2010年7月30日金曜日

Vol.20 出会い -2-2

営繕課や家具装飾 住宅部門と取引のある会社だ
神山龍巳自身 上野店の営繕課の時にはよくアルタの佐藤部長と
呑みにいったりゴルフをしたりした事がある
そのアルタのナンバー1部長と催事課と筒井さんが打ち合わせ
神山は狐につままれた感じだった

「翔 なぜアルタの佐藤部長を知っている?」
「やだなぁー 先輩が銀座に来られて 整理している時に
ゴルフの写真が出てきてじゃないですか ツーショットで
ただあの時とファッションが違うので確率70%ですけど
だけど ぼくの頭の中では ピーンっときましたよ」
「あっ そうか あの写真だったら間違いないな」
神山は真実味が高くなったので 余計に分からなくなった

「翔 そろそろ出ようか 眠たくなった」
「ははは 年ですよ 昨日呑み過ぎでしょ 臭いですよ まだ」
「匂うか」
「当たり前ですよ 由香里姫にまた言われますよ」
「おいおい そんなに臭いか」
「うっそー」
神山が翔の頭をたたく振りをして 大笑いした
「今日は僕がご馳走してあげるよ 先に出ていいぞ」
「ごちです」
神山がカウンターで精算すると 翔が外で待っていて
「先輩 課長ですよ ほら あそこ」
「うん もしかしてアルタの内藤社長だよ なんだろう」
「先輩 あの建物って 本社でしょ なぜアルタと課長なんだ」
「おい もしかして 課長がアルタに引く抜かれたんじゃないか」
「えっまさか」
「だって 内藤さんが直々本社って事は秘書室 副社長だろ」
「そうか でもどうかな、、、」

神山は今起こっている事を整理したが 全然検討が付かなかった
昨日の翔の見た事が本当だとすれば 催事課の中に全く新しい
要素(仕事)が入ってくるか 後は全然分からなかった

奥村課長が副社長に会う事は 時々あるが組合連中が一緒で     
単独で面会した事は無いと思う
それがアルタの内藤社長が一緒だとすると 考えられるのは
管財の西野理事にあうということもある

事務館エレベーターで3階で降りて催事課の部屋に入ると
「わぁー びっくりした」
「やあ おはよう」
「山ちゃん 昨夜は何呑んだの 臭いー」
「ははは カクテルと焼酎と日本酒とビールかな」
「はい これ 飲んでおきなさい 多少和らぐわよ」
「サンキュー」
神山は自分の席に着くと翔が横から
「ほら 言われたでしょ」
「こら うるさい」
二人が笑っている所へ倉元が店内から戻ってきた
「倉さん おはようございます」
「おう 山ちゃん 昨夜は盛り上がったか」
「ええ 呑みすぎたみたいで みんなに臭いって言われてます」
「ははは いいことだ」
「倉元部長 おはようございます」
「おう 翔も戻っていたのか おはようさん」
神山は 今何が起きているのか倉元に聞いてみようと思ったが
当事者だった場合 絶対に口を割らないだろうと思った 

杉田翔は倉元の席に行きなにやらひそひそと話している
「おう 昨夜か あれは大事な話だ 翔には関係ないことだ」
倉元は神山に聞こえるような大きな声で返事をしていた
神山は素直に答えていないと感じ 何かが起きていると感じた


「筒井さん お待たせしました」
「こんにちわ 佐藤さん 私も少し前に来ました」
筒井は管理人室に電話をすると 中から扉を開けてくれた
管理人から部屋の鍵を借りて 6階の部屋に行った
佐藤は業者にケーブル関係や配線や全てを見るよう指示し
「筒井さん いいところですね」
「そうですね 眺めもいいし 仕事環境には最高ですね」





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