違うロレックスをしているのを発見して
「どうしたの そのロレックス?」
「凄いでしょ 真奈美さんからのご祝儀」
「えっ またロレックス、、、しかしこのファッションにぴったし」
「うん また貰っちゃった」
「う~ん、、、いいな 山ちゃんは 羨ましい」
「そんな事ないよ 後が怖いよ」
神山はロレックスの事を言われ覗いて見ると
あと少しで25時になる時間になっていた
「孝ちゃん もうこんな時間だけど 平気?」
「そうですね そろそろ出ましょうか」
高橋がカウンターで清算している時 神山と祥子は表で待ち
「今夜 どうしても話したい事がある 少しでいいので、、、」
「ええ 着替えたら お部屋に行くわ」
「いや このまま来てください」
「は~い そしたらこのまま行きます」
「お待たせです」
「何時もすみません ご馳走様」
三人歩きながら店舗の飾りつけの話で盛り上がったが
すぐに現場に付き
「それでは 孝ちゃん お先に」
「はい 明日は8時から入っています」
「うん 僕も早めにくるよ では」
祥子は高橋に対し 深々とお辞儀をして別れた
「まいったー 今日は」
部屋に入るなり ジャケットを脱ぎ椅子に腰掛けた
「そうね お疲れ様でした」
祥子は神山の脇に来て おでこに軽くキスをした
離れると ジャケットを片付けようとしたので 慌てて立ち上がり
自分でクローゼットにしまいこんだ
「祥子 ビール呑もう」
「は~い 用意します」
クローゼットからカメラバッグを取り出し
先日ホテル『ブティック「モテリコ」』で買った
バングルを取り出した
祥子が テーブルにビールとチーズを並べたので
「祥子 お疲れ様でした とにかく今夜はお目でたですね」
「そうね あなたは素晴らしいわ 改めて惚れました」
「そお でもね 今夜は祥子に渡したい物があるんだ」
「な~に?」
「なんでしょう」
「分らないわ じらさないで」
神山は 包装紙のままバングルをテーブルに置いた
「さあ 開けてみて」
「な~に」
祥子は包装紙を見て驚いた
「これ 銀座のブティックでしょ えっ そんな」
金額的にもっと安い物だと思ったが 『モテリコ』は有名で
祥子の給料でも手が出なかった
そんな期待で包装紙のリボンが上手に解けず ようやく開けると
「ふぁ 凄い この石 アメジスト ふぁ~ ほんと?」
祥子は夢を見ているようだった
「実はね 先週かな もう少し前だったと思うの
色々と他店を見て調査してみなければいけないでしょ」
「うん」
「その時 モテリコで発見したの だけど高くて諦めたの
だから すごく嬉しいわ ほんと ふぁ~」
祥子は箱から取り出し腕にはめてみた
「どう 似合う?」
「うん 今日の色にぴったし カンカンだ」
祥子は神山に抱きつき唇を合わせた
「ねぇ 明日からこれ付けて行っていい?」
「うん」
「ふぁ~ ほんとありがとうございます 大事にします」
「そうしたら 寝ようか 遅いし あっ別々でいいよ」
「ごめんなさい そうしますね」
「明日は どうなっているの?」
「オープンご招待のDMはOKでしょ だから銀座直行です」
「そうしたら 僕は上原によってから 銀座に行く」
「は~い ではおやすみなさい」
祥子は嬉しそうに神山の部屋を出て行った
4月22日 水曜日
携帯電話の音がけたたましく鳴った
どこで鳴っているのか うるさいと思った
「神山さん 起きてください 神山さん」
田代の呼びかけで ようやく目を覚ました
「誰かの携帯電話 鳴った 今?」
「ええ 神山さんの携帯ですよ」
言われて着信を見てみると 亜矢子からだった
急いで 電話をすると
「神山ですが どうされました?」
「私です ごめんなさい 1時間くらい遅れます ごめんなさい」
「うん わかった また電話ください 待っています」
神山は突然の出来事で考えたが 亜矢子の事だから
よほどの事情で 遅れるのだろうと考えた
確か以前逢っている時も 暗い表情していた事を思い出した
「大丈夫でしたか 連絡は」
田代が心配そうに聞いてきた
「うん 普通の連絡だよ」
「それは良かったですね 相当長い間鳴っていましたから」
「心配かけてすまない ごめんごめん あとどの位で着きますか?」
「そうですね あと10分位でしょうか
着いたら 起こしますから ごゆっくりしてください」
「わかった ありがとう お言葉に甘えま~す」
「はい」
神山は亜矢子の事を考えていると また睡魔が襲ってきた
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