2011年2月22日火曜日

Vol.227 青葉 -4-18


しかし田代が
「しかし 車があっても 内野君一人では出来ませんよ」
高橋は人差し指で 自分の顔を指し
「忘れていませんか 私を ねぇ山ちゃん」
「そうそう 孝ちゃんがいたよね」
「だって 高橋さんは久しぶりの休みじゃないですか」
「うん いいよ 御殿場に行くぞ」
高橋はコブシをつくり手をあげた神山は高橋を見てにこっと笑った
「そうだ 内野君に連絡しよう」
高橋は内野に携帯で事の成り行きを説明し理解してもらった
「高橋さん 大丈夫ですか 内野君と2人で?」
「田代さん 山ちゃんにも行って貰うよ どうですか神山部長?」
「そうですね 車の件もあるし現場も見たいし 行きましょう」
「ねっ だから大丈夫です」
高橋が会計をするので 先に出たが田代だけ呼ばれ残った
現場に置いてある車まで田代は残念がっていたが
高橋に宥められ 
「次もありますからね その時はご一緒しましょう」
そう言って 元気を取り戻した
高橋にお礼を言うと 高橋のほうが深々とお辞儀をした
挨拶を済ませると バンは横浜に向かった

高速を利用して横浜に着くまで 田代は御殿場の話をしなかった
神山もあえてゴルフの話題は避け 若い二人と雑談をした
田代は高速をおり 神山に確認をしながらマンションに着いた
「はい 神山さん 着きました お疲れ様です」
「どうも ありがとうございました」
田代はそう言うと車から降りて来て
「今度 ご一緒お願いします」
ゴルフのグリップを握る仕草をして言った
「はい 今回はすみません 御殿場が進めば行けますよ」
「ええ そうしましょう」
神山と田代は握手をして別れたが 車の中から若い二人が
「ありがとうございました 宜しくお願いします」
神山は皆に手を振り車を見送った
部屋に入ると4月5日に出て行ったままになっていて
窓を開けたり 換気扇を回したりした
郵便物が溢れているので 管理人室まで聞きに行くと
大抵はゴルフ場の勧誘だったり 緊急を要する手紙類は無かったが
一応確認の為 全てを部屋に持ち帰り 整理をした 
26日夜の御殿場工事について奥村に連絡した
「神山です」
「おお 昨日はご苦労様 今少し前内藤社長から電話があったよ」
「えっ 例の車ですか?」
「うんそうだ 大変喜んでいたよ」
「ええ アルタの人手不足などを考慮したり 御殿場の仕事を
考えると あの方法しかなかったのです
出すぎたかもしれませんが すみません」
「う~ん 少し問題はあるがしょうがないな
ところで 今 どこに居るの?」
「ええ 横浜の自宅で整理しています 何しろ10日振り
なので 郵便物が多くて一応全てに目を通している所です」
「そうか 10日振りか 換気扇は回している?」
「ええ 窓を開け 換気扇を回しています」
「うん 大変だな それで何時ごろ来れる?」
「多分 夕方としか言えませんが、、、何か?」
「いや大した事ではないけど
けさ ホテル催事で翔が陳列した オープン棚があるだろ」
「ええ 指示しましたが それが何か?」
「先方が偉く気に入って 売場でもあのような方法で出来ないかとか
イベントの時は あの方法がいいとか うれしい悲鳴さ
そこで 山ちゃんに経費を掛けないで 効率のいい陳列方法を
あの部長さんに 教えてもらいたいんだよ」
「えっ それは良いですが 翔でも出来る事でしょ」
「うん しかし翔はお茶をご馳走された時 山ちゃんの名前を伝え
少し大げさに紹介してしまったんだと ほんとうに困ったよ」
「えっ 大げさに僕を、、、名前までだした、、、
なんで、、、考えられないアホですね」
「うん 喜んでもらうのは良いが 経費は掛けられないし
例え安く済んでも 催事課の予算ではないからな」
「そのように 突っ張れないんですか」
「うん 一回話したが だめだった そこでご本人が登場ですよ」
「はい 了解しました しかしほんと夕方としか答えられませんよ
着る物を整理して 上原に送らなければいけないし、、、」





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