2011年2月25日金曜日

Vol.230 青葉 -4-18


祥子はお金を受け取ると包装しようとしたが 神山は
「直ぐに使うからこのままでいいよ」
神山は値札やタッグを取って貰い
ポケットに入れてあったお札を入れた
折りたたんだ時のしわが出ないし シンプルで気に入った
「ご無沙汰しています」
浜野由貴が近寄り話し掛けてきた
「どうですか 仕事は?」
「ええ 先日社長から注意を受け 謙虚に進んでいます」
浜野は神山が全てを知っていると思いあっけらかんと話した
「うん 会社の販売戦略は必要だからね」
あたりさわりないよう 伝えた
「神山部長 久保さん素敵なバンドルされているのご存知?」
「ああ さっきちょっこと見たけど それがなにか」
「私も ほしいな~と思っているの」
浜野は財布にしまったお札を見ていたのか 甘えてきた
「君だって 魅力的だよ 買ってくれる人いるんだろ」
「ぜんぜん だから神山部長に頼もうかなっ~」
「はいはい 浜野さん お仕事お仕事よ」
祥子は浜野が仕事以外の話をしているので注意した
「ねぇ 内藤夫人になにかプレゼントしたいんだけど、、、」
「そうね ロレックスを2つも頂いたしね」
「今すぐでなくて良いけど 一応頭に入れておいて下さい」
「は~い 電話ください」
神山は頷き 店を出てから直ぐに電話した
「久保です」
「ああ 僕だけど」
「昨夜はありがとうございます
今夜お礼がしたいのですがお時間は?」
「ああ 上原の現場で待っています 大体7時には居ます」
「はい かしこまりました では失礼します」
神山は傍に誰かいて私語が話せなかったんだと思った
部屋に戻ると 杉田に買ったばかりの札入れを見せた
「先輩 かっこいいですよ シンプルで柔らかくて」
そう言いながら表側をじろじろと見回したが 
どこのブランドか分らず
「どこのブランドですか?」
「店内で売っているよ」
そう言って 残っている仕事を精力的にこなして
「翔 お中元のデザインはどこまで進んでいる?」
「ええ 一応先輩からFAXしてもらったのと コレです」
神山は自分のデザインを上手に利用してデザインされているので
「よしOK あと残っていないか」
「ええ 制作する物は全てOKです」
「そうすると1階メインのフラッグだけだな」
「そうですね」
「造花のサンプルとか 刷り物の色出しはどうなっている?」
「ええ 垂れ幕やPOP関係はOKです 先日工場で確認しました
あと造花が綺麗な緑が無くて探しています」
「うんそうなんだよ オレも苦労したよ 確か浅草に
1件取り扱っているところが合ったけど 
今も輸入しているかどうか?」
神山は早速電話した
お店は大きいので潰れていないと思ったが 電話は通じた
責任者も覚えていて 当時の輸入品もあることが分った
「翔 『浅草 大正堂』にサンプルを依頼した 責任者は須藤さん
それで 明日届くから 倉さんと相談してくれ いいな
ここはいまでも上野店に口座はある
取引高など詳細は由香里姫にお願いする」
「はい 了解です」
神山は奥村にお中元のデザインを報告した
造花を除いて順調に進んでいる事
造花は大正堂からサンプルを取り寄せること
などなど話し 翔も交えて詰めていった
由香里に浅草 大正堂の口座確認と取引高を確認してもらう
「神山さん 大正堂の件 大丈夫ですよ
毎年 だいたい250万位取引があります 銀座より多いわね」
「うん 正月の飾付けなどは一箇所で買うから ちょっと違うね」
最悪 大正堂で購入することもその時決まった
「そうしたら 倉さんに伝えておいて下さい 
多分ウインドーで使うし ある程度確保しないと、、、
それと倉さんにメモして置きます」
「うん そうだな 翔も気が付いたら 頼んだぞ」
「はい 了解しました」





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