「いやぁー 恥ずかしいですよ マスターのお陰ですから」
「そんな事無いですよ お上手です」
神山は久保祥子とチケットを見てみると
『ドリンク・おつまみ 50%OFF』と印刷されていた
「わぁー 50%割引になるんだって 凄いなぁー」
「本当? そんなに安くして大丈夫なのかしら」
「大丈夫でしょ どこかで儲けているんでしょう 心配ないですよ」
「そうね よその事心配しても始まらないですね」
「そうですよ そうしたらカクテルを御代りしましょう」
神山はボーイを呼ぶとカクテルとおつまみの御代りを注文した
カラオケはこのステージ神山が最後で静かなBGMが流れだした
ステージよりの広場にはチークダンスをするカップルが何組かいた
(うーん 誘って断られるのも嫌だし 我慢するか)
久保祥子は神山がダンスをしているところを見ているので
「ねえ 踊りましょうか」
「えっ 今 踊りましょうって誘ってくれたんですか?」
久保祥子は笑みを浮かべて頷いた
神山は直ぐに立ち上がり手を差し伸べると
「少し熱くなってきたわ ちょっと待ってね」
久保祥子は濃紺のジャケットを脱ぐと見事なバストを見せた
(わぁー 大きいなー)
神山は久保祥子のバストに目が釘づけになると
「まあ 神山さん 鼻の下が伸びていますよ」
はっと 気が付き 久保祥子の顔を見ると 笑っていた
ダンスを始める時に神山は手にかいた汗をパンツで拭き
「では お願いします」
久保祥子にお辞儀をすると 笑いながら
「そんなー 私こそお願いしまーす」
二人は顔を見合わせて 笑ってしまった
神山がぎこちなく背中に手を回すと
久保祥子もそれに合わせ 両手を神山の首に絡めた
スローなリズムにステップを合わせ 久保をリードすると
ニコニコしながらステップを併せてきた
「神山さんて お上手ですね」
「そんな事無いですよ」
久保の目を見ていればよかったが どうしても胸に移ってしまう
(困ったなぁー 目の前でチラチラされると)
楽しいはずのチークダンスが 少しばかり重荷になった
2曲目が流れてきた時に久保祥子が
「神山さん どうされたの 何か心配事でもあるの?」
「ううん なにもないけれど なんで」
「うーん 楽しそうな顔していないから」
「ははは そんな事無いよ」
(もう どうにでもなれ)
神山は背筋を張ると久保の胸に当たりそうだったが
構わず姿勢をただし踊る事にした
久保祥子はしゃっきとした神山の胸に体が触れるようにした
神山は片手を久保祥子の腰まで落とすと 引き寄せるようにし
上手にリードすると 久保祥子も腰を押し付けてきた
4曲目が終わるとさすがに疲れたのか 久保祥子が
「少し休んでいいですか」
「ええ 僕もいまそう言おうと思っていたんですよ 休みましょう」
二人は手をつないでテーブルに戻る途中に 神山がボーイに
「生ビールを2つお願いします」
「はい すぐにお持ちいたします」
テーブルに戻るとボーイが生ビールを運んできてくれた
「お疲れ様」
「ほんと 4曲も続けて踊ったの初めて お疲れ様」
二人は見つめ合いながら 生ビールで乾杯した
「神山さんて 本当にお上手です 感心します」
「そんな事無いですよ 久保さんも上手に踊っていましたよ
正直 ほら あのーバストが当たると思って そちらばかり
気を取られていたんですよ でも当たったら最後
マイペースで 足を運べましたけれどね ごめんなさい」
久保祥子はやっぱりそうだったんだと思い
「最初 なにか背中を丸めている感じで
それに楽しそうな顔をしていなかったから 私から当てたの」
久保祥子はそれを言うと 手を口に当ててクスクスと笑った
「なんだ 全部お見通しか 参ったなぁー ははは」
生ビールを呑みながら 色々と話していると楽しい時間が過ぎた
久保祥子が時計を見ると 24時少し前だった
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