2010年7月26日月曜日

Vol.15 出会い -2-2

二人を取り巻く若い子も笑いの渦に巻き込まれていた
暫く食べたり呑んだりしていると 幹事が
「宴酣ですが 料理も少なくなりましたので 
ここで一本締めを行いますので ご起立をお願いします」 
幹事の音頭で一本締めが行われた
「ネコ 予定は」
「うん あの若いのが楽しいところに行くって誘いがある」
「そうか、、、」
「山ちゃん 何も無かったら こいよ」
「そうだな じゃあ付録で付いていくよ ははは」

御徒町の料理屋を出ると広小路通りに出て上野方面に歩いた
今夜は少し肌寒かったが 誰もコートを着ていなかった
「山ちゃん あのビルだよ」
「ああ あそこね なにが入ったの」
「ピチピチギャルがいるお店だよ」
「居酒屋、、、じゃないな でもしゃれているね」
「うん 俺もたまに行くけれどカップルが多いね」
「ははは 今夜は男ばかりで 向こうも驚くぞ」
「そうだな 男ばかりで嫌がられるかな ははは」
神山が見上げたビルは前面が総ガラス張りのビルで 
なかなかしゃれた造りの建物だった
エレベーターを降りると 前がガラス張りになっていて
真下の歩道が覗けた
「ここって けっこう怖いところだな」
「ははは 高所恐怖症か 山ちゃんは?」
「いやいや ほらガラスが真っ直ぐに成っているだろ
普通はさ 上のほうが部屋側に傾いているじゃん」
「そうだね 少し吸い込まれる感じはするね」
「だろう ははは」
神山はじめ男ばかり8人のメンバーで『ビーンズ』という
しゃれたバーに入った


4月1日20時 銀座 四季

日本料理屋四季は鈴やの事務館向かい側の ホテル禅           
地下一階にある 高級日本料理屋である

鈴やの連中は時々利用するがそれでも年に数回程度だった

奥村たちが暖簾をくぐると 女将が愛想よく挨拶した
「ようこそいらっしゃいました お待ちしていましたよ」
「いつも すみませんね 急に部屋を取っていただいて」
「こちらこそ 鈴やさんにはいつもご迷惑をおかけしています」
女将が10人くらい入れる座敷に案内した
「お料理は 少し後でよろしいですね 
ビールは先に運ばせて頂いてよろしいですか」
「ええ お願いします」
部屋に入ると 8人は座れる大きな座卓に4人が席に着いた

「では 早速 鈴やの催事課として 
この件は喜んでお引き受けしましょう」
最初に 奥寺が発言すると アルタの佐藤部長は安堵した
「ただし こちらも人手がぎりぎり状態です
妥協案として お中元の飾りつけまでは鈴やの仕事もする
その線で いかがでしょうか?」
「奥村さん ありがとうございます
多分 山ちゃんなら出来ますよ 私たちも精一杯フォローします」
「佐藤さん お願いしますね うちの貴重な人材です」
「はい 心得ております」
「おう よかったな 筒井ちゃん」
「本当にありがとうございます 倉さんや奥ちゃんの力がないと
ニーナ・ニーナはつぶれていますよ」
筒井はそう言うと 座布団から降り みんなにお辞儀をした

「おじゃまします あっよろしいですか?」
「おう タイミングがいいな さては聞いていたな ははは」
「まあ 倉さんったら 嫌な事いわないでくださいよ ふふふ」
女将がビールと簡単なおつまみを運んできてテーブルに置くと
各人のグラスにビールを注いだ

女将が下がるのをまって奥村が
「では基本線で合意ということで乾杯」





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