切ろうと思っているんだ」
「うーん NY直輸入だけで展開ですか」
「うん その方がブランドが生きるしね 直輸入を見ているお客が
日本製を見てそちらに変えたりして 向こうの数字が悪いんだ」
「はぁー そうすると日本製が無くなると顧客が減りませんか」
「うん そこは大丈夫だよ 売場の販売員に聞いても 結局 日本製が
安いのでそちらを購入していると言っていた」
「ファンは定着しているわけですね」
「うん そう見て良いだろう ケアも充分に行っているしね」
「では 無くすのはいつからですか」
「うん まずは半分を今夜撤退で 段階を経て来年は全面撤退と考えているよ」
「そうしたら 秋物展開の時に益率がよく回転するブランドに切り替えたら
如何ですか 取り扱いは何処ですか」
「うん 山田紳士服なんだ ほら7階の紳士服バーゲンがあるでしょ
その時に強力な商品を持って来てくれるんだよ」
「はぁー でもライセンスは山田紳士服が縫製してないでしょ」
「うん 工場は別会社だよ そうだね 課長に話しておくよ」
「ええ 9月の初めから美味しいブランドで展開した方が正解ですよ」
「うん そうしよう それで来春にNNメンズを発表だね」
「ええ お願いします 僕もブランドを探しますよ」
「ははは 山ちゃん 乗り気ですね」
神山はNN東京支店のアドバイザーになった経緯を簡単に説明すると
「えっ 凄いですね へぇー もう山ちゃんって呼べないです」
「なので 三山さんも検討していますよ」
「だってニーナ・ニーナって鈴やだろ 大丈夫なの?」
「NNの販売ライセンスは婦人服なんですよ メンズに関しては
僕に一任されています なので全然平気ですよ」
「へぇー そうすると力を入れて販売しないと 無くなる可能性もありか」
「ええ 大げさに言うとそうですね 回転しないところには 置くつもりは
全然無し 例えば地方でメインで展開という事なら 置くつもりです」
「はぁー 凄い地位だね もう神山様って呼ばないと駄目だね
ここでもトップ3でしょ どんどんと雲の上の人だもの」
「ははは では大至急お願いしますね」

神山と杉田は紳士服売場を離れると奈々子が
「ねえ もう一度銀座物語に行ってみませんか」
三人は3Fの婦人肌着売場に行くと カウンターに行列が出来ているので
驚いて見ていた
「しかし凄いね どうなっているの」
「ほんと お店の女の子が2人増えていますね」
行列といっても10人とか20人といった派手な行列ではないが
常に3にんから5人が並び 試着室は10ある部屋が満室状態だった
婦人服部長が神山に近寄り
「山ちゃん 11時現在で1千万円突破だよ どうなっているの」
「えっ 1時間で1千万円ですか はぁー」
「凄いわね きっと相乗効果で今日は記録的な売り上げになるわね」
「奈々子ちゃん 缶ビールをお届けしよう 大変だ」
「うん 山ちゃんお待ちしています」
「はーい では失礼します」

次長室に戻ると引き出しからGC50万円分だし奈々子に
「ねえ これでさ 缶ビールとオードブルをお願いします 本当は
洋子に頼まなければいけないんだが お願いします」
「はーい 大丈夫 対象人数は婦人肌着売場だけでいいですか」
「うん そうしようよ それ以上は店長の仕事だよ ははは」
「りょうかーい わかりましたぁー 行ってきますね」
神山はひも付きの顧客であっても 割り切って考えれば 鈴やの
売り上げになるし良しと考えていた
(山脇さん ごめんね しかし凄い人気だな 女ってそんなに
 体型を気にするものなのかな 不思議なものだ)
神山は付き合っている女性のプロポーションが抜群に良いので
体形を綺麗に見せる肌着にお金を掛ける女性の心理が分からなかった
(しかし祐子が言っていた様に プールに通い体形維持って言っていたな)
暫くすると洋子が出勤をしてきた
「あれっ 早いね」
「おはようございます もう 大変よ 聞いて」
洋子の話は 納車が済むと洋子が確認のため 町内を母親を同乗させ
1週すると 凄く気に入った様子で 自分で運転し始め なかなか
帰宅しないので家で待っていると携帯電話で横浜に来ていると連絡があり
あなたは早く出勤しなさいと言われたと神山に伝えた
「おいおい 大丈夫かよ」
「だってさぁ 家にいてもしょうがないでしょ 何かあったら携帯だし」









