2010年7月28日水曜日

Vol.17 出会い -2-2

「ええ 彼は人当たりもいいし 何しろ奥さんが美人でしょ
もう 言う事無いですよね」
「そうそう あんなに綺麗な美人をよく奥さんにしたよな」
「おう そんなに美人か」
「ええ 上野店でぴか一ですよ もうみんな憧れていましたから」
「あれ 倉さん知らなかったんですか 3年前かな有名な話ですよ」
「そうか そんな事があったなんて 知らなかったな」

「おじゃまします お料理をお持ちいたしました」         
「おう タイミングがいいな、、、」
「ええ 今度はちゃんと襖に耳を当てていましたから ふふふ」
みんなで大笑いすると 仲居も手伝い 料理を準備した

配膳が終わり 女将や仲居が引き上げると佐藤が筒井に
「どうでしょう 明日午前中にでも マンションに行きませんか」
「そうですね もう進めましょうか 奥村さんにお任せして」
「おう 大丈夫だよ 任せなさいって」
「私の方も 部屋の中に入れる段取りやケーブル関係を
確認する為に 業者も連れて行きたいんですよ」
「そうですね では11時ごろでいいですか」
「はい では11時に現場で待ち合わせでお願いします」


4月1日23時 上野 ビーンズ

「こんなしゃれたお店っていいな」             
「うん 山ちゃんも 時々来ればいいよ」
「ははは でもな ネコちゃんが居ないとつまらないだろ」
同期の二人はここでも同じテーブルに座り話し込んでいた
時々若い子とも話しをするが 気が合うのか二人で話すようになる

暫く呑んだり食べたりすると呑みのもを変えたくなり
「ネコちゃん カクテルでも呑むか」
「うん たまにはいいね」
神山がボーイを呼び 二人分マティーニを注文した
「それから カクテルに合うおつまみってなにがあるかな」
「それでしたら 美味しいチーズと
フランスパンを焼いたのが お口に合うと思われますよ」
「わかった そうしたら若いこの分も少し持ってきてよ」
ボーイはお辞儀をして 厨房に戻ると金子が
「どうだい 久しぶりにカラオケは」
「出来るの このお店?」
「うん 1曲1000円かかるけれどね」
「ははは 冗談だろ」
「でもな 仕掛けがあって 客の拍手が多いと安くなるんだ
どうだい ジュリーでも久しぶりに聞きたいな」
「ようし 挑戦してみるか」
「うん 山ちゃん上手だから 大丈夫だよ」
金子はそう言うとボーイを呼んで カラオケを注文した
暫くすると 可愛いウエイトレスがカクテルと
おつまみのチーズを運んできた
「美味しそうなチーズだね 生クリームみたいだ」
「食べて 美味しいよ」
神山は金子の勧めで カクテルを呑む前にチーズを食べた
フランスパンとの相性が良くて驚いた
「美味しいよ 凄いのを発見したな」
「だろう 俺もここで知ったんだ」
「チーズの名前は、、、」
「うん えーと 何だっけ 忘れた 舌をかむような名前だよ」
神山はボーイを呼んで聞いてみた
「はい このチーズはモッツァレラといいまして 固まる前の
ナチュラルチーズです」
神山は声を出さずに復唱して覚えた
「固まる前か そうするとフレッシュでないといけないな」
「うん でも1週間ぐらいは大丈夫だろう チーズだもの」
「そうか でも美味しいね」
二人が美味しいといっていると ステージが明るくなった
神山達が座った所からだと 一番奥にあるので気が付かなかった
今までかかっていたBGMがやむと ステージに男性が現れた

「こんばんわ 今宵もカラオケ5回目のステージを開きます
まずは最初に歌ってくださるのは 神山さまです
どうぞ皆様 暖かい拍手でお迎えください」
「山ちゃん がんばれ」





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