これでまた会場は沸いた
「では 第一組目から行きます」
市川が対戦両名を呼び出し 二人を立たせ試合開始
進行も順調に進み池上店長とスーパーデコの山崎愛の戦いになった
店長がんばれの声援より愛ちゃんの声援のほうが多かったが
結果は 店長が粘り腰で勝ってしまった
「ふぁ~ 店長 かちゃったよ」
みな愛ちゃんを応援していたものだからブーイングが出た
しかし 珍しく酒に酔った状態では 戦えなかった
次は神山の出番だった 対戦相手は細川社長だった
今度の声援は 主役の神山と 女性の細川と言う事で半々だった
「こら 大輔 仕組んだな もう」
「そんな事ないよ なあ 翔」
「ええ 先輩の事 そんな事する訳ないでしょ」
二人は顔を見合わせ 笑って答えた
(まいった 仕組まれた)
「さあ ご両人 お立会いお願いします」
神山は大事なお金が入っているジャケットを着たまま
細川と背中合わせをした
「さあ ご両人準備はよろしいですか?」
神山は少し腰を落とし 細川の攻撃に備えていたが
合図の笛がした途端 細川の腰が神山のそれより下から突き出し
あっけなく動いてしまい 負けてしまった
丁度 正面には祥子が居て
円座の人を飛び越え抱きついてしまった
祥子もびっくりし
「大丈夫ですか?」
としか 言いようがなかった
円座で座っている人達は演技でない神山を見て 細川を恐れた
「は~い 細川さんのかち~ え~ 神山部長は土俵から出て
女性に抱きついたので ここで罰ゲームです」
(おいおい それはないだろ わざとじゃないんだから)
市川を睨み付けながらも仕方なく 罰ゲームを受けた
「では 罰ゲーム いきま~す」
神山はもう何でも来いとあきらめ 真中にたった
「はい 右手を挙げて 左足挙げて 右手を下げて、、、、、、、」
(そうか その手か だったら両足上げた時に派手に転べばいいや)
その通り 右足挙げて 左足挙げてが来たので 派手に転んだ
会場はやんややんやの喝采と拍手で賑わった
「神山部長 ありがとうございます
どうぞルールですから恨まないでね」
この言葉で又会場は沸いた
神山は仕事を解かれたので円座の後ろで立っていると
3人の取引先が寄ってきてお辞儀をした
「遅くなりましたが 私、、、、」
始めてみる顔だが 何時も使っている各会社の常務だった
各常務は懐から封筒を取り出し 祝辞のあと手渡しをしていった
神山も 各会社は良く知っているので 的確な言葉で誉め受け取った
ゲームが進み 祥子の出番がやってきた 対する相手は田丸だった
スタートの笛が吹かれたその後は 田丸が簡単に負けてしまった
あのがっしりした田丸が負けと番狂わせがでたので会場は賑わった
次は由香里の出番だった
由香里はハンデを上手に利用し勝ち上がった
最後にスーパーデコの佐々木艶子が出てきた
この時 神山は円座の直ぐ後ろで見ていた
佐々木艶子は ハンデを利用しないで男性と互角に戦ったが
目の前に 神山が居る事を発見すると
「ふぁ~ あっ」
と言いながら 動いてしまい 神山に抱きついてしまった
「は~い 佐々木さんの負けですが 女性に抱きつかれた
神山部長 済みませんが またまた罰ゲームです」
神山は佐々木を組み解き また真中に立った
「罰ゲームは先ほどといっしょで~す お願いしま~す」
先ほどと同じ様に 両足を挙げる事になったら
派手に転ぼうと思ったが
今度はなかなか 転ばしてくれない
だんだんと頭も廻らなくなり 疲れてきた時に関係なく床に転んだ
その転び方が良かったのか否か 大喝采を浴びた
それからは 円座の直ぐ後ろではなくもう少し後ろで見る事にした
そうしていると 良く顔を合わせている取引先が寄ってきて
祝辞を述べた後に お祝い金を渡していったのは10社だった
神山はありがたいが貰いすぎではないかと少し怖くなった
ゲームも2回戦に入り白熱してきた
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