2011年2月24日木曜日

Vol.229 青葉 -4-18


しかし 今回のように上野が予算を握っている時は こちらでは
どうにもできませんよ そこは分ってください」
「はい しかし今日のように 予算達成すれば会社も出しますよ」
「そうですね 戻入が絡んだ時は 私のところに直接来て下さい
こじれると ややこしくなるだけですからね」
「はい 分りました お休みのところ済みませんでした」
(休みじゃないぞ さては翔かな それともこのTシャツかな)
「いえいえ では」
お互いにお辞儀をして 部屋を出ると由香里や翔 奥村がいて
「どうもありがとうございました」
「いえ ご迷惑をお掛けしました
杉田さんどうも ありがとうございました では失礼します」
そう言うと矢部は部屋を出て行った

「山ちゃん どうしたの 凄いね」
「そうよ だってあの人お茶を出しても無口で 怖かったわ」
「先輩 ありがとうございます ほんと助かりました」
「ええ それより先に売場に電話します」
神山は雑貨部長に電話をして 事の経緯を話した
部長もホテルオートモの数字は把握していて 神山は誉められた
矢部が相談に伺う件と現状では催事予算で出来ない事を伝えた
「うん 分った しかし神山部長 有名ですね」
「そんな事ないですよ かえって有名税で振り回されています」
神山は雑貨部長に理解してもらい 皆をテーブルに招いた
先ほど会議室での経緯を話すと 
「僕も先輩と同じ話をしたんですけど、、、」
「おばかちゃんね 神山さんは 抜きん出ているの 分る ねぇ」
由香里が嬉しそうな顔をこちらに向けたので 頷いた
「しかし8年前にそんな事があったんだ 大変だったね山ちゃん」
「ええ 取引のある什器屋に全部探させましたからね
僕にとっては死活問題でしたよ 終いに改装工事に該当している
会社に当ったら 矢部さんのところで廃棄処分していた事が
分ったんです」
「しかし ほんと良かったよ 倉さんが居てくれれば 
又別の方法で 帰って貰うことが出来ただろうが 休みだしね」
由香里がうっとりして神山の顔を見ているがその時に
「ねぇ あなっ、、、あの コーヒーでも入れましょうか」
由香里がとちった事を神山以外に気が付かなかった
「うん そうしよう 翔 これで地下に行って美味しいケーキを
買ってきて ただし 1個1000円はなし 
それから1人1個で良いからな」
「どうしたの そんな あな、、、神山さんが出さなくても」
「いいから 早く行って買って来い」
「はい 買ってきます だけど1個1000円なんて無いですよ」
杉田はしぶしぶ地下食料品売場で ショートケーキをかった
部屋に戻ると コーヒーとお皿が用意されていて
みなの機嫌が直った所で 神山が奥村に
「課長 26日の日曜日 私も御殿場に行きます
一応 夕方からの仕事ですが 小田原工場に立ち寄って
行きますのでニーナ・ニーナの 仕事が終ったら 
出かける事にします」
「う~ん そうすると夜 主役が居なくなるな ねぇ由香里姫」
「仕方無いと思いますよ アルタさんに今まで借りがありますし」
「そうだね わかった それで 27日は何時になるの」
「ええ 27日はこっちでお休みにします」
神山は小さい声で ゴルフの格好をして伝えた
「うん わかった 由香里姫 山ちゃん27日は休みだ」
由香里はやっぱりと言う顔で神山をにらんだが くすっと笑った
「だけど山ちゃん 御殿場が本格的になったら こうやって
いちいち報告されても困るな、、、」
「明日 倉本さんが出てきてからでいいでしょ」
「そうだな なんと言ってもこうなる事は分っていた事だしな
それに 遊んでいるわけじゃないしな」
神山はその言葉には引っかかったがあえて反論しなかった
ケーキを食べコーヒーを飲み干すと お辞儀して売場に行った

1階のニーナ・ニーナに行くと祥子が待っていて
「この札入れを用意しておきました」
今朝言っていたように紳士ものは少なく3点しかなかった
色々と触ると一つだけゴルフ手袋の肌触りするのがあった
「コレは子羊で出来ているの だから柔らかくて軽いわ」
「うん決めた これでいい」
神山は値札の18000円を出すと祥子は
「家族割で25%オフの13500円でOKよ」





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