「ニーナ・ニーナにも有るわよ ただ男性用は種類が少ないのよ
お店に入ったら 見に来てくれる 全部用意しておくわ」
「うん ありがとう」
神山と祥子はお札入れの事を話題にしながら食事を終え
「では 部屋で待っているよ 出かける時声を掛けて」
「は~い もう出かける準備は出来ているから直ぐ出られるわ」
「わかった まっていま~す」
神山も部屋に戻って
準備をしていると直ぐに部屋のベルが鳴った
「早いね 食器ちゃんと洗ったの?」
「ええ 気が付かなかった 全自動の食器洗い機が有ったの?」
「うん 気が付かなかった」
「安いのがあったから買っちゃたの」
「それで早く出られたんだ」
「そうよ だから食器洗い機に感謝してね」
マンションを出てみるとテラスで見た風景と違い
いつもの静寂な住宅街に戻っていた
祥子が左腕を神山の前に突き出し 昨日のバンドルを見せながら
嬉しそうな顔をして 組んだ腕に力を入れて駅に向かった
現場に近くなると祥子に
「どうする 寄って行く?」
「ううん あなたに任せるわ」
神山は改札口まで祥子を送って行き 祥子から
「それでは行ってきま~す 夕方待っていますね」
そう言うとほほに軽くキスをし階段を上っていった
「やあ 遅くなってごめんなさい」
「おはようございます 大丈夫ですよ」
「で 早速で申し訳ないけど」
神山は朝チェックした事を図面を出し説明した
「そうですね 山ちゃんが言う通りだけど ずらせるかな」
高橋は配線図面とここの基本図面をだし 照らし合わせた
「うん 何とかいけるでしょう 大丈夫」
神山が提案したのは棚近くにあるスポットだが移動OKがでた
「山ちゃんの言うと通り 僕自身もどうかなと思っていたんだ」
天井工事は穴あけが進んでいたが
該当する穴開けはまだだったので 墨の出しなおしを指示した
実際ここまで工事が進むと 神山の出る幕はなく
1日中付いていなくても いい状態だが
なにか起きた時の判断を自分の目で確認できる事が
最善だと思い現場に居る
後は監督と雑談しながら情報を集める事もある
天井に丸い穴と四角い穴が全て開くと今度は塗装屋が入ってきた
塗装屋が準備をしている所に 横浜の田代がやってきた
田代が入ってくるなり
「おお 順調ですね」
「やあ 田代さん おはようございます」
「よう 早いじゃないですか」
「うん 本社で打ち合わせが一つ入った そうそう 例の御殿場」
「そうか なに御殿場も田代ちゃんが動くの?内野じゃないの?」
「うん 私になりそうなの」
二人の話を聞いた神山は 所長と言っても大変だなと感じた
「田代さん 大変ですね」
「ええ しかしドライブが好きだから 大丈夫」
高橋と田代が横浜に行く時間を調整していると高橋が
「山ちゃん 2時前後になるけどいい?」
「うん 僕は別に何時でも」
「そうしたら 田代さん こちらに寄ってくれる?」
「了解」
若手が荷物を運んでいたがまだ残っているので 皆で手伝った
作業が終った所で田代が神山に
「こちらの若手が 木村 譲二君 こちらが 小塚 保広君
共に25歳のばりばりです さあ神山さんにご挨拶して」
「木村です 神山さんの事はよく聞いています
これからも頑張りますのでお願いします」
「僕は 小塚と申します 木村が言ったように神山部長のことは
良くお耳にします がんばりますので宜しくお願いします」
「ありがとうございます 神山です
アルタさんには日ごろお世話になっています」
挨拶が終ると田代が神山に
「どうも済みません 遅くなって」
「いえいえ 仕事優先ですよ 待っています」
田代達が神山にお辞儀をしてバンをだすと
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