普段は神山の電話が最優先だがよっぽど 嫉妬しているのだろう
神山は貴重な情報を聞けず 困ってしまった
携帯電話が鳴った 杉田からだった
「今 由香里姫に電話して 報告したんですが
先輩の事 伝えたら 自分からすれば済むのにって
凄くご機嫌斜めでしたが 電話ありましたか?」
「うん そのご機嫌斜めの声を一杯聞いて情報が掴めなかったよ」
「どうしたんですかね? 僕の話しの時は喜んでいたのに、、、」
「まあ あまり気にしないで 部長さんとお茶しなさい」
「はい ありがとうございます では」
神山はいい部下がいて幸せだと感じた
「山ちゃん もう少しすると 梅崎君が変わりで来ますから
そしたらお昼行きましょう」
「うん そうしよう」
少し元気が無い神山を見て
「どうしたの 元気ないよ」
「う~ん 色々あって、、、」
高橋が中に入って暫くすると駅から梅崎が走ってきて
「こんにちは 神山部長」
きちんとお辞儀をして 中に入っていった
高橋が梅崎に仕事の流れの確認を終ると出てきて
「それでは 行きましょうか どうしますかメニューは」
「そしたらさ あそこの角にある とんかつ でも寿司にしよう」
「いいですよ とんかつでも そうか 寿司にしましょう」
昨夜来たばかりで12時間も経っていないので
女将さんと顔を合わせると なんか自分の家に帰った気になる
今日は土曜日なので家族づれも結構居た
席はいつものように奥座敷に案内され ビールが運ばれた
普段あまりしゃべらない女将さんが
「貴方達 あそこのお店を作っているんでしょ」
「ええ まあ」
「そう いや私は貴方達が働いている所見たこと無いけど
お客さんが そう言っていたものだから 聞いたのよ」
「、、、」
「そうそう それで私の親戚が新宿でお店を出すって言うんで
一応聞くだけ聞いてみる事になったのよ」
「はい すごいですね 新宿に出店なんて」
「それで 一応メモを渡して置きますから後で連絡してください」
「はい 分りました」
高橋は女将さんに名刺を差し出しメモを受け取った
「凄いね 孝ちゃん」
「しかし 概算でほとんど潰れるのが大半ですよ この手は」
「そうだね 素人は相場が分らないからね
安かろう悪かろうってね」
「そうそう あとメンテも含めてね」
女将も心得たようで海鮮の盛り合わせを持ってきた
神山と高橋は女将を見て笑い 女将も笑った
二人は御殿場の件が忘れられず話していると
話題は自然にゴルフに移り26日が開放されるように願った
「孝ちゃんは そうすると大丈夫なんだ」
「ええ そうゆう役は社長ですから
山ちゃんも仕事だし大丈夫でしょ」
「うん そうだよな 仕事だよな、、、う~ん、、、」
「どうしたの そんなに悩んで」
「仕事だけど 翌日はどうしようかと 遅いと理由が、、、」
「いいじゃない はっきり言っちゃえばその方があとあと良いよ」
「そうだね では26日日曜日決定 しちゃおうか?」
「そうですね 僕のほうも大丈夫だし 田代さんだけです
横浜支店は 予定があって無いようなもんですから
特に支店長になると」
「そうだよね 田代さん支店長だもんね」
「ええ、、、」
しかしゴルフをしたい二人は
あそこのコースはこうでこう攻めると
パーが取れるとかゴルフ談義に花を咲かせながら箸を動かした
今日はお互いビールが良く入るので つまみに巻物を頼んだ
以前高橋に巻物は箸でつまむのではなく
手で食べると『通』らしいよと助言したら
この頃は神山のまねをして手で食べるようになった
その巻物を口に持っていく時に高橋の携帯が鳴った
相手とは簡単に話が終った
「今 田代さんからです
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