2013年11月3日日曜日

Vol.1212 百日紅 -8-69



8月11日 火曜日 晴れ
神山は朝早く出勤をして仕事に集中した
祐子が生理の為 ここのところ早く寝る日が多く 朝は早起きをしている
10時の開店時間近くになると3F婦人肌着売場の銀座物語に出向いた
「神山顧問 おはようございます」
ニコニコと迎えてくれたのは 吉永美由紀販売担当専務だった
「やあ 今日からですね 素敵なコーナーが出来てよかった」
昨夜は杉田と屋敷が残業をして柱巻きの飾り付け ポスターやPOPの
飾り付けをし なんとか見られるコーナーになった
杉田と奈々子 屋敷も来ていて神山に挨拶をした
婦人服部長が神山に
「山ちゃん 吉永さん張り切っているよ ほんと頑張りやさんだね」
「ええ 昨日 お父さんにお会いしたんですが そう話していました
でも いいですね 何か活性剤のようで」
「ははは 隣のルコーワやバードが驚いていたよ」
「そうでしょ 隣の三山でも面積効率が良いですからね」
「そうだな これでルコーワやバードも力を入れてくれると思うよ」
「ええ 切磋琢磨しないと そのままですからね」
「そうそう それで紳士服飾部長にNNメンズの話をしたんだ そうしたら
凄い乗り気で 是非とも1等地で展開したいと話していたよ」
「わぁー ありがとうございます でも なぜご存知なんですか」
「ははは それはNNから話は入ってくるよ ほら山ちゃんが素敵な
ジャケットで店内を歩いているだろ たまたまだけどね NNの
久保チーフと話す機会があって その事を本人から聞いたんだ」
「あー なるほど まだ試作品ですから 知っている人はごく一部です」
「いつもお世話になっているからさ 紳士服飾部長に会うといいよ」
「そうですね ありがとうございます」
神山はお辞儀をすると部長が
「山ちゃん 専務が部長にお辞儀をしたら可笑しいよ ははは」
「ははは はい」
神山は婦人肌着の売場なのでなるべく早く脱出し杉田に任せたかったが
開店時の客導線も観察したく残っていた

10時の開店メロディーが流れると 従業員は一斉にお辞儀をして
お客を迎えた
エレベーターやエスカレーターを利用し 婦人肌着売場で最初に
目に入るのが銀座物語コーナーだった
15分ほど見ていたが お客が付いていて売り上げに繋がっていた
よく観察していると 銀座物語お買い物券と現金を払う客が多かった
「部長 快調ですね でも現金だけではなく お買い物券利用が
多いように見受けられますが」
「うん 彼女からの提案で 今月一杯はお買い物券を持参されたお客様は
店頭の商品を1割引にするそうだよ 場合によっては2割まで引くそうだ」
「わぁー そうしたら三山はたまったもんじゃないですね」
「ははは まあね しかし新規オープンだから仕方がないかな」
「しかし凄い勢いですね 1万円札ばかりですよ」
「うん 確かに これだと今日の売り上げが楽しみだね」
「そうですね 確かに 例のNNの事もありますし」
「うん また店長からご褒美かな」
「ははは 分かりました 後ほどビールをお持ちします 今夜は精々
浴びるほど呑んでください」
「ははは お待ちしています」

神山は杉田と売場を離れると 紳士服飾部長に会いに行った
「やあ山ちゃん おはようございます」
「部長 聞きました これがそのNNのジャケットとジーンズです」
「ほぉー 素晴らしい 綺麗な仕上がりですね ラインも美しいよ」
神山は脱いで部長に手渡すと
「わぁー 軽いね なるほど 凄くいい商品です 山ちゃん是非これを
1等地で展開させてください お願いします」
「はい そうそう この他にシャツやシューズ バッグなどトータルで
展開する事になりますよ 大丈夫ですか」
「勿論だよ 大丈夫さ」
「仕入れの時に類番を一緒にして頂かないと 取り扱い売場がバラバラで
訴求力が落ちます そこをお願いします」
「うん 約束するよ 大丈夫です しかし上品な輝きですね もしかして
この軽さや輝きですが シルクですか」
「さすがですね ええ シルクが入っています」
「綺麗だ うーん で幾らなの」
「正式ではないですが45万円です」
「うーん さすがNNの商品ですね 勿論パリでしょ」
「ええ 先日空輸されてきたばかりです ははは」
「羨ましい ほんと それで場所はあそこの角地 いい場所だよ」
「そうですね 中央階段の目の前だしエレベーターからも見えるし」











