「あっ ごめんなさい 冗談ですよ皆さん
ここに居る お美しい女性達に取られてしまうのが怖いから
でも 本当のプレゼントはコレよ」
真奈美はバッグの中から小さい箱を取り出した
「さあ 開けてみて」
神山は包装紙を開けるとロレックスの箱が出てきたので驚いた
「ふぁ~ ロレックスの時計 凄い」
テーブルの皆が立ち上がって見に来た
今度のロレックスは皮ベルトでカジュアルな時似合いそうだった
「すみません 先日頂いたばかりなのに、、、」
「いいのよ お似合いね 今日の麻のジャケットにぴったりだわ」
「ありがとうございます」
神山は深々とお辞儀をした
「おう 山ちゃん 凄いな 腕にはめて見せてよ」
「そうそう はめて見せて」
神山は腕にはめると 顔の前に持って来てポーズをすると
「ふぁ~ ほんと ぴったりお似合いです」
「奥様 それではこの時計も使わせて頂きます
本当に素敵な時計を ありがとうございます」
神山の話が済むと内藤夫妻は出て行く時
小谷を呼び何か指示をしていた
ロレックスを見てみると23時を指していたが 誰も動かなかった
暫くすると筒井が化粧室に行く時 神山が呼ばれた
「これから帰宅するが 山ちゃんはどうする」
「ええ 私も帰宅します その前に現場に立ち寄りますが」
「そうか そうしたら 私と久保君と3人で車に乗ろう」
「ええ お任せします」
神山が席に着くと由香里が不安げな顔で
「どうしたの? 何かあったの?」
と 聞いてきたので
「ナンでもないよ そろそろ出るけどどうするかって事だよ」
「ふ~ん それで」
「うん これから上原の現場に立ち寄る事にした
僕は最初からそのつもりだったがね」
「えっ これから行くの 大変ね 久保さんも」
「うん 筒井さんが一緒だし 久保さんのプランだし、、、」
「おう 山ちゃん大変だな しかしオープン近いしな、、、」
神山は皆に報告していて 気づく事があった
(そうか 祥子と隣りを知っているのは 内藤社長と筒井さんだ)
筒井が化粧室から出てくると みなの前で
「済みません 神山さんをお借りします これで失礼します
本日は 本当にありがとうございました」
お辞儀が終ると祥子も皆に挨拶をして筒井の後についた
「では そう言う事ですので 私もおさらばします
今日は 祝賀会 とても嬉しいです ありがとうございます」
神山は抱えきれない荷物を持って出口に行こうとしたが
杉田が荷物を半分もって出口まで来てくれた
外に出てみるともう直ぐ5月だがまだ肌寒かった
この麻のジャケットがまだまだ必要だなと感じていた
「先輩 僕はもう少し倉さんにお供します」
「うん 頼んだよ」
言い終わると丁度タクシーが着たので 筒井が前に乗り
荷物の多い祥子と神山は後ろに乗り込んだ
筒井達が乗ったタクシーは上原の現場に着いた
現場では24日の午前中に仕上がるよう遅くまで作業していた
この上原では通常天井工事は行わないが
今回のブティックの性格上行われた
今夜は壁面が出来ている事だと思った そうすれば片付き次第
バックヤードに商品を納品する事は可能だが 果たしてどうか
「やあ 夜遅くいらっしゃい こんばんわ 山ちゃん
あっ筒井さんも 久保さんも」
3人を見た高橋は揃ってきたので多少驚いた
「山ちゃんが来る事は 内藤から聞いています」
「えっ 話していないけどな まあ 現場見ないとな」
「山ちゃん だいぶ出来てきたね」
「そうですね このような現場を見ると 昔を思い出しませんか」
「うん 上野店ではお世話になったよな いや今もだけど」
二人は顔を見合わせ笑ったが祥子も一緒に笑った
「孝ちゃん 天井の穴あけは予定通り?」
「ええ 少し早めになり 明日午前中から入ります」
「助かるね どんどん早くなるね」
「そんな でもその位しないと間に合わないですよ」
バックヤードの事を考えれば早く進め残骸を搬出した方がいいので
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