2011年2月4日金曜日

Vol.209 青葉 -3-17


私ども鈴やの神山部長が最優秀賞を受賞されました
そこで お取引の方々との親睦を深める事も兼ね
神山部長の祝賀会を開催させて頂きたいと思います
それでは 倉元部長 お言葉をお願いします」
「おう え~ 山ちゃん 受賞おめでとう 私も参加していたが
今回はだめだったよ なにしろ一位になられたのは
素晴らしい事だと思うし 普段から積極的に仕事に取り組む姿勢が
この様な結果に現れた結果です 今後も精進してください 以上」
「倉元部長 ありがとうございました
尚 今回 倉元部長は僅差で2位との事です
どうぞ来年は ご遠慮なさらずに1位をとって下さい
そして この様な盛大な祝賀会が開けることを期待しています」

「神山部長 おめでとうございます」
取引先の面々が挨拶に来た
「ありがとうございます しかし私一人の力では有りません
それよりこれからも鈴やの為にお力添え お願いします」
「はい こちらこそ宜しくお願いしますね」
倉元を見てみると取引先とわいわい楽しく呑んでいた
(両脇 だれが来るのかな 座布団が用意してあるし)
そう考えていた時 池上店長が内藤社長と現れた
神山は立ち上がって両名にお辞儀をすると
「いや やったね山ちゃん おめでとう」
池上はそう言うと奥村の勧めで神山の左側に内藤は右側に座った
「ほんと 山ちゃんおめでとう」
内藤が祝辞を述べながら握手を求めてきた
そして皆に分らぬ様
テーブルの下に手を導き反対の手で茶封筒を手渡し
「これ お祝いです 皆には内緒ですよ」
「はい いつもありがとうございます」
気になり左脇の店長を見てみると
知ってか知らぬかそ知らぬ顔をしていた
店長が脇に座った事でまた取引先が挨拶に来た
「おいおい 今日の主役はワシじゃないぞ 山ちゃんだよ」
と 言いながらも勧められるビールを美味しそうに呑んだ
池上店長やアルタ内藤社長と話していると
「え~ 皆様 今回の受賞で大変お世話になられた方が
来られましたので拍手でお迎えお願いします」
市川の案内でみな拍手で迎えた
デコレーター集団『スーパーデコ』の面々だった
社長の細川女史は名前負けしたのか 3Lサイズの体型だ
ゆっさゆっさと体をゆすりながら内藤の右に座り
「山ちゃん おめでとうございます 良かったわ1位で」
「いえいえ 社長のおかげです ありがとうございます」
「一位は一位よ それも倉さんを抜いたんだから ねぇ倉さん」
「おう そうだ 一番は一番さ」
そう言うとまた取引先の面々と面白おかしく話しこんだ
細川社長が内藤の背中越しに 小さい声で白い封筒を差し出し
「これ お祝いよ 納めて」
これにはどう対処し様か迷ったが 廻りもあるので
「はい ありがとうございます こちらこそお願いします」
そう伝え ジャケットの内ポケットに納めた
神山の席にデコレーター達が寄ってきて ビールを勧めた
「凄いわ 初参加で1番なんて 私こんな経験初めてよ
良かったわ これからも神山さんの仕事頑張るわね」
「おう オレを忘れないでくれよ 年寄りを大切にな」
「そうですよ 僕なんかより 倉さんが銀座の顔ですから」
「おいおい なにもでないぞ そんなに誉めても ハハハ」
そんな話をしていると 奥の襖が開けられ 更に会場が広がった
市川や由香里が奥村に相談したり 慌しくなた
倉元にどうしたのか聞いてみると
「おう 参加人数オーバーだと ハハハ いいことだよ」
それを聞いていた池上店長は倉元に
「倉さん そろそろ世代交代ですかね ねぇ」
「おう またまた まだまだ現役ですよ 店長」
みなで笑っていると細川社長が
「はい 皆さん 席に戻ってね 山ちゃんを独占してはだめよ」
そう言われるとデコレター達4名が先ほど開かれた奥座敷に戻ったが
残った中で 山崎 愛が封筒を差し出し
「おめでとうございます 私のメッセージが入っています」
こちらの顔を見つめながら神山に手渡した
それを機に他の3名も同じ様に ラブレターだと言って差し出した
この4名は今回のウインドー制作で特に神山の力となり支えてくれた
アルタの内藤と細川は仕事の話だけではなく冗談も話していた





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