2013年11月2日土曜日

Vol.1211 百日紅 -7-68



「うん 18日の3時までね OK そうしたらさ関係している所に
FAXとか郵送をしてくれるかな」
「時間があるから 郵送しましょうか」
「うん 任せるよ 早いほうが良いけれどね」
「はーい 了解しました でもこうやってみると 誰が優勝しても
可笑しくはないわね」
「うーん 今回は本当に難しいよ 誰が来てもOKだよ 僕はきついや」
「でも60台を出せば勝機はあるでしょ ふふふ」
「うーん でもね 9番と18番で風が無ければパーは確実だけど
風が少しでもあると ボギーを覚悟しないといけないしね うーん
今回はアイアンショットがキーポイントになってくるね ほら
レディースティーだと距離が比較的短いでしょ まあその分攻略性は
あるけれどね だからピンポイントで置いてこられると 男性は
難しいし 女性がそこに置いて来たら勝ちだね それとね 平日でしょ
ピンの位置が難しいよ パターが上手に決まった人だね ほんと
あーあ 僕はパターが上手じゃないしなぁー 参ったぁー」

神山は次長席でコンペや前夜祭の準備をしていると時間になり洋子が
「あなた そろそろ時間ですよ」
「あっ もうそんな時間なんだ じゃ一旦スタジオに戻ってホテルだね」
二人は神山の運転でスタジオに戻ると 祐子がお出掛けの格好で待っていた
「お帰りなさい 洋子さんこんばんわ」
「こんばんわ」
神山は2Fの主賓室で着替えると 祐子が呼んだタクシーでホテルに向った
「では モテリコで買い物をしよう」
三人は3Fのブティックモテリコに入った
今回も1位から3位が3人来てもいいように 1位の700万円を1個
2位3位は各2つ買う事にした
店長が
「700万 300万 200万円の商品ですが 全て30%引かせて
頂きます 如何でしょうか」
「ええ お願いします」
店長は電卓を使い計算し
「1700万円を1190万円でございます」
神山はギフトカードを1200万円だすとキャッシャーで数え
「確かに1200万円です 10万円のお釣りです」
包装紙には中身が分かるように付箋をつけて貰い 店を後にした
神山は祐子と洋子が2700万円のダイヤの指輪を見ていたのを
見逃さなかった
洋子の目は爛々と輝き 快楽を迎えるときの表情にも似ていた

「さあ 何を食べるのかな? 祐子」
「ねえ あそこの串揚げやさんってまだ入った事ないし 串揚げー」
「私も 串揚げがいいわ ねぇ祐子さん 週刊誌にも取り上げられているし」
「ふふふ そうなんですよ プールの後に本屋で立ち読みしてたら
目に入り 今度はここって決めていたんです 造りや眺めが素敵ですよ」
「そうか 女性に人気があるって良い事だよね じゃ決定」
三人は串揚げ屋に入ると時間で混んでいたが たまたま窓際のテーブルの
お客が出る所で そこに案内してもらう事にした
ウエイトレスが先客の片づけをしている時にメニューを見ていた
神山の提案でコースにお好みを追加で食べる事にし ウエイトレスに
「このコースでご飯とお吸い物は最後で まず生ビールを3つお願い」
「はい 畏まりました」
土地柄か串揚げ屋というイメージではなく レストランの感が強かった
サラリーマンやカップル 特に女性同士で来ているのが目立った
最初にサラダと生ビール コース最初の3種類6本が運ばれ
タレも自分好みで作る事が出来 楽しく食べる事が出来た
コースは12種類20本で レンコンを使った揚げ物が美味しく
追加をしたり メニューから選び追加をした
ワインもハーフボトルを置いていて ライトボディーだが美味しかった 
「わぁー 美味しいわ うん 渋谷より美味しいかも ねえ神山さん」
「うん なんだろう 油が違うのかな それとも粉かな 美味しいよ」
「そうね もしかしてゴマ油が少し入っているんじゃないの」
「あーあ そうか 言われると納得 でもお肉の方はまた違うよ
そうだ もしかしてオリーブオイルかもね」
「えっ だって高いわよ」
「うん メニューを見ても分かるけれど ほんと少し高いだけで
もともと安く設定してあるから 高く感じないんだよ」
「そうね 言われると オリーブオイルかも知れないわね ふふふ」
「でも 美味しいよ 女性客に人気って分かるな これでさ コースで
5千円だったら来ないよ お昼はもっと安いだろうね」
「ええ 10種類14本で1000円ですよ 安すぎですよ それで
サラダ ご飯 お味噌汁 お代わり自由ですよ」
「へぇー 凄く安いね 大丈夫かね」 
「ふふふ その分 夜で稼いでいるんでしょ」
「ははは そうだね ワインとか日本酒で利益を上げているんだね」
「ふふふ そうね このワインだったら これは高いわね」
「おぉー洋子 分かる?」
「ええ あなたに色々と教えて頂いていますから ふふふ」
「洋子さん お幾らぐらいなの これって」
「そうね ハーフでしょ 500円でも高いかしら」
「えっ って事は半分利益なんだぁー」
「まあ そんな所だよ だからどんどん呑んで 売り上げに協力さ」
「ふふふ でも安い割には美味しいわよね ねえ神山さん」
「うん 変な癖が無くて 若いけれど美味しいよ」
三人は銀座の夜景を見ながら楽しく会食をした









