2011年2月6日日曜日

Vol.211 青葉 -3-17


全店プロモーションで使用した会社だった
池上社長の席に行き
「先日は 本当にご迷惑をお掛けしました
申し訳ございませんでした
以後気をつけますので 宜しくお願いします」
田丸はがっしりした体格だがお辞儀をすると小さく見えた
「うん 頼むよ」
店長への挨拶が終ると販促部長や奥村課長 倉元と進み
「神山部長 今回の受賞 おめでとうございます
先日の件も色々とご配慮頂きありがとうございます」
「うん ありがとう これから間違わないよう頼むね」
「はい 分りました ありがとうございます」
社長の挨拶が終ると社員のデコレーター飯星茜が
真っ赤なバラを差し出し
「神山部長 受賞おめでとうございます
これからもご期待に添うよう頑張りますので ご指導お願いします」
飯星は祝辞を終るとバラを手渡し 真剣な眼差しで神山を見据えた
神山も何時も打ち合わせに来る飯星を知っているが
今日は綺麗だと感じ
「うん これからも鈴やの為にがんばってね ありがとう」
社長が奥村をちらっと見て 封筒を差し出し奥村にサインを送った
奥村は承知のサインで頷き返した
「神山部長 これはお祝いです 納めてください」
差し出された封筒を受け取る前に奥村を見ると頷いているので
「はい ありがとうございます」
丁寧にお辞儀をして受け取った その後 細川が
「ねえ 茜ちゃん どう 私の所に来ない?
私 何時も貴方の仕事振り見ているけど どう?」
細川社長から何時も誘われているのだろう 茜は
「はい ありがとうございます しかし田丸も優しいし、、、」
「そう 残念ね~」
「細川社長 そんな苛めないでくださいよ
今 飯星君に出て行かれては うちはつぶれてしまいます」
お互い造花屋とファッションデコレーションと業種こそ違うが
中味は共通している所が多いので 業界では移籍がよくある
特にデコレーター集団『スーパーデコ』は銀座の美味しい所に
全て入っているので 人手不足になっていて新しいデコレーターを
何時も採用している事情があった
七変化のメンバーも挨拶を済ませると
空いている席にばらばらに座った
会場内はみなの笑い声が混じる声で 宴たけなわになった
由香里を探すが先ほどから見当たらないので 倉元に聞いてみると
「おう 多分会計で部屋の外で計算しているのだろう」
この催事課が行うこのような祝賀会 親睦会では一人あたりの
参加費用が決まっていて その他に『気持ち』を参加費に上乗せし
みな親睦会 祝賀会に参加している

「すみません ちょっと中座します ビールばかりで」
隣に座っている池上店長に断り席を立った
「そうだな ワシも中座しよう」
二人は群がっている取引先に断り席を立った
部屋を出たところで由香里と合い 仲居と料理の清算をしていたが
「どうしたの お二人で なにか有ったの?」
「いやいや たまたま一緒さ なっ 山ちゃん」
「はい 漏らさないでね」
由香里は神山を心配していた
「しかし 山ちゃん 凄いな ご祝儀」
「いえいえ 皆さんのお力ですから 後で催事課に行きますよ」
「そうか しかし催事課はちゃんと貰っているので納めておけば」
「そうなんですか?」
「うん 昔からの慣例ですよ 大丈夫だよ」
「はい でも一応奥村課長には報告しておきます」
「うん そうだな」
「親睦会のノリは体験しているんですが 祝賀会は凄いですね」
「うん しかしこんなに集まったのは初めてじゃないかな」
「そうなんですか?」
「うん いつもここで行われるけど 
奥座敷まで利用したのは初めてだよ」
「へぇー そうなんですか」
「みな 山ちゃんに期待しているんだよ 頑張ってな
そうだ これはワシからのお祝い金じゃ」
「えっ そんな」
「いいんだよ 気持ちじゃ 少ないけどな ははは」
「それでは ありがとうございます 頂きます」





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