2012年10月25日木曜日

Vol.838 紫陽花 -7-52



プレゼントする事になった
ナタリーが涼子に
「ねえアルタの高橋さんって知っている?」
「いいえ 初めてお目にかかりましたけれど なにか?」
「ええ 朝から私や由紀枝さん カトリアーナさんの胸や
グリーンでラインを読む時にスカートの中をニヤニヤして見ているのよ
ほらラインを読む時って片膝を立てて構えるでしょ」
「ええ 分ります でも立っている人からだと見えないでしょ なかまで」
「そうね多分 でもいやねえ」
「それでどうしたんですか」
「16番の時かしら 高橋さんがパットをする時構えるでしょ
そのとき由紀枝さんとカトリアーナさんと私とでお尻を見せて
プリプリダンスをしたの そうしたら崩れたわ 効果覿面よ
それまで2パットで抑えていたのに5パットや4パットよ」
「まあ お尻を見せたんですか 凄いですね」
「ええカトリアーナさんも由紀枝さんも積極的で 私が参加しないと
ほら女性の仲間意識ってあるでしょ だから私も思い切って参加したの」
「へぇ~ 由紀枝さんってそんなに積極的ですか~
私はカトリアーナの方が積極的だと思ったけど
でも仲がいいですよね あの2人だけじゃなくて
田所さん桜川さん由紀枝さん由貴さん みんなそれぞれ違う職場なのに
なにか家族みたいな雰囲気を持っていますね」
「ええ 私の組は由紀枝さんとカトリアーナさんだけれど
本当に姉妹みたいに話をしていたわ 羨ましいわ」
「何があるんだろう 分らないわ」

その話を聞いていたJrが
「そうそう 亜矢子さんと洋子さんって姉妹じゃないの
ティーグランドでハッとしたんだよ
構えているときの目付きや振り抜いた後の顔つきがそっくりだし
フェアウェイでも二人でよく笑っていたよ きっと姉妹だよ」
「そう言われれば似ているわね ねえ涼子さんどう思う?」
「う~ん 姉妹といえば姉妹だし 違うといえば違うような気がしますね
私は亜矢子さんと洋子さんだけではなくて みんな似ているように思えます」
「そうね そう言われれば顔つきや体型だけじゃなくて
もっと深いところで似ているわね みんな美人で可愛くて 
だからお昼の時に由紀枝さんとカトリアーナさんが
神山さんのテーブルに行ったのね その時に誰が誰だか分らなかったわ」
「そんなに神山さんて人気があるんだ~」
「神山さんの席に行った二人はニコニコして話をしていたわ
それからほら今朝のクラブの件 きっと神山さんが買ったのよ みんなに」
「でもなんで?」
「分らないわ 神山さんって独身でしょ」
「ええ多分」
「そうしたらどうなのかしら でもねえ 女性だとすぐに分るから」
「えっ何がですか?」
「例えばよ 洋子さんや亜矢子さん由紀枝さん由貴さん達が神山さんと
関係しているとしても、、、隠す訳にいかないし 逆に分れば
いやな思いをするでしょ ゴルフどころじゃないわよ」
「えっ 神山さんがあそこの女性全員と関係しているんですか
まさか だってそんな事をしたらあんなに仲良くしていないでしょ」
「そうよね だとしたらなにかしら あ~分らないからやめましょう」
「ええ 仲がいい事は良い事ですから 余り考えないほうがいですよ」
「そうね そうしましょう でも気になるわね、、、」

真紅のポルシェに乗っている美佳が洋子に
「洋子さん 由貴さんや桃子さんと仲がいいですね」
「そうかしら ほら大学の先輩後輩だからでしょ ねえ由貴さん」
「ええ 話せる先輩がこんな近くに存在しているなんて幸せよ ねえ桃子」
「そうですよ よく話 よく食べて よく呑んで いい先輩だわ」
「ふふふ ありがとうございます 何もでないわ
早く帰ってお風呂に入るわ 明日もお仕事だから」
「へぇ~ 先輩大変ですね」
「ええ でも楽しいわね お仕事は楽しくしないと疲れるわね」
「へぇ~ それだけの関係ですか 洋子さんは、、、」
「えっ なんで?」
「ええ なにかもっと強い絆っていうか そういうのを感じるんですよ」
「へぇ~ そうなの 普通の先輩後輩よ そう言う関係ね」

美佳は洋子と由貴や桃子だけではなく 今朝キャディーマスター室に
呼ばれた7人がなにか強い絆で結ばれているように感じた
その中心になっているのは神山だった
しかしこの空気のなかで神山と皆さん関係があるのでしょうと聞けないし
関係があるとしたらこんなに明るいはずがないと思った





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