2013年11月1日金曜日

Vol.1210 百日紅 -7-68



☆☆☆ 氏名の後ろの数字 女性はHC 男性は申告スコア
    男性はHCゼロです お間違えのないようお願いします

特別  1、全てのホール 女性はレディースティーを使用
ルール 2、ドラコンホールについて
      男性と女性に分けて計測する  男女別々の景品とする
      該当ホールでマーカーが無い場合は男女共次の該当ホールに
      持ち越しとする
      最終該当ホールについて男性にマーカーが無い場合は
      女性に男性景品が上乗せ
      逆に女性マーカーが無い場合は男性に女性景品が上乗せとする
    3、ニアピンホールについて
      女性だけのルール:ニアピンホールでは2打目でグリーンに
      オンしたボールも有効でニアピン対象とします 

「うん いいじゃないですか ありがとう これと出走表ね」
「はーい ちょっと待っていてね」

  どんどん投票してください 一口500円
  1位と2位の枠を予想してください 連勝複式です
  選んだ2枠の中からから1位と2位が出れば 払い戻しゲット


1枠 ◎引田泰子 M  0 正確なアイアンショット 勝機あり  
   ○田所洋子 M 10 普段の調子なら優勝もあり
   ○加藤武雄 M  0 スーパーショット健在 爆発すれば優勝
   △アレックスJr 0 飛ばしや 真っ直ぐ飛ばせるかが鍵
      
2枠 ◎景山英美子M  0 クラブHC4活かせるか 勝機あり
   ○桜川亜矢子M 10 ショットの安定抜群 優勝に届くか
   ○カトリアーナ 13 調子よさそう 若さで勝負    
    内野誠二    0 ご成婚間近 池ポチャ克服したか?

3枠 注庄司由紀枝  15 連覇成るか HC2つ減が痛い
   ▲内藤真奈美  15 真剣勝負に強い 発揮すれば優勝かも 
    高橋孝一  M 0 先輩の意地を見せられるか?果たして
    村上源一郎   0 北陸から参戦 空気があえば勝機あり

4枠 注靑山祐子   15 連覇成るか HC2つ減が痛い
   注小谷美佳   16 ご成婚間近 挙式に花を添えられるか
    田中幸三    0 ドライバーが曲がらなければ届くか?
    筒井健一    0 久々のコース 思い出せば2位に入るか

5枠 X篠原涼子   16 ご成婚間近 挙式に花を添えられるか     
   注吉永美由紀M 17 頑張りやさん 笑顔で優勝もあり
   注ナタリー   20 久しぶりのコース 真っ直ぐ飛べば或いは
   X時田清三郎   0 普段のペースで廻れれば勝機あり
   X田宮浩二    0 調子は絶好調 どこまで伸ばせるか

6枠 ▲椿純子  M 15 どこまでマイペースで出来るか 勝機あり
   △安田桃子   18 アイアンショットの復活なるか 
   注眞鍋香織 M 19 実力は充分ありショットが安定すれば優勝
    田代純一 M  0 気分は最高 どこまで伸ばせるか 
    神山龍巳    0 調子まあまあ しかしキツイHC 届くか
         
7枠 注浮田慶子 M 17 1ヶ月ぶりのコース 意地を見せられるか     
   ▲田宮里香 M 17 実力者 ご主人よりも上手とか?
   注安井奈々子M 18 普段の調子を出せれば優勝も近い 
   ○内藤一哉    0 仕事は快調 ゴルフも快調 勝機あり
   △ジャック M  0 飛ばしすぎに注意 パットがキー

8枠 △浜野由貴 M 18 前回1打差に泣いた悔しさ 届くか 
   注村上妙子 M 18 実力十二分にあり どこに潜むそのパワー
   X安堂真由美M 19 力まなければ充分届く優勝 果たして?
    杉田翔  M  0 ご成婚間近 奥様より上にいけるか???
    大森和一 M  0 手堅くパーを拾えるか そこがキー

尚 予想は独断と偏見でつけました
  (本人からのご意見も参考にしています)
  投票は都合により18日15時までとさせて頂きます 
  氏名後ろMマークの方が最終回収者とします

「はい 出来上がりました」