2011年2月3日木曜日

Vol.208 青葉 -3-17


「ええ 筒井から話が行っていると思いますけれど、、、」
神山は奥村課長が居たので尋ねてみると
「ああ ごめん 山ちゃんにはまだ伝えていなかった?ごめん
店長は出席してくださるそうだ 先ほど連絡があった」
(そうゆう肝心な事 早く知らせてよ 本当に、、、)
「ごめん 今 奥村課長に確認したら OKです 良かったね」
「そうですか 念のため筒井に報告しておきますね」
「分りました お願いしますね ところで今夜の予定は?」
「ええ もうすぐ宛名書きが終るわ その後筒井も一緒にご飯です」
「そうか そうすると一人で食べるね」
「はい分りました 余り呑まないでね
多分遅くならないで帰宅できるわ ごめんなさい、、、」
「うん 分った 連絡を下さい」

神山は夕飯をどうしようか考えながらタバコを弄んでいると
「先輩 今夜皆で行きましょうよ 久しぶりだし」
祥子との会話を聞いていたのかタイミングよく翔が話し掛けてきた
「そうだな この頃御無沙汰だしな」
「え~ 皆さん 神山部長 今夜OKで~す」
(なんだ おい なにやっているんだ???)
「おう 山ちゃん そうと決まったら 早く出よう」
「そうよ 待っていたんだから 分らない?」
「えっ なんですか?全然わかりませ~んが、、、」
「よし 早く出よう みんな」
「どうしたんですか 課長まで、、、」
「いいんだ 翔 早速連絡をしてくれ」
「はい 今OK貰いました」
「では 出よう」
今夜はどうした事か 催事課全員が揃っていた
部屋の出口で市川に
「なんなんだ これは、、、」
「秘密だよ もう直ぐ分るよ」
と言いながら ニヤニヤしていた
(なんだ 市川 ニヤニヤするな 教えろよ)
 
奥村課長の先導で『ホテル禅地下 日本料理 四季』に入った
一番奥の部屋に案内されるが 靴が何足か置かれていた
奥村が襖を開けながら中に入ると 取引先会社の社長が並んでいた
「山ちゃんは あそこの真ん中ね ちゃんと座っててな」
杉田や由香里 市川などに頼んだぞと言った
神山自身 このお店は何回か利用したが 大広間は初めてだった
訳が分らぬまま『まな板の鯉』状態で居ると 倉元が
「この間のウインドーコンテストの件だよ」
「ああ そうですね すっかり忘れていました」
「おう それで本人に早く楯を渡そうという事でこうなったんだ」
「はぁ」
「だから今夜しか空いていなかったんだよ
山ちゃんの仕事を考えると それで皆待っていたわけさ」
「はぁ そうすると今夜は空いていると推測された訳ですね」
「まあ そんなところだ」
「しかし 店を早く出て上原に行ったら、、、」
「そこもきちんと考え 手を打ってある」
「はぁ 凄いですね 参りました、、、」
「おう 今夜の為に 皆で根回したんだ 挨拶だけは頼むな」
「はい わかりました 倉さん いつもありがとうございます」
「おう 若いもんはいいな なぁ奥ちゃん」
「何言っているんですか 一回りも違わないじゃないですか」
「どう言う事 それ」
「だから 倉さんもまだまだ若いですよ」
話題で盛り上がっているとビールや食べ物が運ばれてきた
由香里や杉田も仲居さんに混じって運んできた
川の字型に配列されたテーブルの上にどんどんと
料理が並べられていく
ざっと勘定をすると40名から50名位入りそうだった
由香里がこれから来る人達の事を考え
「すみませんが ご自分の靴は出来るだけ下駄箱にお入れください」
(そうか まだ20名位しか来ていないから
これからまだ来るんだ 由香里 ありがとう)
「さあ 準備も出来たし 皆さんお待ちかねなのではじめましょ」
奥村課長が祝賀会を仕切った
「え~ 今夜はお忙しいところご出席頂きまして
ありがとうございます 心より御礼申し上げます
ここに居られる方々にはお話をさせて頂いていますが
今回 ぎんざ通り連合会 ウインドーコンテストにおいて





.