2011年2月17日木曜日

Vol.222 青葉 -4-18


冷蔵庫からビールを取り出し呑んだ
久しぶりにテラスに出てみると 気持ちよい風が流れていた
駅に続いている道路に目をやると
今日の事を考えているのかサラリーマンの姿が目立ってきた
(そうか 普通のサラリーマンはこんな早い時間に出勤なんだ
そうだよな 孝ちゃんもこの位の時間には出勤だよな)
神山は恵まれている環境に感謝した
(それにしても ビールを呑んでたばこを吸っていると
仕事を休みたくなちゃうな ああ気持ちいいな~)
自室のテラスでこんなにゆっくりしたのは初めてだった

ビールが空になったので部屋に戻りもう一本出し呑んでいると
携帯電話がなった 神山はもしかしてと思いながら出てみた
「翔です 朝早くからすみません」
「うん どうした?」
「ええ ホテルオートモに来ているんですが」
「そうか 現場監督 ご苦労さん」
「はい しかしバッグのガラスケースが少ないんです」
「しかし 銀座店ブティックの什器手配も上野店だろ」
「ええ 完全に手配ミスでバッグの陳列が出来ない状態です」
神山は暫く考え
「そうしたら残っている什器は何が有る?」
「ええ 棚什器が員数分残っています」
「それでは その棚什器を上手に配置して バッグを陳列する事
棚板は2枚で 下は開けておく 一番下には余った造花を置けば
なんとかならないか」
「そうですね 下は600開ければ問題ないですよね」
「そうだな 造花は余っている?」
「無いので リースのプランターを置きます」
「そうだね 天気もいいから 見た目もOKじゃない」
「ありがとうございます 助かりました」
「そんな 本来は僕の仕事だからな こちらこそ助かっているよ
それで 什器屋の手配ミスか?」
「そうですね 員数はあっていますから」
「わかった 部屋にはこの事をFAXして置く 
朝早くから 大変だ ご苦労様 また何か有ったら携帯まで」
「はい 今日は、、、」
「夕方に部屋に行く」
「了解しました では」
神山はこの出来事を由香里と倉元宛にFAXした時電話が鳴った
出てみると 祥子からだった
「おはよ~ 電話に出るの早いわね」
「うん 仕事するから早めに起きた」
「偉いわ わたし 今起きたばかりだから 30分位したら来て」
「了解です」

神山は上原の天井図面センターテーブルに広げをもう一度眺め
照明など詳細を細かくチェックした
一箇所だけ気になる所が在ったので赤丸を付け図面をバッグに入れ
再びテラスでビールを呑んだ
下を見ると今度は小学生がわいわい言いながら
黄色い帽子があっち向いたり こっち向いたりと朝日に輝く
花のようだった
暫くのんびりしたあと 横浜で何が起きているか分らないので
20万円ほど ジャケットのポケットにしまった
神山は財布を持たない主義で お札はいつもはだかだった
小銭入れを持っているが お札入れは色々入れると太って
厚くなり扱いにくく 入れるものも無いので使っていなかった
カードは何枚も無いので免許書入れに入れておけば問題なかったが
今後 色々と付き合いがあるし お札入れを購入しようか考えた 
時計を見ると8時を少し過ぎたので祥子の部屋に行った
部屋に入るとすでに朝食の準備は出来ていて
「丁度 良かったわ 呼びに行こうと思っていたのよ」
今朝は和食ではなく 簡単な洋食だった
それでも神山はこのように準備してくれる祥子に感謝した
「美味しそうだねベーコンエッグ そうだビールは残っている?」
「ええ 呑もうか だけどあなたは呑んでいたでしょ」
「うん ちょっとだけ 呑もう」
神山はビールを呑みながら 食事をした
「今日は昼に久しぶりに横浜に行って来る」
「会社には、、、」
「うん 夕方かな」
神山と祥子が今日のスケジュールを確認し
お札入れの事を聞いてみると





.