2012年10月30日火曜日

Vol.843 紫陽花 -7-52



神山は用意された薄手のバスローブを羽織って1階にいくと
祐子とカトリアーナが先にビールを呑んでいた
神山はソファーに座ると携帯電話で由紀枝に電話をした
「神山さん お疲れ様でした 楽しかったわ ありがとうございます」
「やあ おめでとうございます たいしたものだ」
「いえいえ あそこの練習場ですよ 大根のお陰です」
由紀枝はまた思い出して笑ってしまった
「しかし 大変だったね 今 カトリアーナから聞いたよ」
「ええ もう一緒に廻りたくありませんね なにか体が拒否しますね」
「そうか わかった ごめんね でも普段は普通だけれどね、、、」
「神山さん 昨夜 例のナイトクラブに連れて行ったでしょ」
「うん 彼とJr 内野君 田中君を連れて行ったよ」
「もしかしてそれが原因じゃないですか」
「えっ どういうこと?」
「ええ ほら普段 SEXに対してノーマルな人がアブノーマルなSEXを
体験したから 翌日までその気持ちを引きずっていたんでしょ」
「そうか コントロール出来なかったわけだ
遊んでいるところの女性と目の前にいる女性を同じ感覚でみていたんだ」
「ええ もうそれはいやらしかったですよ カトリアーナも言ってました
ナタリーさんはもっと酷いですよ
お昼の時に横に居るナタリーさんの胸を覗いていましたよ もう いやです」
「わかった ごめんね いやな思いをさせて 本人は車の中で寝ていたよ」
「えっ なぜ分ったんですか?」
「うん 追い越した時居ないので仲間に聞いたら後ろで寝ていますって」
「ふ~ん きっといやらしい夢をみていたんでしょ」
「兎にも角にも おめでとうございます 近いうちに行くよ」
「は~い 分りました 待っていますね」
「うん 賞金は大事に使いなさいね」
「は~い 分りました ありがとうございます では失礼しますね」

神山が電話を切ると祐子が
「まあ 遠くに居る人には優しいのね 羨ましいわ」
「おいおい そんなことは無いよ 今 由紀枝も言っていたよ
もう高橋さんと一緒に廻りたく無いって」
「そうでしょ 由紀枝さんが一番ショックを受けたでしょ 可哀相ね」
神山は体が落ち着くと祐子とカトリアーナに
「明日は女性のお客様がくるんだよ 洋子も一緒だけれどね
夕食は外でバーベキューを予定しているんだ」
「わぁ~ またお友達が増えるんですか 凄いですね」
「おいおい まだ手も握った事が無い人だよ 勘違いしないでね
ところで明日の天気予報はどうだろう?」
「ええ 快晴ですよ 今朝ホテルのTVで言ってました」
「そうしたらバーベキューで決定」
「神山さん 今夜はステーキ辞めますか」
「大丈夫だよ 魚介類や野菜を一杯注文しようよ
さあ時間もいいし出かけようか 散歩しながらいきましょう」
「は~い 分りました」
3人はそれぞれ着替えの為に部屋に戻った
神山はホテルに電話をしてギフトカードが使えるか聞くとOKの返事だった
「さあ それでは仕度はいいかな」
「はい OKですよ」
神山たち3人は夕日を背に受けて緩やかな坂を下り
赤坂スカイハイホテルに向かった 
祐子やカトリアーナはゴルフの成績が良かったのか話が弾んだ

神山も一緒に話しているとすぐに 目的のホテルに着いた 
「さあ 今夜はステーキでいいですね?」 
「私はステーキを食べたいけれど 
明晩 ステーキだから別なものがいいな ねえ カトリアーナはどうする?」
「そうしたら美味しいお肉を食べたいから しゃぶしゃぶはどうですか
以前6階のお店に連れていっていただいたところ」 
「そうね 神山さん しゃぶしゃぶを食べたいな」
「それでは今夜はしゃぶしゃぶに決定しますね」 
「わ~嬉しいわ 日本酒も呑もうかしら」 
「おいおい ワインを呑んで日本酒か 大丈夫かな?」 
「ふふふ 少し味わう程度ですよ ねえ 祐子さん」 
「そうね 少し味わう程度なら悪酔いしないと思うわ 神山さんどうですか?」
「うん まあ今夜はお祝い事だから良いでしょ」 
3人はホテルに着くと6階のしゃぶしゃぶ屋に入った
ランチタイムの時も混んでいるが 
夜になっても相変わらず客が入っていて テーブル席は一杯だった 
「まあ 少し待とうよ」 
「そうですね しかし土曜日なのにすごい混みようですね」 
「うん お肉が美味しいだけではないでしょう





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