少量づつ色々種類があると それだけで楽しい気分になれた
神山はなるたけ仕事の話はしないつもりだが
今日は少しだけ違った 杉田の失敗談や
アルタの配車など話していると
「あなた 疲れているのね 普段そんな話しないのに」
「そうか 疲れているのかな~ そんな事無いよ
ところでご夫人のプレゼントだけど なにかあった?」
「ええ 色々と考えたの だけど彼女デザイナーでしょ」
「うん まあファッションではないけどね」
「そうね だから難しいわ ニーナ・ニーナの商品だと」
「なんで?」
「うん もっと レベルの高いブランドよ
だってロレックス2つよ」
「そうか 例えばシャネルとか 超有名ブランドかぁ~」
「そうね ニーナ・ニーナもパリに行けば大変有名よ
だけど日本では まだまだマイナーだし、、、」
「そうだよね 僕なりに探してみるよ」
「ええ 私も気が付いたら電話するわ」
神山と祥子は箸が進み おなか一杯にし店を出たら22時だった
美味しい中華を堪能した二人には まだ時間があった
祥子が
「ねぇ 久しぶりにカラオケ行かない?」
「そうだね 行こう」
二人はホテル近くにある カラオケBOXに入った
若い女の子は丈の短いYシャツでおへそ丸出しで歩いていた
夜になるとまだ肌寒いのに 見ていると自分が寒くなってくる
男の子はさすが半ズボンの格好は居ないが
それでも真夏と間違える ファッションをしていた
会社帰りの二人連れは少なくないが
肩を寄せ合い男性がリードして
女性は甘えるように肩に寄りかかって歩いていた
4月22日 水曜日 15時 ◎
「神山さん 着きましたよ 熱海駅ですよ」
神山はどこからか聞こえてくる声で起きた
「やあ すみません 気がつかなかった ありがとうございます」
「いえいえ まだ 3時前ですが大丈夫ですか?」
「ああ ありがとうございます」
「それは良かったです」
「それより 26日のゴルフはすみませんね」
「いえいえ 全然気にしていませんから ほんとうに
アウトレットが始まれば いつでも出来るでしょう
それより 神山さんは 御殿場までどうやって来ますか?」
「そうだよね 毎回 田代さんとはいかないだろうし、、、」
「そうですよね 私も都合よく上原に行かれれば良いんですけどね」
「まあ その時はその時さ 兎にも角にもありがとうございました
それと24日の什器ですが お願いしますね」
「はい 了解です あっ これ私の携帯番号です」
「はい わかりました では」
神山は田代の車を降りると手を振って見送った
田代は取引先に向かうのでここで別れた
(さて 時間が出来たな さてどうしたものか
余りうろうろしてネコに見つかっても ややこしいし)
亜矢子から1時間位遅れると連絡を受けたものの
待ち時間が中途半端で動けなかった
居酒屋は開いているが 呑みすぎると夕飯の時美味しくないし
色々と考えた末 駅公舎にある喫茶店に入った
外の景色がよく見えるところで コーヒーを啜った
よく見てみると ロータリーになっているタクシー乗り場には
水曜日なのに家族連れとか若いカップルが目に付いた
小さい女の子が父親にぶら下がったり 男の子は母親に
キオスクを指差しなにかねだっている様子だ
もっと年寄りが多いと思っていたので意外な発見だった
魚屋の若者が大声をあげて客引きをしているが
なかなか寄り付かないで 知っている人は
熱海でも別なところで買っていそうだった
コーヒーも2杯飲むと3杯は飲めなかった
窓の外にデパートが正面にあるのでそこに行くことにした
地方のデパートと言っても地域一番店らしく
品揃えもしっかりしていたが 単価は安く設定されていて
結構集客はあり賑わっていた
女性客が殆どで 男性が店内をうろうろしていると変に
思われそうなので エスカレーターで屋上にでた
.